【全日本】潮﨑豪「俺はな、お前がいるからここに立ってんだ」11年ぶりの一騎打ちで諏訪魔をエメラルド・フロウジョンで撃破

長きにわたり別々の道を歩んできた二人の男の軌跡が、大観衆の歓声の中で再び交わった。

全日本プロレスの「熱闘!サマーアクションウォーズ2026」が8月29日、東京・EBARA WAVE アリーナおおた(大田区総合体育館)で開催され、3,068人の観衆が見守る中、歴史的なスペシャルシングルマッチがおこなわれた。

リング上で対峙したのは、潮﨑豪と諏訪魔である。

両者がシングルマッチで激突するのは実に11年ぶり、この大田区という舞台においては13年ぶりの顔合わせとなった。

かつて2013年から2015年にかけて全日本マットでしのぎを削った両者であったが、その後の歩みは対照的である。

潮﨑はプロレスリング・ノアへと帰還した後、紆余曲折を経て今年の1月に全日本プロレスへ再入団を果たした。

一方の諏訪魔は、団体を牽引し続け、現在はEvolutionの専務および全日本プロレスの取締役として重責を担い、レギュラー参戦からは一歩退いた立場にいる。

道は違えど、互いの存在を強烈に意識し続けてきた両雄の激突は、開始早々からリング内外で荒れ狂う展開となった。

重たいチョップの応酬で意地をぶつけ合い、諏訪魔がスリーパーホールドからラリアット、さらにはバックドロップで追い詰める。

しかし、これに耐え抜いた潮﨑は、豪腕ラリアットからゴーフラッシャーで反撃の狼煙を上げる。

最後は怒涛の豪腕ラリアット5連発を敢行し、14分17秒、伝家の宝刀であるエメラルド・フロウジョンを完璧に決めて3カウントを奪取した。

勝利を収めた潮﨑は、大の字になった諏訪魔を見下ろしながらマイクを握り、静かに語りかけた。

「(大田区でのシングルは)13年、あの時から経ったみたいだ。あのときから出たり入ったり、俺はそういう道のりを進んできた。でもお前は、ここ全日本プロレスにいる。諏訪魔、このリングでもっともっと俺等にしかできない闘いをやるよ。俺はな、お前がいるからここに立ってんだ。立てよ」

団体を渡り歩いてきた自身の生き様と、全日本プロレスを守り抜いてきた諏訪魔への最大級の敬意。

呼びかけに応えて立ち上がった諏訪魔に対し、潮﨑は力強く右手を差し出し、両者は熱い握手を交わした。

バックステージに戻った潮﨑豪は、長きにわたる時の流れを噛み締めるように言葉を紡いだ。

「13年、長いね。11年ぶりの一騎打ち。長いような、早かったような。全日本に上がる。試合をする。負けたくない諏訪魔がいるから、このリングに上がっているよ。このリングで試合をしてないが、もっともっと上がってこい。彼には負けたくない。諏訪魔、全日本のリングでもっと試合をしようぜ」

役員として最前線から退きつつある宿敵に対し、再び第一線で激しくやり合おうと熱いメッセージを送った。

一方、敗北を喫した諏訪魔のコメントスペースにも、沈んだ空気は一切なかった。

むしろ、ライバルの強烈な一撃によって、レスラーとしての闘争本能に火が点いたようであった。

「負けた。久々に潮﨑のラリアットで頭にきている。13年ぶりにこの会場でやった。長いようで短い。全日本に戻ってきて、俺も最前線にでてやろうと思った。あいつは3冠に行くだろうから、俺だって、まだまだ行きたい気持ちがある。リング上であいつと面白いことを仕掛けられると思う。潮﨑と俺で飛ばしたい。いいきっかけになった」

第一線への本格復帰、そして三冠ヘビー級戦線への再浮上。

長年のライバルとの再会は、諏訪魔の心に眠っていた野心を完全に呼び覚ました。

別々の道を歩んできた二人の男たちが再び激突した大田区の夜は、全日本プロレスにおける新たなる熱狂の始まりを力強く告げている。

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