【新日本】「俺はまだお前を愛してるんだよ、このバカでハゲのクソ野郎!」ドリラ・モロニーがかつての親友ゲイブ・キッドへ愛と怒りの鉄拳制裁を予告
新日本プロレスの真夏の祭典『G1 CLIMAX 36』は最終局面を迎え、8月15日(土)、東京・両国国技館にて第18戦が開催された。
天山広吉の引退試合という歴史的な瞬間に向けて会場のボルテージが高まる中、第3試合では日英米のイデオロギーが複雑に絡み合うタッグマッチが組まれた。
IWGP GLOBALヘビー級王者のゲイブ・キッドが、約4年ぶりの新日本参戦となるウィーラー・ユウタとタッグを結成。
AEWのジョン・モクスリーが率いる“デス・ライダーズ”として共闘関係にある両者が、ドリラ・モロニー&永井大貴組と対戦した。
ゲイブとモロニーは同じイギリス出身であり、かつては無二の親友として苦楽を共にしてきた仲である。
しかし、今大会のG1公式戦ではモロニーがゲイブに勝利。
ゲイブはAブロックを勝ち点12の首位タイで終えたものの、この直接対決での敗戦が響いて決勝トーナメント進出を逃しており、両者の間には修復不可能な亀裂が生じていた。

試合は、因縁渦巻く不穏な空気の中でゴングが鳴った。
AEW仕込みのテクニックとインサイドワークを見せるユウタに対し、永井も気迫のエルボーや串刺しドロップキックで応戦する。

しかし、戦いの中心はすぐにゲイブとモロニーの感情的なぶつかり合いへと移行した。
ゲイブがモロニーの顔面にツバを吐きかければ、モロニーも激しい逆水平チョップやヘッドバットの乱打で怒りを爆発させる。

かつての親友同士は、ザ・ゴアやジャーマンスープレックスなど、互いを破壊せんばかりの大技を応酬し合った。
終盤、場外戦でゲイブがパイルドライバーを放ちモロニーを完全に分断すると、リング上では孤立した永井へデス・ライダーズの非情な連携が襲いかかる。

ゲイブの串刺しラリアットから、最後はユウタが強烈なランニング・ニーを顎先に叩き込み、永井を沈めた。

試合後もゲイブとモロニーの因縁は燃え盛る。

額を突き合わせて一触即発の睨み合いを展開すると、ゲイブはIWGP GLOBALヘビーのベルトを見せつけ、それを無造作に投げ捨ててリングを去った。

拾い上げたベルトを握りしめ、去りゆくかつての友を睨みつけるモロニーの目には、怒りと哀しみが入り交じっていた。

バックステージに現れたユウタは、デス・ライダーズとしての絶対的な誇りと、久しぶりに参戦した新日本プロレスへの失望を露わにした。
「いろいろなことが変わった。俺が『BEST OF THE SUPER Jr.』に出ていた頃から、新日本プロレスはいろんなことが変わったな。俺たちはAEWのスタンダードをクソほど高いところまで引き上げた。もう誰にもそこには手が届かない。で、新日本はどうだ? ゲイブがずっと『新日本なんて、クソ食らえ』って言ってるのを聞いてた。俺は、まさかこいつが言うほど酷いはずはないって思ってたが…。このありさまだ」

これに同調するように、ゲイブも新日本プロレス、そして引退を迎える天山に対してさえも毒づいた。
「ヒロヨシ・テンザンなんかクソ食らえだ。こいつは…、デスライダーズが日本初のお披露目に来てんだよ、クソ野郎ども。俺があんな老いぼれのことを気にするとでも思ってんのか? とっとと失せろ。俺は昔、新日本が大好きだった。俺は何て言ってた? 『AEWなんてクソ食らえ、シンニホンイチバン』だ。お前らのスタンダードは恥ずかしいレベルだ。お前らは怠けてる! クソほど怠け者だ」
かつては新日本を愛し、AEWを否定していた自身の過去を振り返りつつ、今の新日本の現状を激しく糾弾する。
そして、その怒りの矛先を、自身のG1敗退の決定打となったモロニー(ダン)へと向けた。
「俺は今頃、クソの準決勝にいるべきなんだ。俺は12点を獲ったよな? なのになんでクソみたいなあいつらが勝ち上がって、俺が勝ち上がれないんだ? いや、あいつは昔からのダチでもないな、ダン。お前がこの状況を作ったんだ。あれがなかったら、俺は今頃準決勝に進んでた。俺は14点だった。首位だったんだよ。状況は変わった。だが、やるべきことは変わっていない。メキシコだろうが、日本だろうが、アメリカだろうが、イングランドだろうが、そんなことはクソほどどうでもいい! デスライダーズvs世界だ。イジョウ」

一方、敗れた永井は、若手としての力不足を痛感しつつも、終戦記念日という特別な日に行われた試合に特別な思いを抱いていた。
「今日、特別な日なんだ。昔、日本のために生きた人たちのために一矢報いたかったけど、まだまだだったみたいだ。今、何が欲しいかって言われたら、真っ先に力が欲しいって答えるね。俺は自分のことを信じてここまで突き進んできたけど、それと同時に自分のことを一番疑ってもいるんだ。でも、それでいいんだ。自分のことを常に見つめて、常に自分と向き合って、俺はこのまま高みに行くぞ」

そしてモロニーは、かつての親友ゲイブに対する複雑な胸中を、愛憎入り交じる痛切な言葉で吐き出した。
「お前がこんなに調子に乗ってんのは、カネだけじゃねぇみたいだな。じゃなきゃ、こんなに何度もここへ戻って来たりしないよな、なあ? ここがそんなにクソみたいな場所だってのに、なんで何度も戻って来るんだ? 俺には分かってる。プレッシャーがあまりにも大きすぎて逃げ出したんだろ?」
「俺たちはこれまで、互いにマジでクソみたいな時期を乗り越えるために支え合ってきたよな、ゲイブ? だから『だったら行け、兄弟。俺はお前を愛してる。お前の旅に神のご加护を。行って、思いっきりやってこい』って言ったよな。ただ1つ違うのは、あのハゲ野郎は戻って来て、俺の決断にケチをつけやがることだ!」
親友の新たな旅立ちを祝福したはずが、AEWでの成功を笠に着てかつての居場所を見下すゲイブの態度が許せなかった。
「憎んでる相手よりも、もっと傷つけられる人間は1人しかいない。それは、自分が愛している人間だ。そして神様だって理由は分からないだろうが、俺はまだお前を愛してるんだよ、このバカでハゲのクソ野郎! 俺は今でも、お前のクソな頭が食らう一撃が、お前を元に戻してくれんじゃないかって期待してる。だがまだそうなってない。だから俺がその脳みそを思いっきり揺さぶってやるよ。だってな、こんなのはお前じゃない!」
AEWという新たな力を手に入れたゲイブ・キッドと、かつての親友の目を覚まさせようとするドリラ・モロニー。
両者の遺恨は、IWGP GLOBALヘビー級王座を巡る抗争として、さらに激化していくことになりそうだ。
<写真提供:新日本プロレス>
Pages 1 2














