【編集長コラム】「川田利明の『時は来た』」

「時は来た」――川田利明の口から衝撃のセリフが、とうとう飛び出した。

川田自らがプロデュースする「HOLY WAR~VOL.2~」(7月8日、東京・新木場1st RING)が迫っているが、体の奥底から湧き上がる「プロレスへの情熱」を、どうにも抑えきれない。

「名を馳せたベテラン選手と、これからのし上がる若い選手が、絡んだらどんな化学反応が起こるのか?」をテーマに、川田が参加選手を厳選し、対戦カードを組んだ第一弾4・26「HOLY WAR~序章~」大会は大成功に終わった。

続く第二弾7・8新木場大会では、新たに女子プロレス「ダンプ松本(極悪同盟)、ZAP(極悪同盟)組VS長浜浩江(WAVE)、高瀬みゆき(アクトスガールズ)」の一戦が加わるなど、川田の「プロレスのあらゆるジャンルを楽しんでほしい」という思いが、さらに詰まった大会となる。

メインイベントの「越中詩郎(フリー)、田中将斗(ZERO1)、KAZMA SAKAMOTO(フリー)組VS宮本裕向(666)、将軍岡本(フリー)、清宮海斗(NOAH)組」の一戦では「ファイトはもちろんだけど、真っ黒に日焼けした田中選手と白い清宮選手の、色の違いにも注目してほしい」と目を見開く。「白い」のもレスラーの個性の一つ。「人と違うことをやらないと、のし上がれない」と川田は、成長途上にある清宮に注目している。

怪物系レスラーが暴れていた「昔のプロレス」に対して「今のプロレス」は、スリムで格好良いレスラーが躍動している。「良い、悪いではない。昔のファンにも今のファンにも満足しでもらうためにも昔と今の選手に、真っ向からやりあって欲しいんだ」と、川田“プロデューサー”は熱い。

川田自身も「俺のトークバトル(30分一本勝負)」で、中嶋勝彦(NOAH)と激突する。中嶋を入門時から知る川田は「子供にしか見えなかった」と振り返る。初対戦した時の思い出など㊙話を用意している。

四天王時代は寡黙なイメージだったが、ハッスル参戦時には意外なほど「マイク」を自在に操っていた。「しゃべらない方が楽だったからね。実はお笑い好きでおしゃべりだ」と告白。中嶋との30分一本勝負も「あっという間だと思う」と、手ぐすねを引いている。

第一弾4・26新木場大会の丸藤直道とのトークバトルでは、リング復帰を促されたが、明言を避けた。実際に「思うような練習ができない」と、コンデションはいまひとつ。ファイトからは遠ざかったままだが「引退はしてない」と強調する。

そして「『時は来た』と言いたいね」と、さらり。リング復帰への意欲は微塵も衰えていないのだ。

「HOLY WAR」のコンセプトを自ら実践するためにも、川田本人の出陣は避けられない。

「時は来た」と、川田が宣言する日は意外と近いかもしれない。

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