【新日本】「俺はプロレス界最高のテクニカルレスラーだ」ザック・セイバーJr.が『G1』でHENAREを戦慄の複合関節葬

新日本プロレスは8月11日(火・祝)、三重・日硝ハイウエーアリーナ(サオリーナ)にて真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第15戦を開催した。

第5試合に組まれたBブロック公式戦では、ザック・セイバーJr.(3勝4敗)と、IWGPタッグをはじめ3冠を誇るHENARE(4勝3敗)が激突した。

両者は2022年の『G1』公式戦で対戦し、当時はザックがギブアップ勝ちを収めている。

今年のG1において、昨年度覇者であるザックは海野翔太の負傷欠場に伴う不戦勝などで星を落とし、すでに決勝トーナメント進出の可能性が消滅している状態。

しかし、プロレス界最高峰のテクニシャンとしての矜持を示すため、そして負け越しを回避するためにも、絶対に落とせない一戦であった。

一方のHENAREも、序盤の連勝から一転して連敗を喫しており、ここでザックからの初勝利を挙げて勢いを取り戻したい局面であった。

試合は、剛のHENAREと柔のザックという、対極のスタイルが激しく交錯する極上のイデオロギー闘争となった。

HENAREが重厚な打撃とショルダータックルで主導権を握ろうとすれば、ザックは相手の左腕に狙いを絞った執拗な一点集中攻撃で応戦。

関節技やストンピング、エルボーを容赦なく叩き込み、HENAREの機動力を確実に削いでいく。

終盤、右腕のダメージに顔を歪めながらも、HENAREは魂のエルボーやヘッドバット、そして雪崩式ブレーンバスターやランペイジといった大技でザックを極限まで追い詰める。

しかし、驚異的なタフネスでこれを凌ぎ切ったザックは、HENAREが必殺のUENUKUを狙った一瞬の隙を見逃さなかった。

すかさず三角絞めで捕獲し、パワーボムの要領で叩きつけられてもクラッチを離さない。

さらにもう一度持ち上げようとするHENAREの動きを読み、空中で腕ひしぎ逆十字固めに移行。

そのままグラウンドへ引きずり込み、首も複雑に絡めて絞め上げると、激痛と酸欠に耐えかねたHENAREは戦闘不能に。

浅見レフェリーが即座に試合をストップし、ザックが戦慄の複合関節技で鮮やかなレフェリーストップ勝ちを収めた。

バックステージに現れたザックは、激闘の代償として全身に痛みを抱えながらも、対戦相手の底知れぬタフネスを手放しで称賛した。

「本当にアイツはマナの塊みたいなヤツだ。まあ、今日の俺にも少しくらいマナが残ってたみたいだな。39歳になっても、まだ少しだけ魔法のマナを持ってるぞ」

自身の持つ技術を「魔法」と表現し、年齢を重ねても衰えないテクニックに絶対の自信をのぞかせる。

そして、すでに自力優勝が消滅している現状を冷静に俯瞰しつつ、前を向いた。

「これで8点、4勝だ。結局、同じところをぐるぐる回ってるようなもんだ。優勝は厳しい。でも、この勝利には満足だ。HENAREは本当にタフな野郎だ。アイツを相手にするには悪魔祓いが必要だ。イエス・キリストでも無理だろう。よし、1人片付けた」

次なる標的は、五輪柔道金メダリストのウルフアロンである。

異業種から来た超人に対し、ザックはプロレスラーとしての強烈な矜持を突きつけた。

「次は金メダリストだ。アロン、お前にはオリンピックの金メダルがある。お前が持ってるオリンピック仕込みのテクニックと、プロレスのテクニックは別物だ」

競技の枠を超えた技術のぶつかり合いを予告するとともに、自身の絶対的な領域を誇示する。

「俺はこの10年間、プロレス界最高のテクニカルレスラーだ。だから金メダルはお前が持っておけ。俺が磨いてピカピカにしてやる。そしてたっぷりキスでもして大事にしとけ」

一方、壮絶な関節地獄の前に力尽きたHENAREは、ザックの人間離れした技術をマオリの言葉を用いて最大限にリスペクトした。

「あいつのようなヤツを俺たちはマオリ語で“トーウンガ”と呼ぶ。魔術師だ。どうやってあんなことをやってるのかわからないが、あの野郎は本当に頭がキレる。ヤツはザックの武器を奪ったが、俺はあいつの戦略を抑えるので精いっぱいだった」

敗北を潔く認めた上で、HENAREは今大会のシステムがもたらした不条理について、強い憤りを口にした。

「ザックが最初に脱落したなんて正しいことじゃない。ショータを瀕死寸前まで追い込んだ、それだけの理由でザックが不利益を被って、他のヤツらは不戦勝をもらうなんてな。俺もあの不戦勝には腹が立った」

海野翔太の欠場による不戦勝システムが、ザックに不利に働き優勝戦線から脱落した事実に対し、同じリングに立つ戦士として疑問を呈したのだ。

しかし、すぐに「戦士は泣かない。真正面から受け止めるんだ」と自戒し、次戦へ向けて気持ちを切り替えた。

最終戦で激突するのは、UNITED EMPIREの弟分であるカラム・ニューマンである。

「カラム、お前はここに来た時からずっと俺の弟分だ。次のコーラクエンでは遠慮するな。お前は王になりたいんだろ? UNITED EMPIREのリーダーに、頂点に立つ男になりたいんだろ?」

同盟のトップを狙う若武者に対し、超えるべき壁としての覚悟を示す。

「だったら、俺こそがお前が通り抜けなきゃならない試練だ。心に残っている不純物をすべて焼き尽くして、純粋な鉄になってかかってこい」

剛腕と魔法が交錯した戦いの余韻の中で、次なる闘いへの熱い火花が散った。

プロレス界最高のテクニシャンと、純粋な強さを追い求める戦士たち。

真夏のG1クライマックスは、最終盤に向けてさらなる熱気を帯びていく。

<写真提供:新日本プロレス>

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