【新日本】辻陽太が『G1』で大岩陵平のクラシカル殺法を辛くも撃破!「勝たなきゃ誰も認めてくんねえぞ」と愛の鞭

新日本プロレスは8月1日 (土)、広島・広島サンプラザホールで『G1 CLIMAX 36』第10戦を開催した。

第8試合のセミファイナルでは、Aブロック公式戦としてIWGPヘビー級王者の辻陽太(3勝2敗)と大岩陵平(3勝2敗)が激突した。

前哨戦となった高松大会において、大岩は打撃戦で消耗する辻の戦い方を「情けない」と酷評し、「俺のスタイルで闘わせてやる」と堂々と予告していた。

その言葉通り、大岩は「G1優勝」と記された必勝しゃもじを手にリングへ向かうと、ゴング開始直後から自身の思い描く理想のプロレスを体現し始める。

試合は、大岩の執拗なヘッドロックと、辻の負傷箇所である腕への徹底した一点集中攻撃を中心に展開した。

派手な打撃戦を拒否し、クラシカルなレスリング技術で王者のスタミナと機動力を削いでいく大岩。

終盤にはジャーマンスープレックスの連発や必殺のTHE GRIPで辻を絶体絶命のピンチに追い込む。

しかし、最高峰のベルトを巻く辻も王者の意地を見せ、大岩のヘッドロックをバックドロップで強引に切り返すと、ショートレンジのジーンブラスターから着地同時のファイヤーブラスターを炸裂。

最後は正調のファイヤーブラスターで大岩の粘りを断ち切り、苦しみながらも貴重な4勝目を手にした。

試合後、若手の中原に肩を借りてバックステージへ戻ってきた大岩は、右わき腹を押さえて座り込みながらも、自身の貫いたスタイルに対する強い手応えを口にした。

「現役チャンピオン、辻陽太。対Iceと対大岩、どっちがやってておもろかった?」

前哨戦で痛烈に批判した、Iceとの凄惨な打撃戦を引き合いに出し、自身の構築した試合運びの優位性を王者に問いかける。

「俺は、俺の理想のプロレスをこれからも追い求めていくし、相手も巻き込んで、すべて俺のものにしてやる。IWGPチャンピオン……どうだ? ヘッドロックだけで試合組み立てるのも、面白いだろ?」

敗北という結果に終わったものの、大岩の目には全く迷いがない。

己の信じる「プロフェッショナル・レスリング」を貫き通した自信が、次なる野望へと直結している。

「だから、俺はこのスタイルで新日本のトップにいく。お前の持ってるそのベルトを俺のものにして、その時には、俺のプロフェッショナル・レスリングが新日本プロレスの中心だ」

最後は辻のフィニッシャーの威力を「最後の新技、エグイっス」と小声で称賛し、悔しさを滲ませながら控室へと消えていった。

一方、挑戦者の徹底したこだわりを全身で受け止め、辛くも退けた辻は、壁にもたれかかりながらプロレスの奥深さを噛み締めていた。

「プロレスにはな、勝敗だけじゃない、面白さがあるんだ。だから、プロレスは面白いんだ。でもな大岩、『ニュースタンダード』だとか、『俺のスタイルが……』とか言うのは結構さ。でも、そんなスタイルで勝たなきゃ、誰も認めてくんねえぞ」

大岩の戦術の面白さを認めつつも、頂点に立つ者として「結果」の重要性を厳しく説く。

理想を語るだけでは、最高峰の風景を変えることはできないという王者ならではの愛の鞭である。

しかし、同時に大岩の確かな成長も肌で感じ取っていた。

「確実に、お前の手がすぐそこまで来てるのは、今日の試合で感じた。お前のそのスタイルを確立して、周りを納得させてから、もう1度、俺の前に立ってこい。今日のことはしっかり、記憶に報告しといてやる」

昨年の初対決から大きな飛躍を遂げた好敵手に対し、スタイルを完成させてからの再起を促した辻陽太。

真っ向からの打撃戦を是とする王者と、ヘッドロックを軸に試合を支配しようとするニュースタンダード。

相反する二つのプロレス観が激しく交錯した広島の夜は、新時代の到来を強く予感させるものであった。

<写真提供:新日本プロレス>

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