【新日本】「丸め込みでも何でも3カウント獲った方が勝ち」大岩陵平が『G1』でグレート-O-カーンから執念の勝利

新日本プロレスが7月21日、宮城・仙台サンプラザホールで開催した真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第4戦。

Aブロック公式戦として組まれた第6試合は、若武者の意地と冷酷な勝負論が交錯するスリリングな一戦となった。

現在IWGPタッグおよびNEVER無差別級6人タッグの二冠を保持するグレート-O-カーンに対し、NOAHでの武者修行を経て逞しく成長した大岩陵平が、泥臭くも価値ある1勝をもぎ取った。

大岩にとって、オーカーンはヤングライオン時代に7度のシングルマッチを闘い、全敗を喫している高い壁である。

2024年9月の凱旋帰国後、初めて一騎討ちで相まみえる絶好の「恩返し」の舞台であった。

しかし、百戦錬磨の王者は甘くない。

ゴングを待たずに奇襲を仕掛けると、大岩が痛めている右脇腹に容赦のない集中砲火を浴びせた。

場外でのイス攻撃や、テーピングを強引に引き剥がしての打撃など、プロレスにおける弱点攻めの定石を徹底するオーカーン。

さらに金具むき出しのコーナーやレフェリーを盾にする狡猾な戦法で若武者を追い詰めた。

だが、大岩の闘志は折れなかった。

オーカーンの追撃を間一髪で回避し、逆に相手を金具コーナーに激突させると、隙を見逃さずに足を捕らえ、鮮やかなロイクラッチで3カウントを奪取。

ヤングライオン時代の高い壁を越え、過酷なリーグ戦で2勝目を挙げた。

試合後、怒り心頭のオーカーンがイスを持ち出してレフェリーを突き飛ばす暴挙に出たが、大岩は得意のTHE GRIPで場外へ豪快に排除し、完全に主導権を握ったままリングを降りた。

バックステージに姿を見せた大岩は、床にへたり込み、集中攻撃を受けた右脇腹を苦しそうに押さえた。

痛みをこらえながらも、その表情には大きな壁を越えた充実感が漂う。

「やっと、2勝目っすね。今年の『G1』、どこどこが痛いとか言ってもね、みんな何かしら満身創痍で闘ってると思うんすけど、テーピングしたら、そりゃあ狙われるのはわかってるよ」

弱点を晒せば執拗に狙われるのがプロレスの厳しさであり、オーカーンの非情な攻めは百も承知であった。

大岩は、その圧倒的な不利な状況すらも想定し、自らの手札を信じて試合を組み立てていたのである。

「その上で、こっちだって作戦考えて試合組み立ててんだから、まだまだ負けるわけいかねえだろ。今日の勝ち、見たでしょ?」

どんなに圧倒されようとも、一瞬の隙を突いてピンフォールを奪えば勝者となる。それが過酷なリーグ戦を生き抜くためのリアリズムだ。

「こんだけ逆境でも、最後までね、プロレスって、丸め込みでも何でも3カウント獲った方が勝ちだから。特に『G1』なんて、1勝1勝がこの先の展開にかかってると思うから、そういう丸め込みだったり、1個武器があるだけで、自分は心強いっすよ」

美しい大技だけがプロレスではない。泥にまみれても勝利を執念でたぐり寄せる「ロイクラッチ」という武器の存在が、大岩の自信をさらに深めていた。

そして、立ち上がった大岩の視線は、次戦で激突するYuto-Iceへと向けられる。Iceもまた、先の激闘で首に大きなダメージを負っている満身創痍の身である。

「次、大田区の初日でYuto-Iceだな。オイ、お前も首、痛めてんのか知らねえけど、お前だって、狙ってこいよ。ここ、狙ってこいよ。俺だってお前の痛めてるとこ、狙ってやるからよ」

互いの傷口をえぐり合う残酷な闘いになることを予告し、大岩は自身の脇腹を叩いて不敵な宣戦布告を行なった。

一方、後輩に足元をすくわれる形となったオーカーンは、屈辱のノーコメントで控室へと消えた。

華やかな技の応酬の裏で繰り広げられる、シビアな弱点攻めと一瞬の知略。

大岩陵平が手にした価値ある2勝目は、真夏のサバイバルレースの過酷さと、若き才能の確かな進化を証明していた。

<写真提供:新日本プロレス>

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