【新日本】「俺がプロレス界最強だ!」ゲイブ・キッドが『G1』でザック・セイバーJr.に2年越しの雪辱を果たし単独首位へ

新日本プロレスは7月26日 (日)、東京・EBARA WAVE アリーナおおた(大田区総合体育館)で真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第7戦を開催した。

第9試合のメインイベントでは、Bブロック公式戦としてザック・セイバーJr.(1勝2敗)とIWGP GLOBALヘビー級王者のゲイブ・キッド(3勝1敗)が激突した。

両者の因縁は深く、前回の対戦(2024年のG1公式戦)ではザックが戦慄の変型スリーパーでレフェリーストップ勝ちを収めている。

イギリスの同郷でありながら対極の道を歩んできた二人。ゲイブにとっては、屈辱を晴らすための2年越しの雪辱戦となった。

試合は、ゲイブが客席を練り歩きながら登場し、自らのベルトをリングサイドに投げ捨てるという不遜な態度で幕を開ける。

ゴングが鳴ると、ゲイブの暴力的なパワーとザックの緻密なサブミッションが激しく交錯。

ゲイブが噛みつきや鉄柱攻撃、さらには放送席のKUSHIDAへのツバ吐きといったラフファイトを展開すれば、ザックは変型ドラゴンスクリューからゲイブの関節を的確に破壊していく。

終盤、ザックのザックドライバーを垂直落下式ブレーンバスターで切り返したゲイブは、コーナー最上段から棚橋弘至を真似たハイフライフローを放つ(ザックが両膝で迎撃)。

そこからエプロンでのツームストンパイルドライバーという危険な一撃を経て、最後はデスライダーからレッグトラップ・パイルドライバーという怒涛の畳みかけで、ついにザックから執念の3カウントを奪い取った。

激闘を制し、Bブロックの単独首位(4勝1敗)に立ったゲイブ。マイクを握ると、敗れたザックに対し、日本語と涙声で感傷的な言葉を投げかける……かに見えた。

「ザック、ニセンジュウナナネン、ゲイブ・キッド、ザック・セイバーJr.……」

しかし次の瞬間、顔を上げて邪悪な笑みを浮かべ、本性を現す。

「ママのおっぱいでも吸ってろ、俺がプロレス界最強なんだ! あんなことで俺が女々しく泣くとでも? うるせえ。みんな雑魚め」

観客のブーイングを心地よさそうに浴びながら、さらに危険な野望を口にする。

「有酸素運動代わりでこれに優勝してやる。G1で優勝して、真のレスリングトーナメントである『AEWコンチネンタル・クラシック』に行く。俺を出してくれ。G1なんてクソくらえ。ここのヤツらはクソくらえ。この団体もクソくらえ。イジョー!」

新日本プロレスの至宝を冒涜する言葉を吐き捨て、自身のベルトを蹴り飛ばしながらリングを後にしたゲイブ。

しかしバックステージでは、狂乱の姿から一転して床に胡座をかき、自身を導いた恩師であり、かつてLA道場で共に汗を流した柴田勝頼(現AEW/ROH)に向けて、痛切なメッセージを発信した。

「俺の前にいるんだ、シバタクン。他人に人生をコントロールさせていいのか? 1人の医師がここでのレスリングは許可できないと言った。でもお前はできるんだ。で、どうするつもりなんだ? 自分で決めるのか? お前は俺になんて言った? お前は俺に何を教えた?」

AEWマットでくすぶる恩師の現状に不満をぶつけつつ、自身と柴田を引き合わせたのが、今日倒したザックであることを明かす。

「誰が俺とお前を引き合わせた? ザックだったよな。俺は今ヤツに勝った。不満を抱えて座っているつもりか? それとも、ニュージャパンに戻ってきて、俺からこれを奪うか? かかってこいよ」

狂気と暴言の裏に隠された、師への屈折した愛情と強烈なジェラシー。

恩師を超え、プロレス界の頂点に立つための孤独な闘いが、ゲイブの原動力となっているのだ。

一方、悪夢の3連敗(1勝3敗)を喫したザックは、床に座り込み、自らのアイデンティティを見失いかけていた。

「クソ……。2年前はこの大会を制した。去年は準決勝まで行った。これで…3連敗か? 自分はまだ世界最高のレスラーの一人だと思ってた。でも…もしかして、本当に俺はもう全盛期を過ぎたのか? 何が起きてるのか、自分でも分からない。今日は……もうノーコメントだ」

失意の底に沈むザックと、狂気の先にある頂を見据えるゲイブ。

Bブロックの星取は、ゲイブ・キッドという制御不能の怪物を中心に、いよいよ予測不可能なカオスへと突入していく。

<写真提供:新日本プロレス>

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