【新日本】ザック・セイバーJr.が『G1』で執念の丸め込み!ドリラ・モロニーの右腕を徹底破壊し負け越し回避「優勝はムリでも楽しんでいく」
新日本プロレスは8月8日(土)、神奈川・横浜武道館にて真夏の祭典『G1 CLIMAX 36』第13戦を開催した。
第6試合に組まれたBブロック公式戦では、ドリラ・モロニー(4勝3敗)とザック・セイバーJr.(2勝4敗)が激突した。
両雄はちょうど1年前、同じ8月8日の横浜武道館での『G1』公式戦で対戦し、その際はザックが腕ひしぎ逆十字固めで勝利を収めている。
モロニーにとっては1年越しのリベンジマッチであり、ザックにとっては敗れれば負け越しが決定する崖っぷちの戦いであった。

英国出身の猛者同士による一戦は、序盤からハイレベルなグラウンドの攻防で幕を開けた。

中盤、モロニーが自慢のパワーで主導権を握ろうとコーナーからオジーエルボーを発射するも、ザックはこれを空中でキャッチし、変形のヘッドシザースから三角絞めへと移行する離れ業を披露。

この攻防を機に、ザックはモロニーの右腕へ徹底した一点集中攻撃を開始する。

アームブリーカーや脇固めで徹底的にダメージを蓄積させると、モロニーは必殺のドリラ・キラーを仕掛けようとしても、右腕の激痛で相手を持ち上げることができない。

それでも気力でザックを担ぎ上げ、意地のドリラ・キラーを狙うモロニーであったが、ザックはフロントネックロックやセイバードライバーで徹底抗戦。

終盤、モロニーがポップアップ式パワーボムから三度目のドリラ・キラーを狙った一瞬の隙を突き、ザックが目まぐるしい丸め込みの応酬を制して執念の3カウントを奪取。薄氷の勝利で負け越しを回避し、勝ち点6をもぎ取った。

試合後、バックステージに現れたザックは、今大会の厳しい星取状況を自嘲気味に振り返りつつも、8月8日という日付に対する奇妙なこだわりと安堵感を独特のワードセンスで語った。
「俺にはクソみたいな運が必要だ。今回の『G1』はずっとクソまみれだった。だが、最近の『G1』の記憶でひとつ変わらないものがあるとすれば、8月8日。新日本の歴史において最も重要な日のひとつだ」
藤波辰爾の設立記念日などに触れつつ、自身にとってゲンの良い日であることを強調する。
「1年で3連勝ってことになるのか。俺のキャリアは未開の団体にいるのかもしれん。だが少なくとも8月8日がある。ありがとう、フジナミサン」
そして、激闘を繰り広げた同郷のモロニーに対しては、手放しで賛辞を送った。
「なんて素晴らしい肉体なんだ。あの男をただの筋肉マンだと決めつけるなんて、よくもそんなことができるな。あの男には、ブリティッシュ式の技があるんだ。素晴らしいぞ、ダン。俺にはまだ魔法がある。お前もそれを十分に思い知っただろ」
自力での突破が絶望的な状況(勝ち点6)を受け入れつつも、「たぶん優勝はもうムリだな。だが、まだ楽しみながらやっていこうじゃないか。そうだろ、みんな?」と、リーグ戦をかき回すジョーカーとしての余裕を漂わせた。

一方、1年前と同じ会場、同じ相手、そして同じ敗北という残酷な現実に直面したモロニーの表情には、深い悔恨が滲んでいた。
「1年前、同じ会場、同じイギリス人、同じ結果……」
静かに現実を噛み締めると、ザックとの対戦に懸けていた特別な思いを吐露した。
「去年、俺がザックから得たかったのはリスペクトだけだった。ザックのことはガキのときからクラブで見ていた。リスペクトしていたから、おたがいにそうなんだって確認したかったんだ」
憧れの対象から認められることが第一目標であった昨年とは異なり、新日本プロレスで確固たる地位を築いた今年のモロニーが求めていたのは、純粋な「勝利(2点)」のみであった。
「今年は彼が俺をリスペクトしてるってことはわかってるんだ。この団体の誰もが、世界中の誰もが、俺をリスペクトし始めている。だから今年の2点については……それがすべてだったんだ」
自身の実力が世界に証明されたからこそ、勝利という結果で超えなければならない壁であった。
リスペクトを得た先にある「勝利の重み」を痛感したモロニー。
英国の先輩後輩による熱き魂の交歓は、プロレスラーとしての成熟と残酷なコントラストを横浜の夜に描き出した。
<写真提供:新日本プロレス>
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