【ファイプロ12年ぶりの復活】<スペシャルインタビュー①>全てのプロレスファンに捧ぐ!超待望のあの名作が復活!!

~新アクション(新技、打撃応酬、掟破り、ダッシュリングイン、ロープエスケープ)について~

 

山口:新アクションとしては、現実世界この十年くらいで相当新しい技が出ましたよね。

 

ともぞう:ありすぎですよね(笑)

 

山口:ちなみに技ひとつにどれくらい時間がかかるんですか?

 

田村:これは完全にものによりますよね。

 

ともぞう:でも相当ですよね、1個作るのにどれだけ手間がかかるか。

 

田村:一概には難しいですけど、組み技とかだと2日とかですかね、実装までに。

 

山口:1個に2日ですか、めちゃくちゃかかりますね。

 

ともぞう:ツープラトンは?

 

田村:ツープラトンは、単純にほぼ1.5倍・・。

 

ともぞう:ゴールデントリガーは何日ですか?

 

田村:ゴールデントリガーは、僕一人でやって丸3日。

 

山口:えー!!大変・・。

 

田村:一応、尺も合わせたんですよ。セリフ撮らせていただくことがその時点で決まっていたので。ちょうど、ゴールデンウイークに博多でケニー選手のボイスを撮らせていただくときに、どうせなら見ていただいてテンションを上げていただこうと思って。4月に家で缶詰になって大慌てで間に合わせて飛行機に飛び乗りましたね。

 

ともぞう:あれ、めちゃくちゃテンション上がってましたよね!第一声は「飯伏選手に送っていいか?」って、ケニー選手らしいコメントをいただきましたよね。

 

山口:仲いいですもんね。でも技に2日とか3日かかるなんて、ものすごい労力ですよね。

 

ともぞう:もっと簡単に作りたければ、3Dでやれって話なんですよね。なんですけど、やっぱりファイプロで3Dだてなんとなく違うんですよね。ファイプロのシステムを流用するんだったらというところでいくと、いろいろな制限はありますがどうしてもアナログでそれくらいの時間がかかってしまうと。結局職人がいないと何も進まない、ただ、その職人のこだわりがユーザーに喜んでもらえるポイントだったりするので。今から効率の良さよりも、ファイプロイズムみたいなものを継承してくのがファイプロなんじゃないかなという。

 

山口:でもそこがオールドファンにとっても魅力的な部分ですよね。根底は変わっていないという。

 

ともぞう:でも一回Xbox Live 挟んでますからね(笑)。今なかったことになってるみたいですけど、あれ挟んでるっていうのが肝ですよね(笑)。

 

山口:でも本当に昔のファイプロを残しながら、最前線のプロレスもしっかり掴んでいますよね。

 

ともぞう:まだまだですよ。やっぱりファイプロのシステムは昭和的なプロレスなので、ベースが。僕が思うにですよ、たぶん。昭和的なプロレスをより再現するために作られたもので、時代が変わって今の新日さんだったり、海外のプロレス団体さんだったりをより遊ぼうとすると、もっと大幅な改善が必要なんですよね。僕はそれがやりたいんです。

 

山口:特に海外だとこの技が出たら決まるというのもありますしね。

 

ともぞう:それも必要だと思うし、今はないですけど。それも絶対入れるべきだし、そのオンオフも入れるべきだし。でもそれをするにはロジックをどうするのか。それを考えるのが楽しいですよね。どうやって進化したろかと。まだまだ作りきれていない未完成品ですから(笑)。田上明ということで(笑)。

山口:未完の大器(笑)。これ相当マニアックな人じゃないと分からないですよね?

 

田村:一瞬僕でも分からなかったですね。

 

山口:急にぶっ込んできましたね!今回「掟破り」というところとかも、ファンのツボを押しているなと思ったんですけど、これも新しい要素を入れようと思って入れたひとつですか?

 

ともぞう:そうですね、対人戦で友達と遊んだ時に掟破りをしたら楽しいかなというのと、ただたまたま同じ技を持っていて同じ技を返すだけでは盛り上がらないので、掟破りって出してやったほうが面白いのではないかと。クリティカルに続くファイプロ用語として、海外にも「掟破り」という日本語でいきたいなと。

 

山口:なるほど。

 

ともぞう:そういうのがあって「掟破り」というのをつくったんですけど・・・本当はいろいろぶっちゃけて言いたいんですけど、言えないこともたくさんあるので。
本当だったらもっとちゃんとロジックに組み込まれてロジック的に「掟破り」が出ればいいんですけど、今は正面組みのみですよね?

