【ウルティモ・ドラゴン】「自分の人生イコール・メキシコ!」“世界の究極龍” ウルティモ・ドラゴンが30周年記念大会を目前に、現在の心境を語った!

『特別興行ウルティモ・ドラゴン 30周年記念 ~Lucha Fiesta 2017 supported by AJP~』
8/19(土) 後楽園ホール 18:30試合開始

――今年5月27日、メキシコシティーの大会場アレナ・メヒコで闘龍門メヒコ恒例の「ドラゴマニア」がウルティモ・ドラゴンデビュー30周年記念大会として開催されましたが、8月19日(土=午後6時30分開始)に、日本(東京・後楽園ホール)で「ウルティモ・ドラゴン30周年記念~Lucha Fiesta 2017 supported by AJP~」がおこなわれます。20周年記念、25周年記念とも後楽園ホールで開催していますよね。

ウルティモ:「はい、やってますね。ただ、年々、自主興行というのが難しくなっていくなか、全日本プロレスさんの全面協力の下、お互いに面白そうだということで開催する運びになりました。全日本プロレスさんは興行数も多いですし、そのなかで自分がそこに乗せていただいたと。これは秋山社長をはじめ、選手、スタッフ、すべての全日本プロレスの人たちに感謝ですね。全日本プロレスのお客さんもたくさん来られると思うんですけど、自分が久しぶりに(日本で)いいプロデュースをして、お客さんにこんなのもあるんだと、プロレスの別の面のおもしろさを披露できればなと思っています」

――現在、ウルティモ選手は全日本プロレスを主戦場にしています。全日本にウルティモ選手が上がる意味とは?

ウルティモ:「最初は、木原文人リングアナウンサーに声をかけられたんですよ。過去に分裂問題とかあったじゃないですか。秋山社長たちがNOAHから合流したりとか。 そんな時に”(全日本に)ぜひどうですか?”と声をかけていただいたのですが、最初はちょっと…」

――躊躇した?

ウルティモ:「全日本プロレスって伝統ある老舗団体じゃないですか。自分が行って全日本に求められる闘いが出来るのかなっていう思いがあったんですよね。とりあえず1試合だけという形で出ることになったんですね。当時は白石社長で、白石さんからも実際ちょっと反対の声が出ていたらしいんですよ。”そんなロートル使ってどうするんだ?”みたいな。でもまあ、試合後すぐ控室に来てくれて挨拶してもらって。そこはそれだけで終わったんですけど、その後、会社のなかで、もっと長期参戦してもらえないかという風に変わったみたいなんですよね」

――試合を気に入ってもらえたと。

ウルティモ:「そうですね。たぶんボクのことが最初はわからなかったんでしょうね」

――当時は知らなかったのかもしれませんね。

ウルティモ:「そうですね。そこから定期的に参戦するようになって、運良くチャンピオンにもなれた。でも、秋山社長とはまったく接点がなかったんですよ。彼は全日本でデビューした全日本育ちで、NOAHにいて。ボクは新日本道場にいて、メキシコに行った。まったく畑が違うんですよ。そんななかで最初に入ったときは挨拶を交わすくらいで接点もないし、試合もヘビーとジュニアなので絡むこともない。ただある日、なにかのきっかけで、お互いがシガー(葉巻)をやることがわかって、それでちょっと意気投合して」

――葉巻つながり。

ウルティモ:「そうそう。そういうのでメキシコに来てもらったりとか、キューバに一緒に行ったりとか、リング外で共通の趣味があるということで、お互いにスタイルもバックボーンも違うけれども、お互いがお互いを尊敬できる、いい関係になれたんですよね」

――興行においても足りない部分を補えるとか。

ウルティモ:「そうですよね。あとは全日本には諏訪魔君をはじめ、全日本プロレスの王道の流れを汲む素晴らしいレスラーがたくさんいるし、自分とはいい意味でイデオロギーのぶつかり合いとかもない。ジュニアの子たちも自分の試合を見て育った子たちなので、いろんな話をボクに聞きに来たりとか、自分にはすごく居心地がいいというか、みんな人間的にいい子たちなんですよね。巡業中も居心地がいいですし。ただまあ、それはリングの外であって、試合になると内容はやっぱり全日本プロレスですから、内容はかなり激しいことになりますし。本当に素晴らしい団体ですよ。自分もプロレスラーとしてもたぶん最後(の団体)だと思うんですけど、いい幕を閉じられるんじゃないかなと思っています」

――王道を体感することがある意味、ウルティモ選手の集大成でもあると。

ウルティモ:「集大成に入ってるんでしょうね。いつ引退するか、いまは明言できませんけど、年齢的にも今年(12月で)51歳になりますから、ここ2,3年でしょうね、(ファイト)できて。長くできれば、それは長くやりたいですけど」

――正直、参戦当初は、”え、ウルティモ・ドラゴンが全日本!?”という感じはありました。

ウルティモ:「そうでしょうね。最初はボクも、全日本プロレスじゃないだろと思ってました。でも木原リングアナから誘われて。実は木原リングアナとはもっと前から交流があったんですよ。自分がSWSのとき、彼がボクのマンションに遊びに来たりとか。でも仕事は仕事、プライベートはプライベートで分けてたんですよね。でも、そのときからいつか仕事したいね、とお互いに話はしてたんですよ。それがまあ、こういう全日本プロレスのゴタゴタがあったなか、なんとか上がってくれませんかと言われて。人間っていろいろ縁を感じますよね。それはもう木原リングアナもそうだし、秋山社長もそうだし、全日本という団体もそう。ここに縁を感じますよね。あと自分がいることによって、若い子たち。自分が直接練習とかはやらないですけど、いろいろ試合を通じてこういうスタイルもあるんだと覚えてもらいたいと思ってやっていますよ」

――全日本のなかにプロレス学校闘龍門がある、みたいな?

