【新日本】ウルフアロンの『G1』の夏が終わる!アングルスラムを切り返されザック・セイバーJr.に無念の3カウント献上「俺は一番強いレスラーになりたい」

新日本プロレスは8月13日(木)、東京・後楽園ホールにて真夏の最強戦士決定戦『G1 CLIMAX 36』第17戦を開催した。

第5試合に組まれたBブロック最終公式戦では、NEVER無差別級王者のウルフアロン(4勝4敗)と、ザック・セイバーJr.(4勝4敗)が激突した。

前日の前哨戦後、すでに予選敗退が決定しているザックは、決勝トーナメント進出の可能性を残すウルフに対し「負けた方が勝った方に極上の中華料理をおごる」という粋な賭けを提案していた。

英国が誇る関節技の達人と、五輪を制した柔道家による、極上のテクニックと晩餐を懸けた異種格闘技戦の幕が上がった。

試合前、予期せぬ光景が広がる。

ザックが対角線のウルフの足元を指差すと、ウルフは自らレスリングシューズを脱ぎ捨て、裸足となってリング中央へ歩み寄った。

柔道家としてのルーツに立ち返り、素足でマットを掴む覚悟を示したのだ。

試合は息を呑むようなグラウンドの攻防からスタートした。

ザックが変幻自在のサブミッションで絡みつけば、ウルフも一本背負いや払い腰、さらにはハリケーンドライバーといった大技で応戦する。

終盤、ウルフが必殺のアングルスラムの体勢に入った瞬間、ザックは相手の両腕を巧みに捕獲し、そのままグラウンドへと引きずり込んで完璧な押さえ込みを見せた。

電光石火の丸め込みの前にウルフは肩を上げることができず、ザックが3カウントを奪取。

この瞬間、初出場となったウルフの夏は予選敗退という形で終わりを告げた。

試合後、立ち上がったウルフが再戦をアピールすると、ザックは勝敗を超えた敬意を込めて惜しみない拍手を送った。

バックステージに姿を現したザックは、極上の中華料理を手にした喜びに浸るかのように、Duran Duranのヒット曲を引き合いに出して激闘を振り返った。

「『サイモン・ル・ボン』みたいだな。俺は『Hungry Like the Wolf(ハングリー・ライク・ザ・ウルフ)』みたいだったぜ」

上機嫌なジョークを飛ばしたのち、闘い抜いた五輪金メダリストへ最大級の賛辞を送る。

「オリンピックの金メダリストに、俺のお墨付きなんてものは必要ないだろうけどな。だが、レスリングを始めてまだ7カ月の男としては、マジでとんでもないぜ。アロンが今年の残りだけでもどれだけ凄いレスラーになるのか、数年後にはどれだけの選手になるのか、もう想像するしかないな」

異業種からの参戦でありながら、短期間でプロレスの技術を吸収する底知れぬポテンシャルに舌を巻いた。一方で、ザック自身も今大会序盤の4連敗という泥沼から這い上がり、確かな手応えを掴んでいた。

「4連敗していたときはかなり落ち込んでたよ。俺はまだやれるのかって。だが、俺は間違いなくオリンピックの金メダリストを倒したんだ。39歳、キャリア24年。俺はまだ進化し続けてる。毎試合のように新しい技を繰り出すレスラーを挙げてみろ。それがザック・セイバー・Jr.だ」

自身の快進撃はここで終わったものの、ザックの視線はすでに同じ「TMDK」の同志へと向けられていた。

Aブロックを2位で通過した若武者、大岩陵平(ロイ・ザ・マレット)である。

「まだ前向きになれることはある。ビッグ・ロイだ。アイツが準決勝進出だ。俺が気にかけてるのはそれだけだ。ロイのセコンドについて、アイツを決勝まで送り届けることだ」

自らの栄光よりも同門の躍進を支える決意を語り、「なぜならTMDKは本物のチームだからだ。他のクソ野郎どもとは違ってな」と、ユニットの強固な結束力を誇示した。

 

一方、惜しくも決勝トーナメント進出を逃したウルフアロンは、敗北の悔しさを滲ませながらも、プロレスという競技の果てしない深淵に触れた感動を口にした。

「この『G1 CLIMAX』を通して、新日本プロレスの奥深さ、痛感しました。僕のまだまだ知らない技術、引き出しがたくさんある」

柔道の頂点を極めた男にとっても、ザックの引き出しの多さとプロレス特有の丸め込み技術は、脅威以外の何物でもなかった。

しかし、その敗北は柔道王の闘争心に新たな火をつけた。

「負けてしまったことは率直に悔しいけど、改めて、この新日本プロレスで、俺は一番強いレスラーになりたい。そう思わせてくれる『G1 CLIMAX』でした。全てを糧にします」

初めてのG1で味わった挫折は、ウルフアロンを真のプロレスラーへと脱皮させるための試練であった。

極上の中華料理の支払いを背負うことにはなったが、それ以上の貴重な「経験」という財産を手にしたNEVER王者の逆襲が、ここから始まる。

<写真提供:新日本プロレス>

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