 

田村:そうですね。

 

ともぞう:正面組みだけじゃなく、ロープに振ったときとかも出るようにしたかったですね。なのでまだこれも未完成なんです。一応PS4版でロジックに組み込むことが出来たので、「掟破り」を出す確率に関連するパラメータがあるので、そこをいじってもらえば、CPU同士でも出るようになります。実はSteam版では出ないんですよ、逆に。

 

山口:そうなんですか?

 

ともぞう:人間がやらないと出ないんですよ、それがPS4版では出来ます。

 

山口:「掟破り」は昔の対決でいうと、猪木がハンセンにラリアットだったり、藤波さんの逆サソリだったりとか、プロレスの中の確固たるひとつのものになってますよね。

 

ともぞう:そう思いますね。最近は「掟破り」の影も薄いから困ってたんですよね。ロジックに組めないから、使ってくれる人が少なくて。なのでこのタイミングで大々的に「掟破り」を(笑)。

 

~エディットモードの進化~

山口:エディットモードも進化を遂げたと思いますが、パーツの種類がとても多いですね。これも昨今のコスチュームの多様さを受けてということでしょうか?

 

ともぞう:もちろんそれもあるんですけど、より自由度を増すために決め打ちで柄が入っていたものをバラしたんですよね。タイツに柄が入っていたものも、2つに分けたりして。そうすると別のものと組み合わせたときに見栄えが変わるじゃないですか。というような感じにバラしていったところ、数が膨大に増えたんですよね。その代わり、自由度も増したし、今回新日さんとのコラボで作ったコスチュームもユーザーと同じように作っているので、本当にどんな形も作れるようになりましたね。自分の思い描くコスチュームも作れるようになったし、頭と髪型を別にしたのもそうですし。選手の髪型が実際変わったときも対応できるんですよね。

 

山口:棚橋選手一人とっても、髪をしばったりいろいろ変化がありますもんね。コスチュームも変わったりするので、そこらへんはエディット職人もテンション上がりながら待ってるとこなんじゃないかなと思いますね。

 

ともぞう:またコスチューム変えやがったよ、ニヤリってね。まーた作り直さないといけねーよ、ニヤリって(笑)。

 

山口:でも本当増えたことによって、再現度が高いですよね!

 

 

~演出面(入場シーン、血痕演出、BGM)~

 

山口:そして演出面。入場シーンや血痕の演出、BGMも今風にしたと聞きました。

 

ともぞう:あ、そうですね。昔のファイプロの曲をアレンジしてかっこよくしたりしましたね。

 

山口:そのへんもこだわりですよね?

 

ともぞう:そうですね、こだわりはあったんですけどね。今回新日さんとコラボすることで、新日さんの公式の入場曲も入れれることになって結構影が薄くなっちゃいましたね、こだわって作った元のファイプロの曲が。でもやっぱり入場でオカダ選手の曲がかかったりするとテンション上がりますよね。やっぱ違いますよね、本当に使われている曲で本人が入ってくると。こんな違うかと。

 

山口:やっぱ違いますよね。

 

ともぞう:今回一応公式の曲は18曲。完全に満足はしていただけないかもしれませんが、わりと多く入れられたんじゃないかなと思います。今回の18曲というのは、新日さんが権利を持っている曲のみなんですよね。ただ残念ながら内藤選手、天山選手の曲は入っていませんが、オカダ選手、ケニー選手、飯伏選手などは入ります。

 

山口:プロレスって入場曲も含めてプロレスの世界観じゃないですか。入場曲で沸かせるってとこありますもんね。なのでそれがファイプロでリアルと同じ曲で再現できるっていうのはよりリアリティが増しますね。

 

ともぞう:そうなんですよ。そして実はあまり気づかれてないんですけど、入場中にスティック動かせるんですよね。今まで自動で歩いてきて入ってくるだけだったんですけど、今は途中で方向キーを入れると勝手に動けるようになるんですよ。なので好きなところでポストに登ってポーズを取ってもいいし、友達とやるときはすごいテンション上がりますよね。

 

山口:イケメン選手みたいに入場に特徴がある方も再現できますね。

 

