【新日本】『G1』大田区が熱狂!Yuto-Iceが大岩陵平の野望を粉砕し「俺が火元なんだよ」と豪語
新日本プロレスは7月25日 (土)、東京・EBARA WAVE アリーナおおた(大田区総合体育館)で真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第6戦を開催した。
セミファイナルとなるAブロック公式戦では、ヤングライオン時代からしのぎを削ってきたYuto-Ice(1勝2敗)と大岩陵平(2勝1敗)の宿命の対決が実現した。
今年4月の『NJC』1回戦では大岩が一瞬の隙を突いた丸め込みで勝利を収めており、Iceにとっては絶対に落とせない雪辱戦。
リング上には、憎悪をエンターテインメントに昇華させようとするIceと、純粋な闘争心で相手を破壊しようとする大岩の、決して交わることのない「水と油」のプロレス観が激しく衝突した。
試合はゴング前から額を突き合わせる異常な緊張感の中で幕を開ける。大岩が相手の髪を掴んで挑発すれば、Iceは開始のゴングを待たずに奇襲のエルボーを乱れ打ち。
序盤から戦場は場外へと移り、大岩は負傷を抱えるIceの首を冷酷に狙い撃ちにする。
硬いイスへのDDTを皮切りに、自身の脇腹に巻かれていたテーピングを自ら引き剥がしてIceを鉄柱へ激突させるなど、狂気すら感じさせる無慈悲な一点集中攻撃を展開した。
リングに戻っても大岩の殺気は収まらず、中指を突き立て、ツバを吐きかけてからのショートレンジラリアットや、師匠譲りの天山スープレックスの連発でIceを追い詰める。
しかし、どれほどダメージを蓄積してもIceの闘志は消えない。THE GRIPでトドメを刺しにきた大岩に対し、死力でカウンターのハイキックを叩き込むと、最後は必殺のCruellaを完璧に決めて3カウントを奪取。
試合後、力尽きた大岩の喉元を掴んで不敵な笑みを浮かべたIceが、2勝目を挙げて星を五分に戻した。

バックステージに姿を現したIceは、負傷箇所を攻められながらも激闘を制した代償を感じさせないほど、自身のプロレス哲学を雄弁に語り始めた。
「よく言われるんだ。『Yuto-IceはこのG1もつのか?』とかよ。どうだっていいんだよ。俺は一試合一試合を、どこでも自分をさらけ出すだけだ。後先なんか考えてもつまんねえだろ?」
刹那的な生き様を誇示しつつ、矛先は大岩との間に渦巻く感情へと向かう。
「おたがい大っ嫌い同士か? これからもっとおたがいに対する憎悪とかを高めていこうぜ。そっちのほうがカネになるし、俺は強くなれると思うんだ」
怒りやジェラシーといった負の感情すらも「カネになる」と豪語する。
さらにIceは、現在自身の周囲を取り巻くOSKAR、ドン・ファレ、HEAT STORM(上村優也)、HENARE、ボルチン・オレッグ、KONOSUKE TAKESHITAといった強敵たちの名を次々と挙げ、自身こそがそれらの熱を生み出し「俺が火元なんだよ」と絶対的な自信を覗かせた。
そして、次戦で激突する同門の辻陽太については「大好きやし一緒にキャバクラとかも行く仲」と前置きしつつ、リングネームに込めた真意を明かす。
「俺自身は光り輝くことができない。対戦相手の一番カネになる部分を引き出して、そいつの光の反射でそいつよりも光輝く。それが俺、Iceだ。月の光、利用させてもらうわ。お前らは何も考えなくていい。ただ感じろ! LET’S GET HIGH! BIG UP!」

一方、全てを懸けた首攻めも実らず、痛恨の敗戦を喫した大岩の表情は暗かった。
これでシングルマッチの戦績は1勝1敗となったが、大岩の心境は複雑だ。
「シングル1勝1敗だけど、タッグじゃずっと負けてんだよ。俺はアイツからずっと遅れを取ってるんだよ。だから、今日この大田区で、しっかり俺がギブアップ取らなきゃいけなかった」
場外戦での奇襲も、首への非情な攻撃もすべて作戦通りであったと認めた上で、「相手の土俵に乗ったら、それは相手も強いわけで。大っ嫌いな敵に3カウント取られた。結果はただそれだけだ」と、潔く完敗を認めた。
現在2勝2敗。ここからの巻き返しへ向け、大岩の口からは引退を控える恩師への強い思いがこぼれる。
「もうこっから、ホントに負けられない。天山さんの引退に花を添えるのは、この俺だ」
そして最後に、Iceが語った「憎悪を高めてカネにする」というビジネスライクな発言について触れられると、若武者は明確な拒絶反応を示した。
「Yuto-Ice、お前何も俺のことわかってねえな。だから水と油だ。お前は一生俺のことなんかわかんなくていいよ。俺は俺のやり方で、いつか必ずシングルでもタッグでも叩き潰してやる」
プロレスを極上のエンターテインメントとして俯瞰するIceと、感情の赴くままに目の前の敵を粉砕しようとする大岩。
両者の根底にある価値観は決して交わることはない。
だからこそ、この二人の闘いは美しく、そして残酷なまでに観る者の心を打つのである。
<写真提供:新日本プロレス>
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