【新日本】五輪金メダリスト・ウルフアロンとザック・セイバーJr.が『G1』前哨戦で高度な技術戦を展開「最後の最後でデッカい1勝をもぎ取らせてもらいます」
新日本プロレスは8月12日(水)、静岡・アクトシティ浜松にて真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第16戦を開催した。
第2試合には、翌13日の後楽園ホール大会でBブロック最終公式戦として激突する、NEVER無差別級王者のウルフアロン(4勝4敗)とザック・セイバーJr.(4勝4敗)が登場。
それぞれ松本達哉、ハートリー・ジャクソンをパートナーに据え、タッグマッチによる前哨戦を行なった。
すでに両者とも勝ち点8で予選敗退が決定しているものの、五輪柔道金メダリストと英国が誇るサブミッションマスターの初対決は、ファンの期待を集める極上の異種格闘技戦である。

入場時、ウルフアロンは大会前の式典で浜松中央警察署から授与されたばかりの感謝状を手にリングイン。
社会貢献の顔を覗かせながらも、ゴングが鳴ればすぐさま勝負師の目つきへと変わった。

試合は、ザックの巧妙な挑発から火花が散った。松本に対し、柔道技である鮮やかな払い腰を決めてみせると、コーナーのウルフへ視線を送る。

これに呼応したウルフは、リングに入るとすぐさまザックの腕を捕らえ、脇固めから腕ひしぎ逆十字固めへと移行。

関節技の最高峰に位置するザックに対し、あえてグラウンドで真っ向勝負を挑んだのだ。

ザックも即座にアンクルホールドやコブラツイストで切り返し、互いの技術と意地が交錯するスリリングな展開となる。

最後は松本が奮闘するも、ジャクソンの強烈なセントーンに圧殺されて勝負あり。
しかし、試合後もウルフとザックはバチバチの視殺戦を展開し、翌日のシングル戦へ向けて熱を高めた。
バックステージに現れたザックは、リーグ戦敗退の事実を冷静に受け止めつつ、最終戦にふさわしい粋な提案を持ちかけた。
「アロンウルフ、お前はジュードーをよく分かってるだろう。マア、俺たち2人とも8点。どちらとも敗退が決まっている。しかも最後の日の公式戦トップバッターだってことに気が滅入るよ」
消化試合という厳しい現実を口にしつつも、モチベーションを高めるための「賭け」を突きつける。
「だからもう少しお楽しみを足そう。賭けをしよう。負けた方が勝った方に晩飯をおごる。食事だ。極上の中華料理をな。マタ、アシタネ、ウルフィー」
勝敗を超えたプロの余裕と遊び心。英国流のシニカルなユーモアで、極上の中華料理を懸けた裏テーマを設定してみせた。
一方、タッグマッチで敗れたウルフアロンは、ザックが事前に口にしていたのであろう「ディスコ対決」という謎のキーワードに噛みつきつつ、リング上で見せられた柔道技について言及した。
「お前、オイ、何がディスコ対決だよ、オイ。1ミリも踊ってねえじゃねえか、この野郎、なあ。ちょっと払い腰、上手かったじゃねえかよ。ふざけやがって」
相手の挑発を鼻で笑いつつも、プロレスラーとしての引き出しの多さに舌を巻く。
「関節だけじゃなくて投げ技も一流のレスラーということだな。投げの部分では俺は負ける気は全くないけど、グラウンドの技術、テクニック……うん、ごめん、両方とも同じ意味だ」
ここで自身の言い間違いに気づきセルフツッコミを入れる余裕を見せつつ、対戦相手の技術力が自分を上回っている部分があることを素直に認めた。
「その部分では俺よりも一枚も二枚も上手な部分があると思うから、そこも全部想定しながらどうやったら俺がザック・セイバーJr.を倒せるか。この1日考えて、最後の最後でデッカい1勝をもぎ取らせてもらいます」
五輪を制した超トップアスリートでありながら、プロレスの奥深さを謙虚に学び、そして打ち破ろうとするウルフアロン。
予選敗退という結果に関わらず、極上の中華料理とレスラーとしての矜持を懸けたBブロック最終戦は、見逃せないテクニックの応酬となるだろう。
<写真提供:新日本プロレス>
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