【新日本】「予選から優勝してビッグドリームを咲かせる」大岩陵平がエル・ファンタズモを撃破し『G1』切符を奪取!

真夏の祭典への切符を懸けた過酷なサバイバルマッチは、世代交代の残酷さと、リングに散った敗者の熱き思いが交錯する濃密な人間ドラマを生み出した。

7月6日、東京・後楽園ホールで開催された新日本プロレス『Road to G1 CLIMAX』最終戦。

第5試合に組まれた『G1 CLIMAX 36』Bブロック出場者決定戦において、若き力で躍進する大岩陵平がエル・ファンタズモを下し、2年連続となる真夏の祭典への出場権をもぎ取った。

前年度のG1本戦に出場した実力者同士が、今年はたった一つの枠を争う予選に回ったという事実は、現在の新日本プロレスがいかに熾烈な生存競争の真っただ中にあるかを物語っている。

試合は開始直後から、互いの実力と覚悟を認め合うような立ち上がりを見せた。

ファンタズモは持ち前の跳躍力とトリッキーな軌道を描く空中技でリングを支配しようと試みる。

場外への豪快なプランチャや、コーナー最上段からのムーンサルトアタックなど、長年日本のファンを魅了してきた華麗なテクニックは健在であった。

しかし、新世代の旗手として台頭する大岩の底知れぬパワーと執念が、徐々にベテランの技巧を凌駕していく。

ファンタズモの必殺技であるサドンデスを食らいながらも執念でキックアウトすると、そこから怒涛の反撃を開始。

互いの意地がぶつかり合うジャーマンスープレックスの応酬を制した大岩は、一瞬の隙を突いて代名詞であるTHE GRIPを完璧なタイミングで炸裂させ、激闘に終止符を打った。

勝負が決した直後、リング上には美しい光景が広がった。

敗れたファンタズモは、マット中央のライオンマークを指差してから、勝者である大岩の腕を高々と突き上げたのである。

それは、団体の未来を背負う若武者への最大級の敬意と、自らが果たせなかったG1への思いを託す神聖な儀式でもあった。

マイクを握った大岩は、超満員の観衆に向けて力強く吠えた。

「OK、これで『G1 CLIMAX』、20人、揃ったな、オイ!オレが予選から優勝して、ビッグドリーム、つかんでやる!『G1 CLIMAX』、優勝するのはこのオレ!THE GRIPだ!」

そして、バックステージに引き上げてからも、激戦を制した興奮と野心は冷めやらなかった。

険しい予選道を2年連続で突破した事実に胸を張り、新日本マットに自らの時代を築く決意をストレートな言葉で表現する。

「ヨッシャ!今年も『G1 CLIMAX』、これで正々堂々出れるな。2年連続予選から出ることになったけど、今年は予選から優勝して、この新日本プロレスにビッグドリームを咲かせてみせます。今年の2026年『G1 CLIMAX』、優勝掴むのはこの俺だ」

そして、試合後に無言のエールを送ってきた対戦相手への感謝も忘れなかった。

大岩はファンタズモの振る舞いを真摯に受け止め、その思いを自らの背に負う覚悟を明かす。

「あとELP、最後、新日本のリング指差して、ちょっとなんて言ったかわかんないけど、たぶん『G1』頑張れよってことだと思うんだけど、お前の気持ちも背負ってしっかり『G1』Aブロックかき乱していくから、見てるお客さん、見てるみんなも俺から目を離すなよ。俺の試合を目に焼き付けとけ」

一方で、敗者となったファンタズモの背中には、隠しきれない深い喪失感が漂っていた。

長年、日本で積み上げてきた輝かしいキャリアと実績を振り返り、過酷な現実に直面して自問自答を繰り返す。

「誰がこんな展開を想像した?誰がこんなことになると思った?日本でやってきたこと全てが、全てが……」

それでも、目の前で己を打ち破った大岩へ向ける眼差しは優しかった。

大岩が所属するTMDKの同門であり、かつてG1を制覇したザック・セイバーJr.の名前を挙げ、最高峰の舞台へと進む若者へ大きな期待を寄せる。

「オーイワ、今夜俺にやったことを、これからもやり続けるんだ。今夜コーラクエンで見せたものを、これからも皆に見せつけてやれ。頼むぜ、兄弟。最後まで駆け抜けろ。その勢いのままリョーゴクまで突っ走れ。ザックに続いて、『G1 CLIMAX』を制するんだ」

自らの敗北を受け入れ、新世代へと重いバトンを託したファンタズモ。

しかし、最後には感情が溢れ言葉を詰まらせ、今後の去就や自らの立ち位置について複雑な心境をのぞかせた。

「……ごめん、言葉が見つからない。自分の気持ちや何を言えばいいのかわからない。でも、そのことについては明日話すよ」

敗者の涙と勝者の歓喜が交差した出場者決定戦。

ファンタズモの無念を背負った大岩陵平が、真夏の祭典でどのような「ビッグドリーム」を描くのか。

2026年のG1 CLIMAXは、開戦前からすでに心を揺さぶるドラマを生み出している。

<写真提供:新日本プロレス>

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