【マーベラス】長与千種が解散懸けのスパーク・ラッシュに「まだ足んない。爆弾は大きければ大きい方がいい」と一蹴!そして若き反逆者・暁千華の宣戦布告

女子プロレス界において、圧倒的な強さとカリスマ性で他を寄せ付けない最強タッグ「スパーク・ラッシュ(Sareee&彩羽匠)」。

連戦連勝を重ね、向かう所敵なしの王道を突き進む彼女たちの前に、あえて自らその巨大な壁に頭から突っ込んでいく若き反逆者たちがいる。

桃野美桜、そして暁千華である。

7月26日のマーベラス船橋大会。桃野&暁組はスパーク・ラッシュに挑み、敗れはしたものの、試合後のリングは壮絶な景色に包まれた。

「どちらかが負けたらスパーク・ラッシュ解散」——Sareeeの口から放たれたあまりにも重い爆弾発言。

そして、桃野に対する「ただのマスコットじゃエースになれない」という辛辣極まりないマイク。

創設10年の節目を越え、11年目へと足を踏み入れたマーベラスのリングは今、かつてないほどの「ヒリヒリとした熱」を帯びている。

来る8月8日、後楽園ホール。

Sareee vs 桃野美桜、彩羽匠 vs 暁千華という2大シングルマッチを前に、世代闘争の渦中にいる暁千華と、この劇的な状況を俯瞰する長与千種代表に話を訊いた。

前編では、絶対的王者に挑む若手の覚悟と、長与代表が望んだ「マーベラスの新たな扉」について深く切り込んでいく。

▼殺伐とした前哨戦となった7.26マーベラス船橋大会 (彩羽&Sareee vs 桃野&暁)

 

【波乱の船橋大会と、下克上への渇望】

――本日は長与千種代表、そして暁千華選手、よろしくお願いいたします。まずは7月26日の船橋大会の振り返りから伺います。暁選手は桃野選手と組んで、現在女子プロレス界最強の呼び声高い「スパーク・ラッシュ(Sareee&彩羽匠)」に挑みました。敗れはしたものの、AAAWシングル王者である彩羽選手との前哨戦として、バチバチの乱闘や全女式押さえ込み、胴締めスリーパーで王者を極限まで追い込む場面もありました。実際にトップの2人と肌を合わせてみて、手応えと「超えなければならない壁の高さ」をどう感じましたか?

暁:そうですね……強さとか、技術の面で圧倒的に上を行かれていることは、闘う前から分かっていることなんです。だから、試合をしてみて改めて「壁の高さを感じた」とか、そういうレベルの話ではないんです。
もう自分は、スパーク・ラッシュという頂点に挑むところまで足を踏み出している。だからこそ、一番信じなきゃいけないのは自分自身ですし、引くことなく突き進んでいくだけだと思っています。試合後、いつも向いている方向は全部「自分」なんです。自分への悔しさを感じた時が一番感情が爆発するので。相手の強さは痛いほど感じていますけど、自分自身の可能性も強く感じているので、引く気は全くないです。

――暁選手は「驚異の新人」としてデビューから大きな注目を集めてきましたが、今やただの新人ではなく、団体の頂点を狙う立場へとフェーズが変わってきています。そのプレッシャーはいかがですか?

暁:プレッシャーというよりも、「それくらいしないとダメだ」と思っています。みんなと同じジュニアのレベルの枠に収まって、その中だけで競い合っていても、絶対に上には行けない。キャリアの差なんて関係ないです。先輩を引きずり落としてでも、自分が一番上に行くっていう強い気持ちでいます。

――試合後には、彩羽選手に対し「スパーク・ラッシュを倒します」と堂々の宣戦布告を行いました。現在マーベラスの絶対的エースである彩羽匠選手は、暁選手にとってどのような存在ですか? なぜ今、彼女を倒さなければならないのでしょうか。

暁:匠さんはマーベラスのエースであり、大将です。私にとっても本当に大きな存在であることは間違いありません。でも、だからといって「匠さんに憧れています」とか「匠さんみたいになりたい」という思いは一切ないんです。
私は、絶対にこの壁を超えて、この強い匠さんという絶対的エースをひっくり返さなきゃいけない。私はマーベラスの「赤」をいただきましたが、匠さんと同じになる必要は絶対にないし、長与さんと同じになる必要もない。私は私だけの「暁千華」というものを一から作り出していかなきゃいけないと強く思っています。

――ファンの皆さんも、暁選手がこの分厚い壁にどう挑んでいくのか、大きな期待を寄せています。その声援はどう受け止めていますか?

