【スターダム ロッシー小川社長×プロレスTODAY山口総監督】<スペシャル対談①>業界歴41年の女子プロ界きっての名伯楽、ロッシー小川社長に現在・過去・未来についてロングインタビュー!

(※2017年5月1日 撮影)

【プロレス業界歴】

山口:ロッシーさんは業界歴41年、相当長いですよね。居続ける秘訣みたいなものってありますか?

ロッシー:居続けられないですよ、普通の人は。自分も悪いときはあったんですけど、人に救われて仕事もらったりもして。その時思ったのは、「あ、やっぱり俺は仕事できるな」って自分で思った。俺はモノさえ与えられれば出来るんだって思って。自分でそういう風に思ったんですよね。

山口:なるほど。ではそうやって自分に自信を持ってやられていたんですね。

ロッシー:自信がないときもあるんですよ、どうやっていいか分からないときも。

山口:それっていつくらいですか?

ロッシー:2000年代の頭ですね。だけど、その中で思わないところで人間関係が悪くなって団体がおかしくなったりだとか、でもそれも自分が招いているのか分からないけど、そのときにこれはただ使われて文句言われてるのが楽だなとか思ったりしましたよね。

山口:それはありますよね。

ロッシー:もうこういう時代なので、ただ好きとかでは成り立たないんですよね。昔はもうやる気さえあれば成り立ったものも、それだけじゃ駄目ですよね。

山口:そのへんをロッシーさん的にはこれがあったからというものってありますか?

ロッシー:自分は長くやっているから経験もあるし、いまのキャリアでいられるから物事を動かせるということってたくさんあると思うんですよ。これがあと10年、15年キャリアがないと出来ないこともあるんですよ。

山口:ロッシーさんのキャリアが現時点で自分を助けてくれているということでしょうか。

ロッシー:でも今やってることはそんなキャリアは関係ないかなと思ってるんですけどね。だってうちの子達はロッシー小川が何者だかよく分かってないじゃないですか。

山口:(笑)。さすがに若い子はね。

ロッシー:全然分かってないですよ(笑)。なにか分かってないからだから逆に今の自分にもいきてるんじゃないかなとも思いますけどね。

 

【団体経営の魅力】

山口:ロッシーさんにとって団体経営の魅力というものはどこにありますか?

ロッシー:団体経営の魅力というのは、いい興行をやって、いい選手を育てて、試合をやってお客さんが喜ぶことが一番の魅力だと思います。それで利益を得るということは。それが会場のキャパが大きくなればなるほどて魅力は大きくなるし。

山口:自分のマッチメイクで狙いが当たったときは、やっぱりテンションが上がるものですか?

ロッシー:うーん、常にそういう状態だったらいいんですけど、興行もかなりの数やっているので、全部が全力でというのは無理なんですよね。だからここはこれで凌ごうとかそういう考えになっちゃいますよね。

山口:まあ点じゃないですもんね、線ですもんね興行は。

ロッシー:だからもう見るからにカードや人材がこれは成功だなっていうものって、あまりないじゃないですか。とにかくやってみないとという所もあるし。
昔だと、ひとつ興行が当たるとその勢いで次もその次もって当たったんですけど、今は1回1回。1からやり直し、それって本物のスターが出てないってことだと思うんですよ。

山口:確かにあの熱狂的な時代と比べると、あの時のようなスターって今はいないですよね。

ロッシー:だから当時はその人が出るだけでお客さんを呼べたんですよね。だから今はないものねだりしてもしょうがないんで。スターダムはスターを作る団体だと思ってるんで。でもこの7年間に愛川ゆず季、宝城カイリ、紫雷イオの3人、小さくなったとはいえこの業界の中で通じるトップを育てたんですよ。だからスターを排出するパワーはスターダムはあるんじゃないですかね。

 

【スター育成方針】

山口:ロッシーさんの手腕というか、新しいスターを育成する方針はどのような感じなのですか?

ロッシー:自分の手腕というか、監督采配みたいなものだから、今スターダムという名前で来る選手がいますよね、当然ですけど。だからそのスターダムに惹かれてくるわけだから、スターダムという団体が常に輝いていることが必要ですよね。団体が輝いていないのにいい選手は入ってこないんですよ。

山口:そうですよね。

ロッシー:だってみんな輝きたくて入ってくるわけだから。

山口:今はスカウトみたいなことはされないんですか?

ロッシー:特にしていないです。プロレスって、やっぱり根底に好きじゃないと出来ないから。スカウトしたところで、よっぽどいい条件を出せるわけでもないし。だから続かないんじゃないかな、どこかで好きにならないと。もともと好きか、好きになるか。

山口:例えば身体能力でいうと、ジャングル叫女選手とかは相当高いじゃないですか。彼女とかもスターダムが好きでって入団されたんですか?

