【ウルティモ・ドラゴン】「自分の人生イコール・メキシコ!」“世界の究極龍” ウルティモ・ドラゴンが30周年記念大会を目前に、現在の心境を語った!

――ドラゴマニアは毎年5月にメキシコで開催されています。メキシコはもちろん、現地の日本人ファンにも喜ばれるような工夫が常にされているイメージがあります。今回はドラゴマニアがそのままやってくるというコンセプトですが。

ウルティモ:「メキシコのルチャをそっくりそのまますべて持ち込むことはできないですけど、観客あってのルチャリブレ。メキシコのプロレスはこういう雰囲気のなかでやるんだと少しでも伝わればいいなと。あとメキシコへの直行便ができて、メキシコがちょっと近くなったんですよね。それで少しでもメキシコに興味を持ってもらえたらいいなという思いがあります。自分は30年間、メキシコにお世話になってるので、これをきっかけにメキシコまで来てもらえたらうれしいですしね。ちょっとでも日本の人にメキシコという国を知ってもらえれば。それが一番の目的ですね。もちろん自分の30周年で、お祝いもありますけど、この30周年興行を通じて日本の人にメキシコという国をもっと知ってもらいたい。とくにいま、サッカーの本田(圭佑)君もメキシコ(パチューカ)に行ったりとかしてメキシコ自体が注目を浴びているじゃないですか。だからもっともっと興味を持ってもらえたらね、メキシコに30年住んでる人間からしたらうれしいですよ」

――30年間、日本とメキシコを行き来して、いま振り返ってみていかがですか。メキシコに渡って以来、日本にはユニバーサルを通じてルチャリブレを持ち込み、海外ではメキシコ、アメリカのメジャー団体を制覇したと言ってもいいと思います。

ウルティモ:「自分は日本でプロレスラーになろうと思ったけど、身体が小さいという理由からメキシコに行って、そこから運命が変わった。運命が変わっただけじゃなくて運気が乗ったんですよね。自分のなかでは、自分の人生イコール・メキシコ。アメリカで腕をケガしたじゃないですか。自分の人生のなかで、アメリカの選択肢は最初なかったんですよ。でもアメリカに行きました、WCWでまあまあいい活躍ができました。でもたぶん、そこで神様からちょっとストップがかかったんじゃないかと思って」

――オマエの居場所はアメリカじゃないよと。

ウルティモ:「そうなんですよね、それでメキシコだと。それでメキシコに戻って闘龍門を始めて、(生徒たちが)素晴らしい選手たちに育ってくれた。その後も自分はメキシコで自主興行を続け、最後の集大成で全日本プロレスで試合をさせてもらってる。その間もすべてボクはメキシコというベースは変えてないわけです」

――そうですね。

ウルティモ:「やっぱり、人生というのはいろいろありますけど、自分の信念でそういうのを曲げない、そういうふうにやってきたのがよかったんじゃないかなって。だからメキシコという国があっていまの自分がある。それに関しては、メキシコに行けてラッキーでしたね」

――選手としてはもちろん、後進を育てプロデュースするという意味でもプロレス界に多大な貢献をしてきました。この30周年は、闘龍門を設立して20周年でもありますよね。

ウルティモ:「そうですね、そうです。メキシコの学校はいまクローズして、興行だけやってるんですけど、1年に1回がドラゴマニア。年に4回の定期戦」

――プロレス学校の闘龍門から巣立っていった選手たちが現在、日本のあらゆる主要団体で活躍しています。たとえば新日本プロレスの”レインメーカー”オカダ・カズチカ選手も闘龍門出身です。いまやプロレス界の救世主的存在でもある。プロレス界にカネの雨を降らすレインメーカーですが、各選手にキャラクター付けしていくのも、闘龍門が先駆けでもありますよね。

ウルティモ:「そうですね。やっぱり入口だと思うんですよ。プロレスを最初に教わるとき、プロレスに対する最初の洗礼を受けるわけですよ。世界にはいろいろな宗教がありますよね。たとえばカトリックの洗礼を受ける、仏教の国もある。それによってアイデンティティーって変わるじゃないですか。それを後から変えることはできないんですよ。だからたぶん、言い悪いとかそういう問題じゃなくて、最初に教えたことが、ずっとついて回る。これだけ色々な団体で、自分の生徒だった選手が活躍しているということは、自分がやってきたこと、伝えたことが良かったのかなと。やってきたことは間違いじゃなかったかなと、今になって言えるのかなと思いますね。ただ、オカダがいま大活躍してますけど、ボクからしたらオカダも松山勘十郎も同じなんですよ

――同列に見ている?

