【新日本】「俺がボスなら新しいキャプテンに選ぶ」ドリラ・モロニーが『G1』で上村優也を撃破し最大級の賛辞

新日本プロレスが7月22日、新潟・アオーレ長岡で開催した真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第5戦。

Bブロック公式戦のセミファイナル(第8試合)として行われた上村優也とドリラ・モロニーの一戦は、リング上の闘いを通じて互いの魂をぶつけ合う、プロレスリングの美しさが凝縮された珠玉の名勝負となった。

両者の因縁は、今年3月の『NEW JAPAN CUP』2回戦まで遡る。

その際、上村がモロニーの必殺技ドリラ・キラーを受けながらも一瞬の隙を突いて丸め込み、逆転勝利を収めていた。

前日の前哨戦において、モロニーは「尊敬している。同時に殺したいとも思っている」と、上村に対する複雑な感情を吐露していた。

光り輝く「日本のスーパーマン」に対する野獣のジェラシーとリスペクトが交錯する中、運命のゴングが鳴らされた。

前哨戦と同様に、モロニーは自ら右手を差し出し、上村と固い握手を交わして試合を開始する。

序盤は互いの技術と意地がぶつかり合う、息の詰まるようなグラウンドの攻防が展開された。

モロニーがラフファイトを封印し、純粋なレスリング技術で上村に真っ向勝負を挑んだのである。

試合が佳境に入ると、上村は得意のアームドラッグや飛びつき式腕ひしぎ逆十字などでモロニーの腕を執拗に攻め立て、ジャーマンスープレックスで勝負に出る。

しかし、モロニーの無尽蔵のパワーは凄まじかった。

フランケンシュタイナーで飛びついてきた上村を空中で捕らえてパワーボムで叩きつけると、最後は因縁の必殺技であるドリラ・キラーで完璧に突き刺し、重厚な3カウントを奪取した。

決着後、大の字で倒れる上村の傍らに立ったモロニーは、そっとその右手を握りしめた。

そこには前日までの「殺意」は消え失せ、死闘を演じた好敵手に対する純粋な敬意だけが存在していた。

バックステージに姿を見せたモロニーは、この勝利が単なる雪辱ではないことを強調した。

「これはリベンジじゃない。3月の敗戦の償いだ。2点獲得という意味もある」

春の敗北から引きずってきた深い呪縛を、自らの力で断ち切ったモロニー。

そして、その口からは、激闘を交えた上村に対する最大級の賛辞が飛び出した。

「もし俺がこの団体のボスで、新しいキャプテンが必要だとしたら、皆を高みに導く新しい日本のスーパーヒーローが必要だとしたら、俺は上村を選ぶだろうと思うからだ」

異国の地で闘うモロニーにとって、上村の眩いばかりの才能はかつて嫉妬の対象であった。

「この団体に来たばかりのときは、嫌いだった。優れた才能を持っていたからだ。しかし、この団体で一番辛かったときも、俺が嫌いになることはなかった」

愛憎入り混じる感情を包み隠さず吐露しつつも、過酷なリーグ戦を生き抜くリアリストとしての顔も忘れない。

「憎かろうが、愛していようが、2点は2点だ!」と勝ち点の重みを噛み締め、「次の相手なんて知らねえ。楽しむのさ。『G1』なんだから」と、充実した表情で前を向いた。

一方、肩を借りてインタビュースペースにたどり着いた上村は、敗北の悔しさを滲ませながらも、モロニーから突きつけられた熱い思いを真正面から受け止めていた。

「クソッ! モロニー! アイツの新日本にかける思い、伝わったけど、絶対どこにも行くなよ! 俺がまたやり返すから」

勝敗を超えて通じ合った二人の絆。

新日本プロレスの未来を担う「スーパーヒーロー」は、己を認めてくれた好敵手に対し、さらに高い次元での再戦を力強く誓った。

「もっともっと上で俺たちの闘い、見せてやろうぜ!」

己の全てをぶつけ合い、憎しみすらも尊敬へと昇華させる。

上村優也とドリラ・モロニーが長岡の地で紡いだ熱いドラマは、真夏の祭典に新たな伝説の1ページを刻み込んだ。

<写真提供:新日本プロレス>

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