ジャングル叫女

ロッシー:いや、友達に誘われたとかじゃなかったかな。いきなり電話かかってきて、たまたま夜に興行がある日だったんですけど、「今外にいるんですけど、会ってもらえませんか?」って。でもいきなり知らない人を中に入れるわけにもいかないから、じゃあ夜に新木場の興行に来てって言って。

山口:すごい行動力ですね。

ロッシー:そしたらアフリカから帰ってきて住む所がなかったらしいんですよね。住む所が欲しかったみたいで(笑)。

山口:(笑)。なんか、すごいですね。キャラクターもですが。スターダムが常に業界トップにいて輝き続けることで、プロレスをしたい人が集まるという作用が働いてるんですね。

ロッシー:あとはスターも今30も選手がいないんですよね。風通しのいい団体なので、分け隔てなくみんなで教え合って作りあっていくというか。

山口:イオ選手とかも若い子達に教えたりするんですか?

ダークサイドな逸女 紫雷 イオ

ロッシー:どうなんだろうなぁ、イオは練習という面ではちょっと違うかなと思いますね。やっぱり教えるのが好きというか、うまい人っているんですよね。

山口:風香さんはかなり若い方達に教えているというか支持されている印象がありますね。

ロッシー:風香は教えるのがうまいっていうんじゃなく、人当たりがうまいんですよ。風香は常に新人の窓口だったんですよね。もっというと、風香よりキャリアもあってレベルの上の選手もたくさんいるから、そこにアドバイスとかは出来なくなっちゃいますよね。

 

【団体運営で心掛けていること】

山口:団体運営で心掛けていることはありますか?

ロッシー:利益を上げ続けることじゃないですか?確実に。

山口:利益を上げ続けるって、投資の面もあるので結構難しいことなんじゃないかなって思うんですよね。

ロッシー:やっぱり女子プロレスの場合は、いい人材を揃えていかないと。それが売上・利益に直結するので。スターが集まってきて、常に新しい選手が入ってきてというのを繰り返すじゃないですか。人材が止まったりとか、いい選手がどんどんいなくなるとかっていうのがあると売上も落ちてくるんじゃないかと思うんですけど。でもここ1年宝城カイリだ、美闘陽子だ、みんな辞めたじゃないですか、中心選手が。でも売上全然変わってないんですよ。

山口:それはすごいですね、それは選手個々についていたファンが団体のファンとして定着してきたということでしょうか?

ロッシー:いや、選手を応援しているのは変わらないですけどね。でもむかしでいうと主力選手がどんどんいなくなると売上も落ちていくけど、それを見てただ辞めたというだけじゃなく、新しい人材も補強しているし、そのバランスが悪くないんじゃないですか。

山口:その補強具合も中野たむ選手だったり、夏すみれ選手だったり、いろんな選手が集まってますよね。

ロッシー:補強っていうか、向こうから入りたいとか出たいとかで来るんですよ。でもある意味スターダムに出たいってことは、他の団体との関係を断つってことだと思うんですよ。それが出来る選手が来るんじゃないですか。そこまでしても上がりたいという選手が。なのでそういう人間関係とかいろんな付き合いを重視する人はここには来れないですよ。

山口:スターダムでやっていくという覚悟ができた者だけがスターダムに来ると。

ロッシー:昔、紫雷イオが来たとき本当は紫雷美央も一緒に会ってるんですよ。でも紫雷美央は人間関係を重んじたからここには来ないっていう選択をしたんですね。紫雷イオはここでスターになりたかったから、ここに来たんですよ。

 

【団体としてのあり方(鎖国政策)】

山口:スターダムが鎖国政策を貫く一番の理由は何ですか?

ロッシー:鎖国とかじゃなくて、一緒に交わる必要がないんですよ。他の競技みたく交わってやるものじゃないじゃないですか。極端に言うと、劇団四季が公演のたびに他の劇団から人を借りないじゃないですか。四季は四季で人を育てていくし、それと一緒だと思うんですよね。

山口:なるほど。

ロッシー:じゃないと団体の看板を掲げてる意味がないですよね、他の選手を借りてたら。そこは所属しているわけだから。

山口:そういう考えがあるから団体として基本的には他の団体と交わらないという。

ロッシー:交わる意味がないですよね。メリットがないですよね、正直言って。

山口:でも当時、例えば全女もいろんな団体と対抗戦をやってましたよね。

ロッシー:観る側はそうですよね。ただ本当は団体の中でやってることが面白いんですけど。見すると交わってるほうが面白く見えるし、ダイナミックに見えるんですけど。全女時代はそれでよかったと思うんですよ、大きな会場でもやっていたし。ただ今はまず一言言えることは、自分のところの選手と招聘している外国人の選手だけで出来ない団体はやっちゃいけないと思うんですよ。

山口:団体として名乗るのもどうかという感じですか?

ロッシー:そうですね。やっぱりそれだけの人材を集めてきての団体だと思うんですよ。だって選手が何人かしかいなくて、あとはほとんど他から出てきていますって言ったら、それはただの自主興行だと思うんですよね。団体じゃなくて。

山口:確かに。

ロッシー:まあ規模は小さくても魅力があればいいと思うんですけど、ただ自分達がやりたいのはそういうことじゃないから。

 

<次回パート②に続く!>

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