【新日本】「腕攻めをやめてピエロになったから負けたんだ」大岩陵平が『G1』でジェイク・リーの狂気を一刀両断

新日本プロレスは8月9日(日)、群馬・Gメッセ群馬にて真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第14戦を開催した。

第5試合に組まれたAブロック公式戦では、大岩陵平(4勝3敗)とジェイク・リー(3勝4敗)のシングルマッチが行われた。
両者は大岩がプロレスリング・ノアに武者修行へ赴いていた時期に同団体へ参戦していたが、意外にも一騎打ちの経験はない。

前哨戦のあと、大岩がノア時代に猛威を振るったユニット「GLG(Good Looking Guys)」の猛々しいジェイクとの対戦を要求したことで、事態は思わぬ方向へ転がった。

ジェイクはかつてのノア時代のテーマ曲に乗って姿を現し、顔のペイントを施さない素顔の状態でリングイン。

大岩の願いに応えるかのように、正統派のレスリングを主体とした腕攻めでペースを握りにかかる。

対する大岩もジェイクの右足に狙いを定め、ドラゴンスクリューや4の字固めで機動力を削いでいく。

激しいグラウンドの攻防が続く中、中盤の場外戦で異変が起きた。

大岩の反撃を受けて鉄柱に激突したジェイクがカウント16で立ち上がると、なんとその顔には不気味な道化師のペイントが浮かび上がっていたのである。

突如として狂気を解放したジェイクは、フェンスを投げつけるなどのラフファイトに豹変し、大岩を追い詰める。

しかし、大岩の信念が揺らぐことはなかった。ジェイクの無法な猛攻をしのぎ切ると、蹴り足を捕らえてからのデスロールを連発。

最後は執念のTMクラッチでジェイクの両足を複雑に固め、エスケープを許さずに見事なタップアウトを奪い取った。

試合後、控室へ戻ってきた大岩は、5勝目の余韻に浸ることなく、対戦相手の不可解な変貌に対して不満を爆発させた。

「オイ、ジェイク、俺は今日の試合で最後までお前のヒザ一点攻めを貫いたぞ。お前は途中で俺の腕をいい感じで攻めてたのに、ピエロになって逃げたな。怖かったんか?」

序盤の正統派なグラウンド戦に確かな手応えを感じていたからこそ、途中でラフファイトに走ったジェイクの姿勢が許せなかった。

「なんで逃げたんだよ。せっかく入場曲も変えてGLGのジェイク・リーで来たのに、なんで最後の最後で自分でピエロになって逃げるんだよ。最後まで俺と正々堂々闘おうや」

若き闘志は、プロレスにおける真っ向勝負の尊さを説く。そして、自らの足攻めを最後まで貫き通した事実こそが勝因であると断言した。

「今日、最後まで俺が脚の一点攻めをやめなかったから勝ったと言える。お前は今日、腕の一点攻めをやめてピエロになったから負けたんだ。今日のように、俺はこれからも自分のスタイルを貫いていくぞ」

初志貫徹。大岩陵平というレスラーの揺るぎない芯の強さが浮き彫りとなった瞬間であった。

一方、不気味な笑みを浮かべながらインタビュースペースへ現れたジェイクは、敗戦の事実をうやむやにするかのようにロープブレイクを主張し始めた。

「なあなあなあ、あれ、ロープにしっかり逃げてたよな? エスケープしてたよね?」

しかし、すぐに自身の詰めの甘さを認めると、大岩の要求に応えて過去の姿を披露した理由と、現在の「道化師」としての生き様について赤裸々に語った。

「大岩が『GLGのジェイク・リーで来い』って言うから、入場曲も服装も全部GLGの時のものを揃えてやったぜ。けどな大岩、地獄から帰ってきた私は、この道化師というこの世界がたまらなく好きなんだ」

幾多の団体を渡り歩き、酸いも甘いも噛み分けてきた男が辿り着いた境地。過去の栄光にすがるのではなく、ルールや常識に縛られない現在の狂気こそが、ジェイクの真の居場所となっていた。

「何ものにも縛られない、この自由で想像あふれる道化師っていう世界が、私は大好きで大好きでたまらない。そんな私の一面が最後にチョロッと出た」

敗北すらも楽しむかのように語るジェイクは、最後にカメラマンへ執拗に絡み、不気味な問いかけを繰り返したのち、狂気を漂わせたまま控室へ消えていった。

若武者の揺るぎない「一貫性」と、狂気を愛する策士の「変幻自在」。二つの相容れないプロレス観が真っ向から衝突した群馬の夜は、大岩の執念が上回る結末となった。

<写真提供:新日本プロレス>

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