【新日本】「明日、両国大会締めるのはこの俺だ!」大岩陵平が恩師・天山の魂を継ぎ『G1』決勝へ
新日本プロレスの真夏の祭典『G1 CLIMAX 36』は、8月15日(土)に東京・両国国技館で第18戦を開催し、いよいよ最終局面へと突入した。
この日の国技館は、天山広吉の引退試合という歴史的な瞬間に立ち会うべく、超満員の熱気に包まれていた。
その異様な熱をそのまま引き継ぐ形で、準決勝の舞台に上がったのが大岩陵平とカラム・ニューマンである。
Aブロックを予選から這い上がり2位通過を果たした大岩と、手段を選ばないヒールファイトでBブロック1位をもぎ取ったニューマン。
対極のスタイルを持つ若き才能同士の激突は、波乱の展開を予感させていた。

大岩の入場時、館内の歓声は一段と大きくなった。
大岩の頭には、この日リングに別れを告げた師匠・天山への敬意を示すオレンジ色のマウンテンホーンが装着されていたのだ。
偉大な先輩の魂を背負い、大岩は決戦のリングへと足を踏み入れた。

試合は序盤からスピーディーかつ荒々しい攻防となる。

ニューマンは鉄柵攻撃や場外からのドロップキックなど、持ち前の機動力にラフ殺法を交えてペースを握ろうとする。

さらに急所攻撃や丸め込みなど、勝つためなら手段を問わない姿勢をむき出しにした。

しかし、大岩は決して折れなかった。猛攻に耐え忍ぶと、恩師・天山を彷彿とさせるアナコンダバイス風の変型ヘッドロックで反撃の狼煙を上げる。

最後は両者の意地がぶつかり合うラリアットの相打ちから、一瞬の隙を突いて必殺のTHE GRIPを炸裂。
手段を選ばない難敵から執念の3カウントを奪い取り、見事に初の『G1 CLIMAX』優勝決定戦への切符を掴み取った。

試合後、バックステージに現れた大岩は、興奮冷めやらぬ様子で歓喜の声を上げた。
予選からの出場という下克上を成し遂げた裏には、ファンからの絶大な後押しがあったという。

「ヨッシャー! あと1勝だ。今日の、両国の歓声聞いた? 予選の時は『大岩だったら予選いらない』って意見あって、『大岩なら優勝できる』って意見、あんま見なかったけど、今日の両国、俺、スゲーみんなの応援や期待がわかったよ。カラムにやられて立ち上がれない時も、みんなの声で立ち上がれて」
周囲の疑問符を自らの力で歓声に変えてきた大岩。
次なる相手は、辻陽太と上村優也の勝者となるが、若き挑戦者の目に迷いはない。
「あと1勝だ! あと1勝。辻陽太でも、上村優也でも、どっちも俺が越えたい高い壁なんで、どっちが上がってきてもいい。俺は決勝で待ってるぞ。明日、両国大会締めるのはこの俺、“THE GRIP”大岩陵平だ!」

一方、敗れ去ったニューマンは、床に倒れ込んで四つん這いになり「クソ……」と小さく毒づいた。
しかし、身体を起こして座ると、23歳の若きヒールは、自身の激動の1年と胸に秘めた複雑な思いを独白し始めた。
「さて、夏が終わった。『G1』オワリマシター。1年で、こんなにも変わるんだな。去年は地獄のようだった。いつだったか、有明アリーナ? ツアーの最中に俺のばあちゃんが死んだと知った。それでも、俺は進み続け、闘い続けなければならなかった。それから、いろんなチャンスが飛び込んできてさ。オーカーンと違って俺は、いろんなことをただ固まって心配するなんてことはしない。俺は飛び込んでいく。祖父がそんな俺を誇りに思ってくれると願っている。家族は誇りに思ってくれると願っている」
身内の不幸という悲しみを乗り越え、単身日本のリングで結果を残してきた自負。
ニューマンの原動力は、ファンの声援ではなく、己の力への絶対的な自信と家族への思いだった。
「いいか? 俺はファンのことなんてどうでもいいんだ。ニュージャパンのトップに立つのも、『NEW JAPAN CUP』優勝も、ベルトの獲得も、どれにも大して貢献していない。間違いなく、俺が『G1 CLIMAX』準決勝に進むのにも貢献していない。自分自身の力で、かなりうまくやったんだ。今は23歳。ニュージャパンに来て、格の高いベルトを獲り、イカれたトーナメントで優勝した。ほかにやることは残ってるか? クソな『G1』か? 次に待つのが何かわからない。俺の前に何が来ようが、決まってる。道を空けて、王冠にキスするんだ」
ファンとの絆を力に変えて決勝へ進む大岩と、ファンを拒絶し孤高の道を歩むニューマン。
真夏の祭典の準決勝は、対照的な二人の生き様が色濃く反映された熱戦となった。
大岩は果たして、師匠から受け継いだ魂と観衆の後押しを胸に、夏の頂点へと登り詰めることができるのか。
<写真提供:新日本プロレス>
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