【新日本】SANADAが『G1』連敗ストップ!「人間、1回どん底に落ちてからが、本当の勝負なんだ」とIWGP王者・辻陽太をデッドフォール葬
新日本プロレスが7月21日、宮城・仙台サンプラザホールで開催した真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第4戦。
セミファイナルとして行われたAブロック公式戦は、どん底からの生還を懸けた男の執念が、若き王者の誇りを飲み込む結末となった。
現在IWGPヘビー級王座を保持する辻陽太は、ここまで1勝1敗。
対するSANADAは開幕からまさかの2連敗を喫し、背水の陣でこの日のリングに上がった。
両者の歴史を紐解けば、辻の凱旋帰国試合で当時のIWGP世界ヘビー級王者であったSANADAが立ちはだかり、以降も過酷なリーグ戦で鎬を削ってきた因縁の相手である。
直前の前哨戦において、辻は人生の節目を迎えたSANADAに対し「大切なものを守るための強さ」を問いかけていた。

この日の試合は、その問いに対するSANADAからの非情なまでの回答であったと言える。
試合は序盤から、両者の意地が交錯するテクニカルな攻防で幕を開けた。

SANADAがエプロンを使った断崖式マジックスクリューで機先を制せば、辻も力強いカーブ・ストンプやシットダウン式パワーボムで押し返す。
終盤、戦いは極限のシーソーゲームへと突入。

SANADAがSkull Endからラウンディング・ボディプレスを放てば、辻も渾身のジーンブラスターを炸裂させるが、互いに執念のキックアウトを見せる。

迎えた最終局面、辻の追撃を逃れたSANADAは、あえて浅見レフェリーを巻き込むような動きを見せる。

辻がレフェリーへの衝突をこらえた一瞬の隙を見逃さず、SANADAは辻をポップアップしながら後方へ倒れ込み、下から急所を蹴り上げるという禁断の一撃を放った。

悶絶する王者へ、最後は伝家の宝刀デッドフォールを完璧に決め、泥臭く3カウントを奪い取った。

反則すれすれの手段を用いてでも連敗を脱出したSANADAは、バックステージで左右の肩の厚みの違いを誇示するようにアピールし、不敵な笑みを浮かべた。

「全然違うだろ?」
開幕2連敗という絶望的な状況。しかし、美学を重んじてきた男は、なりふり構わぬ勝利で自らの生存証明を果たした。
「人間、1回どん底に落ちてからが、本当の勝負なんだ」
綺麗なプロレスだけでは生き残れない真夏のサバイバル。
どん底を見た者だけが放つ狂気と執念が、ここから逆襲の狼煙となることを力強く宣言した。

一方、急所へのダメージで床に座り込み、荒い息を吐きながらインタビュースペースに現れた辻。
前哨戦で「守るべきものがある人間の強さ」を説いていたIWGP王者は、手段を選ばなかった対戦相手の覚悟を身をもって味わうこととなった。
「大切なものを捨ててまでも、勝つ。大事なものを守るためなら」
辻は苦悶の表情を浮かべながらも、SANADAが選んだ戦法を決して卑怯とは呼ばなかった。
自らの美学という「大切なもの」を捨ててでも、連敗ストップという「大事なもの」をもぎ取った覚悟。
それこそが、この日のSANADAの強さの正体であったと認めたのである。
「それが今日のSANADAだった」
首筋を押さえ、静かに控室へと消えていった若き王者。
なりふり構わぬ「どん底からの強さ」を見せつけたSANADAと、敗れてなお王者の器の大きさを示した辻陽太。
過酷な『G1』の星取争いの中で、2人の男の生き様が色濃く交錯した仙台の夜であった。
<写真提供:新日本プロレス>













