【新日本】「こんなもんに頼ってんじゃねえ!」後藤洋央紀が『G1』で武士道を貫くもオーカーンの非道に散る
新日本プロレスは7月25日 (土)、東京・EBARA WAVE アリーナおおた(大田区総合体育館)で真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第6戦を開催した。
第5試合のAブロック公式戦では、後藤洋央紀(2勝1敗)とIWGPタッグならびにNEVER無差別級6人タッグの二冠王であるグレート-O-カーン(1勝2敗)が激突した。
これまでタッグ戦線で激しい火花を散らしてきた両雄だが、意外にも今回が初めての一騎打ち。リング上で交錯したのは、あくまで正々堂々の勝負にこだわる後藤の「武士道」と、勝利のためには手段を選ばないオーカーンの「狂気」であった。

ゴング前から奇襲を仕掛けたオーカーンは、序盤から場外戦でイスを持ち出し、後藤の腹部や背中を容赦なく殴打。

さらには倒れた相手の上にイスを置いて玉座のように座り込むという、王者としての威厳を履き違えたような傍若無人な振る舞いを見せつける。

中盤、怒りに火がついた後藤も村正やバックドロップ、牛殺しといった得意の猛攻で反撃の狼煙を上げる。しかし、オーカーンは噛みつき攻撃やレフェリーを盾にするなど、徹底して荒れた展開へと引きずり込んでいく。

勝敗を分けたのは、両者のプロレス観が真っ向から衝突した終盤のイスを巡る攻防であった。

リング上にイスを持ち込みフルスイングを狙ったオーカーンに対し、後藤はイスを奪い取って形勢逆転のチャンスを迎える。
オーカーンが命乞いをする中、後藤の心に去来したのは誇り高き荒武者としてのプライドであった。
「こんなもんに頼ってんじゃねえよ!」

怒声とともに自らイスを投げ捨て、肉体のみでの決着を選んだ後藤。しかし、非道なる二冠王はそんな潔さをあざ笑うかのように、一瞬の隙を突いて急所への王統流正拳突きを見舞う。

苦悶する後藤にすかさず必殺のエリミネーターを炸裂させ、オーカーンが非情な3カウントを強奪した。

悪夢は試合後も続く。

オーカーンはイスでさらなる凶行に及ぼうとし、身を呈して盾となった松本達哉を冷酷にはねのける。そして後藤の頭部をイスに固定した上で別のイスをフルスイングで振り下ろし、完全KOに追い込んで不気味な高笑いを響かせた。
怒濤の惨劇の余韻が冷めやらぬまま、インタビュースペースは異様な空気に包まれた。
後藤はあまりのダメージと屈辱からノーコメントで控室へ直行。
対するオーカーンは、FGOコラボバスタオルで肩を覆い、報道陣に背を向けたまま奇妙な言葉を並べ立てた。
「パルワールド オフィシャルカードゲーム、Fate/Grand Order、宮根誠司、安川正孝、HaKA、勝利への貢献、褒めてつかわす」
自身のスポンサーや関連する固有名詞を羅列するのみで、対戦相手である後藤への言及は一切なし。
G1という過酷な舞台における初シングルマッチの勝利すら、オーカーンにとっては自身の特異な世界観を誇示するための手段に過ぎないのだろうか。
星取はこれで両者ともに2勝2敗の五分となった。
愚直なまでに己の信条を貫いて敗れた後藤洋央紀と、反則の限りを尽くして勝利をもぎ取ったグレート-O-カーン。
勝敗のコントラストが色濃く出た大田区の夜は、リーグ戦の過酷さいと勝負の非情さを如実に物語っていた。
<写真提供:新日本プロレス>
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