【全日本】安齊勇馬「俺には満場一致で『アンザイ』に聞こえましたよ」大田区決戦を前に王者・宮原健斗の支持率アピールを真っ向否定

真夏のマット界を焦がす熱き自己主張の応酬が、愛媛の夜を支配した。

2026年8月25日、全日本プロレス「熱闘!サマーアクションウォーズ2026」松山大会が開催され、大田区総合体育館での頂上決戦やジュニアの祭典の最終戦を控えた男たちの思惑がリング上で激しく交錯した。

第3試合に組まれたのは、宮原健斗、本田竜輝、田村男児組と、安齊勇馬、綾部蓮、小藤将太組による6人タッグマッチである。

8月29日の三冠ヘビー級選手権試合を争う宮原健斗と安齊勇馬にとっては、待ったなしの直接的な前哨戦。さらに田村男児と小藤将太にとっては、翌日の「ゼンニチJr.フェスティバル」最終公式戦へ向けた前哨戦でもあった。

試合は各々のプライドがぶつかり合う乱戦となったが、最後は絶好調を維持する本田竜輝がラリアットから必殺のファイナルベントを叩き込み、小藤将太から豪快な3カウントを奪取。

勝利の余韻に浸りながらホンダンスを披露し、会場を大いに沸かせた。

しかし、この日の本当の熱狂は、試合終了後のマイクアピールから始まったと言っても過言ではない。

最初にマイクを握ったのは、世界ジュニアヘビー級王者の田村男児であった。

翌日の広島大会で顔を合わせる若手に対し、真っ向勝負を要求する。

「全日本はヘビー級だけじゃないジュニアも熱いぞ! ジュニフェス終盤だ。明日、8月26日、広島。小藤将太と最後の公式戦だ。俺はチャンピオンだけど、対等にやり合おうよ。もっとぶつかって行こうぜ、来いよ! オマエももっと来い!」

続いてマイクを奪ったのは、愛媛県を自らの“第5の故郷”と公言してはばからない三冠ヘビー級王者の宮原健斗である。大一番を前に、観客へ直接的な支持を問いかけた。

「帰ってきたぜ、松山! スーパースター宮原健斗vs世界一カッコいい男こと安齊勇馬が8月29日、東京大田区でこのベルトを懸けて闘います。そこで愛媛、松山の皆さんの正直な声を聞きたい。8・29東京大田区、宮原健斗対安齊勇馬、どっちを応援しますかー!? 正直な声を聞かせてくれ!」

会場からの声援が両者に二分する中、宮原健斗は意に介さず「満場一致で、宮原健斗です。愛媛の皆さんに聞きたーい! 全日本プロレス、最高ですかー! 愛媛松山、最高」と、強引に自らの世界観で締めくくってみせた。

この独壇場に黙っていられなかったのが、若き挑戦者の安齊勇馬である。自らマイクを手にすると、不敵な笑みを浮かべて王者の発言を真っ向から否定した。

「松山の皆さん、勝ってもないけど、負けてもないから喋ってもいいでしょ? さっきの声、正直な声、俺には満場一致で『アンザイ』に聞こえましたよ。いよいよ迫ってきた、三冠戦。俺はどっちが勝つかなんて聞かねえぞ。勝つのは俺だから、俺だけ見とけ。そして、その前に明日発売の『週刊プロレス』、誰が表紙か知ってますか? 誰の特集が組まれるか、皆さんご存知ですか? 世界一カッコいい男、安齊勇馬が表紙で特集が組まれてるから、全員しっかり読んで、俺のこと知ってください。そしてそれを見れば、もっともっと安齊を見たくなるはずだから、大田区、俺のすべてを見せるから、全員俺のこと見に来いよ」

このエゴと自己主張のぶつかり合いは、バックステージに戻っても熱を帯びたまま繰り広げられた。

宮原健斗は自身の支持率について「さあ、数年ぶりにここ愛媛・松山に戻ってきたが、ファンの皆さまの声を聞いたか? 正直な声を聞いたか? 満場一致だったろ? あぁ違うか? そうだろ? 皆さまの声もそう聞こえただろ? 宮原健斗が勝つことを望んでんだ、愛媛・松山の皆さまは」と豪語。さらに次戦の舞台へ向けて「そして、明日俺たちはどこに行くか知ってるか? そうだ、広島だ。広島は俺の第何の故郷か知ってるか? 第4だ、第4の故郷、明日は広島だ。アナタ方に一つ広島の方言を教えておいてやる。明日は広島に行く“じゃけん”だ。広島に行くじゃけん。最後にもう一回言ってくぞ。広島に行くじゃけん、広島に行くじゃけん!」と独特のテンションでまくしたてた。

対する安齊勇馬も一歩も引かない。「松山大会、ありがとうございました。チャンピオンはああいう風に言ってたけど、俺の耳には満場一致で安齊への支持、『アンザイ』の声しか聞こえなかったぞ。もうすぐ迫ってきた三冠戦、前哨戦もあと1試合。明日こそ俺が宮原健斗から直接スリー取って、大田区につなげる。8月29日、俺がベルトを掲げる。そして、リング上でも言ったけど明日発売の『週刊プロレス』。表紙、特集、世界一カッコいい男だ。全員、必ず読めよ」と、完全なメディアジャックと王座奪取を宣言した。

その他の選手たちも、それぞれの闘いに向けて言葉を残している。

王者から「対等」の言葉を引き出した小藤将太は、「田村男児、対等にやってくれる。チャンピオンのくせに、対等にやってくれるんですか? それなら俺は、遠慮なく行きますよ。遠慮なくチャンピオン、田村男児を倒しに行ってやります。俺はここまで1勝もできてない。この一戦に懸ける思いは誰よりも強いぞ。死に物狂いで田村男児、オマエから取りに行ってやる。全日ジュニアにしかできない熱い闘いを俺たちが見せてやる」と決死の覚悟を露わにした。

田村男児は「ジュニフェス終盤、終わりが見えてきた。これで俺も明日勝つ。小藤将太、俺はチャンピオンだけど、俺は対等に行くから、そのぶん向き合ってくれ。俺もそうやって向き合っていくから、お互いにやり合おうよ」と受けて立つ構えを見せた。

自らの強さを誇示した綾部蓮は、「久しぶりの愛媛、前回来たときはまだ綾部蓮、全日本プロレス入団前だった記憶があるよ。そのときよりはるかに強くなってしまった、綾部蓮。どう映ったかはわからないけど、またつぎ愛媛に来るときは今日よりさらに強さを増してしまった綾部蓮をお見せすることを約束しよう」と不気味に語った。

そして、試合を決めた本田竜輝の視線はすでに先の栄光へと向けられていた。「絶好調だぞ! 明日は広島大会があるし、29日は大田区大会。ジュニフェス、三冠戦あるけども、俺はその先の王道トーナメントを見すえている。今年は絶対に優勝するぞ!」

リング上もバックステージも、全日本プロレスの熱狂はとどまることを知らない。

大田区決戦、そして秋の王道トーナメントへ向け、選手たちの強烈な自己主張が真夏の夜空に響き渡った。

<写真提供:全日本プロレス>

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