【マリーゴールド】Sareee「初代、誰かわかってる?」王者・青野未来を一蹴!岩谷麻優の復帰劇の裏で、真紅の王者が流した屈辱の涙の理由

女子プロレス「マリーゴールド」のリングで、愛憎と悔恨が入り交じる波乱の幕切れが待ち受けていた。

7月30日に開催された後楽園ホール大会。

メインイベントでは、最高峰であるワールド王座を保持する青野未来が、南小桃とのタッグで外敵のSareee、Chi Chi組と激突した。

しかし、試合は外敵組が格の違いを見せつける結果となり、試合後のリングは長期欠場から帰還した岩谷麻優とビクトリア弓月に完全に制圧されることとなった。

試合展開は、序盤から南小桃が感情を剥き出しにしてSareeeとChi Chiへ突進していく荒々しいものとなった。

事前の会見でChi ChiとSareeeから痛烈な批判を浴びて号泣し、乱闘騒ぎにまで発展していた因縁が、そのままリング上に持ち込まれた形である。

青野未来も南小桃を援護すべく奮闘したものの、外敵コンビの洗練された連携と厳しい攻めの前に劣勢を強いられた。

最後はSareeeがコーナー最上段からダイビング・ダブルフットスタンプを投下し、南小桃から完璧な3カウントを奪い取った。

圧倒的な実力差を見せつけた後、マイクを握ったChi Chiは、リング上で泣き崩れる南小桃に対して容赦ない言葉を浴びせた。

「小桃泣いてんじゃねぇよ、顔あげろ! 試合中に何回も心、折れてんじゃねえよ! お前がマリーゴールド変えるんじゃねぇの!? みんな、アンタに期待してんだよ! アンタが頑張る姿見たいんだよ!? わかってんの? もうホントにアンタとは金輪際試合したくないよ…!」

続いて、ワールド王者である青野未来がマイクを要求し、目の前のSareeeに向かって吠えた。

「私は絶対、あんたを振り向かせるよ! このベルト、欲しいって言わせてみせる。絶対あきらめない。これで終わりじゃねぇからな!」

しかし、Sareeeの口から出たのは、王者のプライドを粉々に砕く残酷な宣告であった。

「悪いけどさ、その真紅のベルト、初代、誰かわかってる? 私なんだわ。このベルトの価値を下げるようなことしてんじゃねぇぞ。もっともっとさ、前に出てこいよ。おせーんだよ、おめーはよ! 今日試合してみて、まだまだ興味わかないわ。私に振り向いてもらえるようにせいぜいがんばれよ。まだまだね、こんなんじゃ狙いにいきませんよ。青野未来がもっと魅力的になった時に、このリング戻ってきもていいかなって思ってるんで。みんなさ、マリーゴールドのファンももっと応援してやれば? 悔しくねーのかよ、オメーらも。しっかりしろよ、チャンピオン!」

青野未来が言葉に詰まるなか、事態は思わぬ方向へと転がる。

負傷で戦線離脱していたビクトリア弓月が突如リングに乱入したのである。

弓月は8月9日の大田区総合体育館大会での復帰を宣言し、目前に立つChi Chiを対戦相手に指名した。

「待て、オメーら! コッチこいよ。皆さんも知ってると思いますが、私は8・9大田区でこのマリーゴールドのリングに帰ってきます! そ・こ・で! おまえ、Chi Chi、お前を復帰戦の相手に指名してやるよ」

だが、Chi Chiは週末のスケジュールが埋まっていることを理由にこれを拒否。

引き下がらない弓月は、今度はSareeeに矛先を向けた。

「おい、そこで見てるSareee! テメーが私の復帰戦の相手やれ! コイツがやれねぇなら、お前がやれ!」

Sareeeも若き血気に対して冷笑を浮かべて一蹴した。

「お前さ、誰に口きいてんだよ? 復帰戦の相手やれ?ふざけんえじゃねぇよ。お前さ、お願いの仕方ってあるだろ。そんなヤツとはもったいなくてできません」

リング上が混迷を極めるなか、さらなる大歓声が後楽園ホールを包み込んだ。

同じく負傷欠場中であったマリーゴールドの「アイコン」岩谷麻優が登場したのである。

岩谷麻優はまっすぐにSareeeを見据え、鋭く切り込んだ。

「なんかさ、いろんなところで岩谷麻優の名前を出してくれてるみたいですけど、あなたがマリーゴールドに帰ってきた理由って岩谷麻優と闘いたいからじゃないんですか?」

これを聞いたSareeeの目の色が変わる。

「よくわかってるじゃん。岩谷麻優、あんたがいるからマリーゴールドに来たよ」

互いの熱を確かめ合った岩谷麻優は、自身と弓月の復帰戦の舞台としてタッグマッチを突きつけた。

「岩谷麻優とビクトリア弓月にふさわしい相手、連れてきてください。タッグマッチやりましょう」

Sareeeもこれに呼応し、彩羽匠(マーベラス)とのタッグ「スパーク・ラッシュ」での出陣を示唆。

ここに、8・9大田区大会での巨大なカードが事実上決定した。

嵐が去ったリングには、敗北を喫した青野未来と南小桃が取り残された。

南小桃は涙ながらに「悔しい…でも、私がマリーゴールドを変えます…(涙)」と絞り出した。

青野未来は、マイクを握り直し、ファンに向けて気丈に語りかけた。

「麻優さん、弓月お帰りなさい! 今日メインで試合したの私たちなのに全部もってかれて、めっちゃ悔しいですけど、これだけお客さんの声援があるということは、これからのマリーゴールド、もっともっと上にいける、もっと明るくなる。絶対それが見えたので、嬉しいです。一緒にマリーゴールド盛り上げていきましょう! そして、ファンの皆様にお知らせがあります。いつもマリーゴールドをリングの下でサポートしてくださってるオッキー沖田さんですが、ただいま大腸がんステージ4で入院中です。いつもいつも私たちをサポートしてくださり、ファンの方を楽しませるために全力で走り回っているオッキー沖田さん、今度は私たちがオッキーさんを支える番です。8月9日大田区はオッキー沖田エイドとして開催します。沖田さんが帰ってくる日を笑顔で迎えらえるように皆さん応援よろしくお願いします!」

大田区大会が「オッキー沖田エイド」として開催されることを発表し、大会を締めくくった青野未来であったが、バックステージに戻るとこらえていた感情が溢れ出した。

「Sareeeを振り向かせられなくてめちゃくちゃ悔しいし、何が悔しいって、麻優さんが向かっていって、私が言わせたかった言葉を簡単にSareeeに言わせて。麻優さんや欠場している人がいない間、私が支えて盛り上げるんだとやってきたが、まだまだ足りないものだらけなんだなと痛感して、まだまだ頑張っていかないといけないと心の底から思わされました」

外敵に屈し、復帰したエースに話題をすべて奪われるという、王者としてこれ以上ない屈辱を味わった青野未来。

この底知れぬ悔しさが、真紅のベルトを巻く王者をどのように変貌させるのか。マリーゴールドの運命が大きく動いた一夜となった。

<写真提供:マリーゴールド>

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