ウルティモ:「いや。自分は最近いろんな人から、教えたりしないんですか?と言われたりするんですが、自分が教えると全日本プロレスではなくなるんですよ」

――なるほど。

ウルティモ:「全日本プロレスとはあくまでも力道山先生、ジャイアント馬場さんの流れで、秋山社長は最後の弟子じゃないですか。大森隆男さんもそうだし。その辺の人たちが引き継いできたものが、ボクは王道・全日本プロレスだと思うんですよね。自分がやってきたものというのはベースがルチャリブレであって、そこに新日本プロレスとかアメリカWCWとかの流れがあっての闘龍門のスタイルじゃないですか。いま、全日本プロレスの看板でやっている以上、勿論、アドバイスはしますけど、そのど真ん中は全日本の王道スタイル。それは秋山社長とか大森さん、諏訪魔君、青木篤志君たちが継承して教えていくのが本道だと思いますね」

――ウルティモ選手が全日本に上がるのは、日本のマット界のジュニアのレジェンド、象徴としての意味合いが大きいような気がします。

ウルティモ:「そうですね。いまの全日本のジュニアの選手たちって、どうしても地味だと思うんですよ。ジュニアって華やかに、派手にやった方がいいと思う。そのなかで自分がいることによって、新しい風というかね。最近、TAJIRIが入ってきてすぐに世界ジュニアのチャンピオンになったと。王道マットに毒霧かよと思いましたけど、それはやっぱり彼がWWEで培ってきたスタイルなので、まあ、彼だったら許されるのかなと。彼が登場することによって、また活性化されてジュニアヘビー級がまたおもしろくなれば、それはそれで素晴らしいことだと思いますから」

――そのTAJIRI選手とは30周年記念大会後の8・27全日本両国国技館大会で対戦しますよね。ウルティモ選手が世界ジュニアに挑戦するかたちです。そのタイトルマッチに弾みをつけるためにも、19日の30周年記念大会は成功させたいですよね。

ウルティモ:「そうですね。今回、30周年のコンセプトは、ドラゴマニアがそのまま日本にやってくる、なので、5・27と同じようなメインのカードなんですけど、ふつうにメキシコの選手だけでルチャリブレをやるよりも、こないだの5・27のメインがすごいよかったんでね、それに近いカードをやってみたい。自分がすごいなと思ったのは、秋山準もジョー・ドーリングもメキシコのリングで素晴らしい順応性を見せてルチャリブレのスタイルそのままこなしてたんですよ。それを見て凄いなと思ったし、是非、日本のファンの前でもみせるべきだと思ったんですね。秋山は秋山、ドーリングはドーリングなんですけども、アレナ・メヒコのリングで違和感がなかったんです。借りてきた猫みたいな感じになってしまう人もいるけど、そんなこともなく、本当にお客さんに受け入れられたし、普通にこなしてたんで、凄いなと本当に思ったんですね。今回はサム・アドニスとかカリスティコも来てくれるし、そのなかでどんな融合があるのか、日本のファンの前でどうなるのか。プロレスってお客さんがいて初めて成り立つもの。メキシコのファンと日本のファンの反応は違いますけども、それでどういう化学反応が起るのか、楽しみですよね」

――ウルティモ選手のトリオは、5・27とまったく同じメンバーですからね。

ウルティモ:「そうです。自分と秋山準とカリスティコ。みんなやっぱり、それぞれタイプが違う方がおもしろいと思うんですよ。みんながみんな同じようなスタイルだとファンの人たちにもわかりづらいと思うんです。とくに今回の「ルチャフィエスタ」に関しては、ふだんあまりプロレスを見ていないようなお客さんもいらっしゃると思うので、ボクはわかりやすいプロレスをやりたいと思うんですよね」

――相手のドーリングは全日本でおなじみですが、エル・ディアマンテ、サム・アドニスは日本のファンにはほぼ無名です。どういう選手ですか。

ウルティモ:「サム・アドニスというのは、アメリカのトランプ大統領の旗を持ってくるんですよね。いいところに目をつけたなとボクは思ってます。なかなかのアイデアマンですよね。カラダも大きいですし」

――サイズ的には全日本向きかもしれません。

ウルティモ:「そうです、全日本の外国人黄金時代にいたような選手。本人も憧れてるみたいで、これを機に定着できたらいいんじゃないですかね」

――現在はメキシコのCMLLに上がっているようですが、アメリカ人で珍しいですよね。

ウルティモ:「ハイ。やっぱり彼は、アメリカだとノーマルなレスラーになってしまうかもしれない。でもメキシコに行ってトランプ大統領の旗を振ることによって、観客のブーイングを浴びられる。あえてそういうことをやってみる。彼の目の付け所がよかったんだと思いますよ」

――なるほど。では、エル・ディアマンテという選手は?

ウルティモ:「ボクはまったくわからないです。ただ調査をしているなかで、カリスティコのライバルだと。カリスティコが闘って、カリスティコが光る選手がほしいですからね。ボクは実際にディアマンテを見たことはないんですけど、そういった意味でカリスティコの対戦相手としていいんじゃないですかね」

――カリスティコとは初代ミスティコ。メキシコのスーパースター中のスーパースターですからね。

ウルティモ:「そうです、象徴的なルチャの選手です。日本でこういうのがあると話したらぜひ行きたいと言ってくれた。忙しいのにいいのかと聞いたら、OKだと。お祝いに駆けつけたいと非常にうれしいことを言ってもらいました」

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