暁:周りから「赤いコスチュームだから期待されている」とか、「暁千華という名前だから」っていう見方をされるのが、すごく嫌なんです。私は常に、自分の実力だけで上に上がっていきたい。お客さんの期待はひしひしと感じていますが、それは目に見える形のものじゃなくて、暁千華としての「覚悟」で返していかなきゃいけないと思っています。

――その暁選手の強い覚悟を聞いて、長与代表に伺います。暁選手や桃野選手の強烈な突き上げ、そして若手がジェラシーや反骨心を剥き出しにしてトップに噛み付いていく現在のマーベラスのリング上の「熱」を、創設者としてどう評価されていますか?

長与:マーベラスは5月5日(横浜BUNTAI大会)を無事に終えて、10年目から11年目へと足を進めました。これまでのマーベラスは、とても「ファミリー感」のある団体というイメージが非常に強かったと思うんです。そのイメージ自体を払拭させる必要はない。ただ、その温かいファミリー感の中だからこそ、そろそろヒリヒリしたり、イライラしたりすることがあるのかなと思っていた矢先だったので、「あっ、来たな、時は来たのかな」という気がしています。

――長与代表の頭の中にあった展開と、選手たちの爆発のタイミングが見事に合致したと。

長与: まだ100ではないですけどね。スパーク・ラッシュに関して言えば、彼女たちは「時代に並ぶ」、つまり「歴史に並ぶ」と私は解釈しています。前任の、その時代を背負った人間たちを超えてみせるという覚悟ですよね。 でも、新たな扉を開くということは、言葉に出した瞬間から茨の道も多いと思います。彼女たちの試合は王道です。だからこそ、歓声もバッシングも、すべてを肯定して受け入れる覚悟が必要になる。その位置まで彼女たちが来ることは、私個人としてもずっと望んでいたことでした。

いつまでも私たちが「クラッシュ、クラッシュ」と言われるのではなく、「昔、クラッシュ・ギャルズっていうのがいたよね」という程度になったら一番心地いい状況ではあるんですけど。まだ女子プロレス界において、マッハ文朱さん、ビューティ・ペアさん、そしてクラッシュ・ギャルズ、その下でそうそう世間を賑わす存在が出なかった。だからこそ、彼女たちが本気で私たちに挑んでくれるなら、その覚悟がいかほどのものか見てみたいんです。先日、ライオネス飛鳥とも話をしたんですけど 「とにかく、抗ったほうがいいよ」ということだったんですね。やっぱり、ただ単に挑むだけじゃなくて、「私たちを見てみろ!」というような気持ちで、本気でいかないと、お客様の心を動かすことはできないかなっていう。

――そして、そのスパーク・ラッシュに挑むのが暁選手です。

長与:隣にいる暁も、きっと王道タイプの選手に育っていくでしょう。でも、彼女を真の後継者として認めるかどうかは、彩羽匠が認めるかどうかにかかっています。彩羽がすべてを叩き込んだ時、暁の心が折れてしまうのか。それとも折れずにまだ突っ走るつもりなのか。彼女が今、SNS等で色々な言葉を吐いていますが、キャリアだとか年数だとか、そんなものはどうでもいいと。何と言われても構わないという覚悟を出しているなら、私たちもこのまま進んでいくしかないですね。

つまり、スパーク・ラッシュは時代を変えるという使命に追われていて、私たちなんていうのは、闘わずしてすでに敵になっているように思うんですよね。私がもっとズバズバ言うので(笑)。でも、プロレスの面白さって、言葉に「言霊」が乗ってしまうところにあるんです。技で伝えきれない想いを、言葉に出してしまうこともよくあるじゃないですか。

―― はい。

長与: そういう言葉での闘い方というのは、私たちはもう十二分にやってきて、分かっている。言葉は毒にも薬にもなりますから。だから逆に、彼女たちの言葉をすべて肯定しながら、「でも、どうなの?」という疑問符をどんどん投げかけていこうかなと思っています。そうやって私たちが上からプレッシャーをかけながらも、「結局、下(若手)からも君らは狙われているんだよ」ということを忘れないでほしい。そういう全体の構図が見えてきましたね。

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