【新日本】『G1』Aブロック同門対決は騙し合いのサバイバル!ジェイク・リーがイスのパスでオーカーンを陥れる「これでチームに亀裂が入ったな」

新日本プロレスは8月6日(木)、東京・後楽園ホールにて真夏の祭典『G1 CLIMAX 36』第12戦を開催した。

Aブロック公式戦として組まれた第6試合は、共に2勝4敗と後がない状況で迎えたジェイク・リーとグレート-O-カーンによるUNITED EMPIREの同門対決となった。

福岡大会での前哨戦から不穏な空気が漂っていた両者の初シングルは、プロレスの枠を超えた究極の心理戦へと発展した。

顔面にペイントを施して登場したジェイクに対し、オーカーンは入場時からイスを片手に急襲を仕掛ける。

ゴングが鳴ったあともリング上は無法地帯と化し、ジェイクが急所攻撃を見舞ったうえに自身のコスチュームからファールカップを取り出して挑発のダンスを披露。

この行為に激高したオーカーンがイスを持ち込んでリングへ突入すると、ジェイクは一瞬の隙を突いてイスを奪取。

マットを叩いて大きな音を出した直後、そのイスをオーカーンへ投げ渡し、自身は苦悶の表情でマットへ倒れ込んだ。

背を向けていたレフェリーが振り返ると、そこにはイスを手にしたオーカーンと、ダメージを負って倒れ込むジェイクの姿があった。

結果、オーカーンの反則負けが宣告され、ジェイクが全くの無傷で貴重な勝ち点をもぎ取ったのである。

試合後、怒り心頭のオーカーンが再びイスを手にジェイクを襲撃しようとしたものの、セコンドのジェイコブ・オースティン・ヤングが必死に仲裁に入った。

インタビュースペースでもヤングが間に入り、「変な試合もあるってことはわかる。俺たちは皆、帝国の仲間だ」とオーカーンを懸命に説得。

渋るオーカーンであったが、最後はジェイクとともに同盟の証である「CROWNS UP」のハンドサインを交わし、かろうじてユニットの崩壊は免れた。

オーカーンたちが立ち去ったあと、その場に崩れ落ちたジェイクは、冷徹な策士から一転して安堵の表情を浮かべた。

「ありがとう、ジェイコブ! あー、どうなるかと思ったよ! 私、クビになるところだったよ、EMPIREを。ホントに」

同盟決裂の危機に冷や汗を流しつつも、この奇策に出た背景には、身内だからこそ知るオーカーンの底知れぬ実力に対する深い畏怖があった。

「オーカーンってね、ああいう風に見えてね、レスリング、メチャクチャ強えんだよ! レスリングだけじゃないんだよ! 何でもできちゃうんだよ、アイツは!」

真っ向勝負では分が悪いと判断し、オーカーンの直情的な性格を逆手に取る戦略を、ユニット加入直後から緻密に練っていたという事実を明かす。

「だから逆手に取ったんだよ、その性格を。今年EMPIREに入ってから、よくジックリ見たから戦略が練れたんだぜ。嫌われるのを承知で、申し訳ないけど、勝ち点は私の方にということになった」

手段を選ばず生き残る。それこそが、過酷なリーグ戦を戦い抜くジェイクの生存戦略である。自身の狡猾な行動に不安を覗かせながらも、視線はすでに次なる標的へと向けられていた。

「ハァ、けどどうしよう。これでチームに亀裂が入ったな。私は今日のやり方はホントに合ってたんだろうか? 間違ってたんだろうか?」

ビデオカメラマンに同意を求めるような素振りをみせた直後、自らその言葉を遮り、飄々とした態度で星取の計算を始める。

「ということで今日は3勝目。3勝4敗。まだまだ圏内っていうことか? やり方次第では、全然いけちゃうっていうことだ。OK、次は大岩! お前だ!」

力と力のぶつかり合いだけがプロレスではない。人間の心理を突き、ルールを逆手にとったジェイク・リーの老獪な戦術は、Aブロックの星取争いをさらに混沌の渦へと引きずり込んだ。

騙し討ちで息を吹き返した策士が、次戦で若き大岩陵平にどのような罠を仕掛けるのか。底知れぬ不気味さが後楽園ホールを包み込んでいた。

<写真提供:新日本プロレス>

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加