【新日本】「あれはカツシカンデストロイヤーだ」ウルフアロンが『G1』で衝撃の初公開技からカラム・ニューマンを絞め落とす
新日本プロレスは8月11日(火・祝)、三重・日硝ハイウエーアリーナ(サオリーナ)にて真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第15戦を開催した。
セミファイナルとなる第7試合のBブロック公式戦では、NEVER無差別級王者のウルフアロン(3勝4敗)と、カラム・ニューマン(5勝2敗)による初のシングルマッチが組まれた。
前哨戦では、生粋のプロレスラーとしてのプライドをむき出しにしたカラムが、異業種出身のウルフを「出来損ない」と痛烈に批判していた。
柔道金メダリストの誇りとプロレスラーの矜持が正面からぶつかり合う、イデオロギー闘争の一戦となった。

試合は、驚異的なスピードとバネを誇るカラムの空中殺法と、ウルフの規格外のパワーが激しく交錯するスリリングな展開となった。

カラムが場外戦でウルフを徹底的にいたぶり、リング上でも顔面への蹴りやツバ吐きといった容赦のない挑発を繰り返す。

しかし、五輪を制した超人は決して心を乱さない。「来い、オラ!」と闘志を前面に押し出し、強烈なエルボーや裏投げで反撃。

終盤、カラムの必殺技であるKiss the crownを2発浴び、絶体絶命のピンチに陥るも、勝負を決めにきたMAKE WAYを間一髪で回避。

そこから、誰も予想だにしなかった初公開の「カナディアンデストロイヤー」でカラムの脳天をマットに突き刺し、館内を大いにどよめかせた。

一気に形勢を逆転したウルフは、豪快なアングルスラムから電光石火の腕ひしぎ逆十字固め、そして逆三角絞めへと移行する流れるような柔道殺法のフルコースを披露。
息の根を完全に止められたカラムはたまらずタップアウトし、ウルフが強敵から価値ある白星をもぎ取った。

試合後、インタビュースペースに現れたウルフは、自身の置かれた厳しい星取状況を冷静に受け止めつつ、G1という過酷なリーグ戦を闘い抜く意義を語った。
「なんとか『G1』3勝目(不戦勝を除く)。決勝トーナメント行くのは難しくなってしまったけど、デビューした年の俺には、この『G1』で闘い切るっていうところに大きな価値があるから」
優勝戦線からの脱落を認めながらも、世界最高峰のリーグ戦で得た経験こそが、自身のプロレスラーとしての血肉になると確信している。
「このシリーズで吸収したこと全部、俺の力にして、もっともっと強いウルフアロンが見せれるようにやっていきます」
そして、勝負の決定打となった初公開の大技について、ウルフらしいユーモアを交えて自身のルーツを強調した。
「今日の俺のあの技、皆さんカナディアンデストロイヤーと思ってるかもしれませんけど違います。あれは、カツシカンデストロイヤーです。……以上です。ラスト1戦、集中していきます」
自身の出身地である葛飾区の名を冠した「カツシカンデストロイヤー」。
異業種から来た猛者が、プロレスの技を自らのものへと昇華させた瞬間であった。
一方、格下と見下していた異業種出身者にタップ負けを喫したカラムの怒りは、頂点に達していた。アイスパックをフロアに叩きつけ、屈辱の敗戦を振り返る。
「クソッ! クソーッ! あんなクソ野郎に負けるような俺が、いったい何を名乗れるっていうんだよ!? あのクソみたいなオリンピアンに絞め落とされた。危うく頭から俺を落とすところだったな、ボケが」
プライドを粉々に打ち砕かれたカラムであったが、その視線はすでに次戦の後楽園ホール大会で激突するHENAREへと向けられていた。
「HENARE、俺は3年前にお前が会ったカラムじゃない。俺は扱いが厄介なプリンスだ。このクソみたいな団体に足を踏み入れた中で、最高の1人だ」
まだ23歳という若さでトップ戦線に食い込む自身への絶対的な自信。
「まだ23歳だってのに、皆が本気で勝負を挑んできやがる。もう絶対にしくじらねぇ。今はポイントが懸かってるんだ。お前のマナを俺に全部よこせ。お前から一片残らず、全部奪い取ってやるよ。コーラクエンで会おうぜ」
五輪メダリストの規格外のポテンシャルと適応力、そして若き天才のプライドと狂気。
真夏の三重の夜は、新日本プロレスのリングが持つ多様な強さの形をまざまざと見せつける結果となった。
<写真提供:新日本プロレス>
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