【新日本】「俺を倒したのが日本人じゃないのは残念」ゲイブ・キッドが『G1』でかつての盟友ドリラ・モロニーに敗北
新日本プロレスが7月18日、北海道立総合体育センター(北海きたえーる)で開催した真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第2戦。
Bブロック公式戦の第4試合では、凄惨な流血戦の末に、かつての盟友同士による愛憎渦巻くドラマが繰り広げられた。
2024年3月にAEWへ電撃移籍を果たし、7月6日の後楽園ホール大会で海野翔太を血祭りに上げてIWGP GLOBALヘビー級王座を強奪したゲイブ・キッド。
現在の新日本プロレスにおいて最も危険な「外敵」として『G1』に乗り込んできた暴君の前に立ちはだかったのは、かつてBC WAR DOGSやUnbound Co.で苦楽を共にしたドリラ・モロニーであった。

試合前からゲイブは傍若無人な振る舞いで会場を掌握しようとする。
花道を使わずに観客席から登場すると、スタッフからGLOBALのベルトを乱暴に奪い取って床に投げ捨て、リングアナウンサーのコールを遮って「AEW、イチバン!」と絶叫。
新日本プロレスのリングを徹底的に愚弄してみせた。

しかし、かつての兄弟分であるモロニーは、そんな挑発に一歩も引かなかった。
開始早々から場外での大乱闘に発展し、互いの額から鮮血が飛び散る凄惨な死闘へと突入する。

中盤以降は、意地と意地がぶつかり合う掟破りの技の応酬となった。

ゲイブがモロニーの必殺技であるザ・ゴアやドリラ・キラーを狙えば、モロニーもゲイブのO-KNEEやレッグトラップ・パイルドライバーを掟破りで敢行。

互いの手の内を熟知しているからこそ生まれる、一瞬の隙も許されない攻防の末、最後はモロニーが本家のドリラ・キラーを完璧なタイミングで突き刺し、外敵王者から価値ある3カウントを奪い取った。
試合後、大の字でリングに沈むゲイブを見下ろし、奪還をアピールするかのようにGLOBALのベルトを高く掲げたモロニー。
しかし、バックステージでは一切の言葉を発することなく、無言のまま控室へと姿を消した。
多くを語らないその背中からは、かつての盟友を自らの手で沈めたことへの複雑な感情が滲み出ていた。

一方、新日本プロレスのリングで屈辱的な敗北を喫したゲイブは、ダメージを引きずりながらも、どこか達観したような笑みを浮かべてインタビュースペースに現れた。
「誰かが俺を倒さなきゃいけなかったんだろ? 誰かが俺を倒さなきゃいけなかったはずだ」
王座強奪以来、団体の至宝を蹂躙し続けてきた自身に向けられるヘイトの大きさを自覚した上で、ゲイブは新日本プロレスの日本人レスラーたちへ辛辣な言葉を投げかける。
「この団体のクソガキども全員が、俺の背中にあるクソデカい標的を狙ってやがる。だが、俺を倒したのが日本人の男じゃなかったってのは、マジで残念だよな?」
海野翔太をはじめとする新世代や、団体を背負うべき日本人選手たちが自分を止められなかったことへの痛烈な皮肉。
そして、自らに土をつけたのが、他でもないかつての兄弟分であったことへの歪んだ誇りが口をついて出る。
「この話の教訓はこうだ。お前らクソ野郎どもじゃ、俺には勝てねぇ。アイツは、レベルが違う。俺と同じレベルだ。アイツは俺の兄弟だからな」
モロニーの実力を自分と同等だと認め、「兄弟」と呼んで最大の賛辞を贈るゲイブ。
そして、次なる展開への布石を打つことも忘れなかった。
「もしタイトルマッチをやりてぇって言うなら、俺はここにいる。まあ、時と場合によるけどな」
敗れてなお圧倒的な存在感を放つゲイブ・キッドと、無言のまま実力で外敵を制裁したドリラ・モロニー。
袂を分かった2人の運命が再び交錯した時、新日本プロレスのリングに新たな抗争の火種が撒かれた。
過酷な『G1』の星取り争いと並行して、IWGP GLOBAL王座を巡る物語もまた、予測不能な結末へと向けて動き出している。
<写真提供:新日本プロレス>













