【新日本】「一人の男としてあなたみたいな男になりたい」辻陽太が『G1』同門対決で鷹木信悟を撃破し魂のマイク
新日本プロレスは7月25日 (土)、東京・EBARA WAVE アリーナおおた(大田区総合体育館)で真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第6戦を開催した。
メインイベントを飾ったのは、IWGPヘビー級王者としてリーグ戦に臨んでいる辻陽太と、鷹木信悟によるAブロック公式戦である。

同じUnbound Co.に所属する同門対決であり、2021年の後楽園ホール大会以来、実に5年ぶりとなる注目のシングルマッチは、新旧のプライドが正面から激突する凄惨な死闘となった。

互いに後がない星取(辻1勝1敗、鷹木1勝2敗)で迎えた一戦は、序盤から同門という遠慮を一切感じさせない真っ向勝負となる。

中盤以降は、互いの必殺技であるMADE IN JAPANやジーンブラスターを掟破りで繰り出し合うなど、意地と意地が交錯する展開に。

頭突き合戦から、鷹木が「陽太、勝負だ!」と叫んで突進すれば、辻も「元気だな、オッサン!」と呼応し、リング上は極限のテンションに達した。

最後は、猛攻を仕掛ける鷹木の隙を突き、辻が渾身のファイヤーブラスターを炸裂させて激闘に終止符を打った。鷹木は1勝3敗と崖っぷちに追い込まれ、勝利した辻は2勝目を挙げて星を五分に戻した。
満身創痍の状態でリングに大の字となった両者。

レフェリーの肩を借りて立ち上がった辻は、退場しようとする鷹木に向かってマイクを握り、心の底からのリスペクトを叫んだ。
「鷹木さん、ちょっと待ってくれ! 俺にとって鷹木信悟、アンタは高い壁だった。これからも俺の前に立ちはだかり続けてください。俺はレスラーとしてだけじゃなく、一人の男としてあなたみたいな男になりたい」

その言葉を受けた鷹木は、倒れた状態のまま辻と拳を合わせ、静かにリングを後にした。
先輩からの無言のエールを受け取った辻は、さらに会場のボルテージを上げていく。
「激烈ハツラツな戦いだったぜ! 振り返ってみたらさ、北海道で開幕して、今日で5戦目だな。日本で勝利したのは、今日が初めてなんだ」

シカゴでの開幕以降、苦しい戦いが続いていた若き王者は、日本のファンの前でようやく掴んだ勝利の味を噛み締めていた。
「俺の肌感覚では負けっぱなしだったけど、この『G1』、最高に盛り上がってるぜ! 俺が目指すのはもちろん、IWGPヘビー級チャンピオンとして、史上3人目のG1制覇。この『G1』、盛り上がって、いい流れに乗って、日本全国を駆け回っていくぞ! 覚悟はいいかー!? OK、OK、DJ! Now On Fire!」

大歓声に包まれながら、自らの足でしっかりとバックステージに歩を進めた辻。
自参したイスに腰掛けるとその表情は充実感に満ちていた。しかし、代償も小さくはない。
「マジで激烈だった。前にも1回あったんだけど、鷹木さんのパンピングボンバーが喉に入って、またちょっと声が潰れちまったよ。今度はちゃんと治るかな?」
苦笑いを浮かべつつも、過酷なリーグ戦の只中で躍動する新日本プロレスの熱量を、誰よりも肌で感じている。
「こんだけ物事がいろいろ変わってどうなるかって時に、俺だけじゃない現世代のヤツらもベテランたちも最高のパフォーマンスをしている。こんなに暑い夏、熱いプロレス団体は他にねえと思うんだ。その新日本プロレス、俺はここが最高のリングだと思っている。次は、Yuto-Iceだな」
団体の頂点に立つ者としての揺るぎない誇りを胸に、次なる闘いへと視線を向けた。
一方、激闘の末に敗れ去った鷹木は、ダメージの大きさを隠しきれない様子でインタビュースペースに現れると、開口一番、記者に向かって辻の未知なる一撃について問いかけた。
「ウオォ、効いたぁ……。オイ、市川さん! なんだ最後のアレ? アレがファイヤーサンダーだか、サンダーファイヤーだか知らねえが新技か? めちゃくちゃ効いたよ。なんだ、あのスピード。あんな後半であんな一発持ってるとはな。スゲー陽太。凄い陽太」
自身を沈めた後輩の底知れぬポテンシャルに、ただただ舌を巻くしかない。
しかし、辻からリング上で「高い壁であり続けてほしい」と懇願されたベテランに、立ち止まるという選択肢はない。
「まぁ、お前がいまリング上で言った通り、高い壁でいなきゃ、若いヤツらもおもしろくねぇもんな。大貴もそうだし、UnboundのIceもOSKARもそうだけど、おもしれえ」
突き上げてくる若手たちの存在が、鷹木の闘争心にさらなる火をつける。黒星が先行する絶望的な星取にあっても、龍の闘志は全く衰えていない。
「高々これで1勝3敗? 崖っぷち? バカヤロー! いつも言ってんだろ! こっからが鷹木信悟の真骨頂だ!」
己の壁を越えていった後輩を称えつつ、さらなる逆襲を誓う鷹木信悟。
そして、新世代の旗手として新日本プロレスを力強く牽引する辻陽太。
Unbound Co.の同門対決は、単なる勝敗を超えた魂の伝承劇として、大田区の夜に深く刻み込まれた。
<写真提供:新日本プロレス>
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