ウルティモ:「ボクからしたら一緒です。みんな一緒です。たまたまオカダが活躍したと。もちろん身体も大きいし、この子はこうなるなというある程度の予測はありました。それは松山勘十郎にもあった。オカダが入ってきたときには、将来は新日本プロレスとかに行ってもらった方がいいと感じたし、だからそういう路線でいかせました。松山勘十郎には新日本には行けないと思うじゃないですか、でも別の松山勘十郎としてのスタイルでやりなさいと。レベルは違いますけど、松山勘十郎は自分で興行をやってるしね。実際一度(興行に)呼んでもらいましたよ。アイツはアイツで活躍してるんで、自分は嬉しいです。選手によって差をつけることはないですね。ふつう、自分の子に差はつけられないじゃないですか」

――そうですね。

ウルティモ:「長男がかわいいとか次男の方がいいとか多少はあったとしても、子どもは子どもで、みんな可愛いんですよ。そういう意味でボクにとって弟子(生徒)はみんな一緒ですよ」

――本当に多くの選手を輩出し、それぞれが活躍している。ウルティモ選手がいなかったら現在の日本プロレス界はどうなっていたんだろうというくらい影響力があります。

ウルティモ:「それはまあ、結果ですよね。結果がたまたまそうなっただけ。あとは、自分には日本のいわゆる昔から続いてるマット界の悪い部分、たとえば道場論とか根性論とか、自分の場合そういうのは一切ないんです。どちらかというとメキシカンスタイル、向こうのやり方。だいたい(プロレス)学校って日本にはなかったじゃないですか。だけど向こうは道場じゃない、みんな学校なんですよ

――(レスリング)スクールですよね。

ウルティモ:「そう、(メキシコ)それが当たり前なんですよ。どんな仕事でもそうだと思うんですけど、最初に新しいものを始めるといろいろ批判があるじゃないですか。自分はたまたまメキシコに住んでて、メキシコにプロレスの学校があるから、それを普通にやって、日本に取り入れたんですよね。別に特別なことはしてないんです」

――なるほど。では最後に、あらためて30周年記念となる8・19後楽園大会への意気込みをお願いします。

ウルティモ:「ルチャフィエスタのタイトルでやりますので、ルチャリブレのお祭りですよね。みなさん会場に来て、メキシコの本場のルチャリブレを体感してみてください。メインでは、ボクは最強トリオでいきます。メキシコの英雄カリスティコ、全日本の秋山準、そして自分。万全で臨みますので、期待してください」

(聞き手:新井宏)
(記事提供:リアルジャパンプロレス)


『特別興行ウルティモ・ドラゴン 30周年記念 ~Lucha Fiesta 2017 supported by AJP~』
8/19(土) 後楽園ホール 18:30試合開始

<チケット発売所>
e+ イープラス http://eplus.jp/aj/ (PC&携帯)

【対戦カード】
<ウルティモ・ドラゴン30周年記念試合ルチャ・リブレルール6人タッグマッチ60分3本勝負> 
ウルティモ・ドラゴン & 秋山準 & カリスティコ
vs
ジョー・ドーリング & エル・ディアマンテ & サム・アドニス

<タッグマッチ>
宮原健斗 & 青柳優馬
vs
KAI & 野村直矢

<ドラゴンスクランブル時間差バトルロイヤル>
【参戦決定選手】
青木篤志、大森隆男、諏訪魔、ゼウス、中島洋平
※その他豪華参戦選手もお楽しみに!

<女子プロレス タッグマッチ>
安納サオリ & 万喜なつみ
vs
旧姓・モンゴル & ブス・モンゴル
with ミス・モンゴル

<タッグマッチ>
渕正信 & X
vs
田中稔 & 丸山敦

<シングルマッチ>
岩本煌史 vs 岡田佑介

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加

Pages 1 2 3