 

ともぞう:内藤選手みたいなリングの周りの練り歩きみたいなのも出来ます。今回そこで言うとみのる選手の曲も入っていないんですけど、ただ今回入れられていない曲に関しては、許可を取って有料になってはしまいますが、DLで出そうかなって話はすすめています。そしたら「風になれ!」のタイミングでみのる選手をリングインさせていただくことも可能になります。そういう遊び方も自由にユーザーが出来るようにしたいと思っています。

 

山口:そういう部分、闘うという以外の部分もプロレスは大事ですよね。

 

ともぞう:ですよね。そういう意味だともうひとつサービスを考えていて、Steam版で出来るカスタムサントラ、PS4版ではリリースと同時の実現は出来なかったんですけど、発売後1ヶ月後くらいにはアップデートで実現できるように対応したいと思っています。有料の曲も買わなくても、自分で作れるように。「星空のディスタンス」でもいいですし(笑)。みなさんの好きな曲で入場できるように、それがPS4版でも楽しめるようにしたいと思っています。

 

山口:動き具合、バウンドなんかもリアリティありますよね。この辺はこだわりみたいなのはあったんですか?

 

田村:最初はもっと揺れてたりとか、何回か調整はかけましたね。

 

山口:鉄柵なんかもこだわってますよね。

 

田村:そうですね、この辺とかは昔のイメージというか。鉄柵作っているころは新日さんとのコラボの話とかはなかったので、グレーゾーンといいますが、イメージは欲しいけど、あまりに似すぎていてもまずいという状態ではあったんですけどね。なので、昔の作品でドームといえばこのイメージという鉄柵をデザインは少し変えていますが、作らせていただきました。

 

山口:使い勝手もよくなりましたよね。

 

ともぞう:そこらへんは本当に手を入れたので、よくなっているとは思います。

 

~オンラインモードについて~

 

山口:そのほか、オンラインモードが今後盛り上がっていくのではないかなと思っていますが、こちらも開発のほう大変だったんじゃないですか?

 

ともぞう:やっぱりラグ(ネットワークの遅延時間)ですよね。ラグはもうどうしようもないので。

 

田村:インフラのほうがまず問題なので。

 

ともぞう:やはり日本とアメリカの方が戦えば絶対にラグは発生するので。それはもうソフトをどうにかするという問題ではないので。そうなったときにファイプロってやっぱりガチの勝敗を競うものではなく、プロレスを楽しむものなので。そこをラグとかでこっちが不利だったからふざけんなとかってなるとちょっと困るなと。なのでファイプロは心に余裕を持って遊んでいただけるといいなーって思いますね(笑)。殺伐とせず。そのほうがファイプロを楽しんでもらえるかなと僕は思いますね。

 

山口:でもオンライン対戦は絶対楽しいですよね、離れた友人とも楽しめるので。

 

ともぞう:あと顔が見えない人ともどんな選手を選ぶのかっていう・・・。こっちがジュニアの選手を選んでるのに、すっごい強いオカダ選手を選んできたらセンス疑うじゃないですか。そのへんもちょっとリアルポイントだったりしますよね。あ、そういうパターンね、みたいな。

 

山口:性格出ますよね。

 

ともぞう:出ます出ます!その辺も面白いですよね、ファイプロは。ただオンラインで面白いのはルールでプロレスかセメントかで分かれているので、そのへんで住み分けをして楽しんでもらいたいというのが我々の希望ですね。荒れないための本音ですね(笑)。

 

山口:それは必要ですね。

 

山口:ダウンロード第1弾は、『ファイヤープロモーター』。プレイヤーがプロレス団体を運営するモードだそうですが?

 

ともぞう:本当だったら出てすでに半年くらい経ってなくてはいけないと思うんですけど、これも本当にいろいろあって。楽しみにしていたsteam版のユーザーには、本当に申し訳ないと思っています。後はPS4版への移植が想定以上に手間がかかるということで、そちらにスタッフを割かざるをえなく、後回しにせざるを得なくなってしまったんですね。それが8月末くらいから着手できそうなので、もう8割くらいは出来ていますので、秋ごろにはリリース出来るんじゃないかなと思っています。

 

山口:第2弾は「ジュニアヘビー級ストーリー」ということで、こちらも同じくらいのタイミングでしょうか?

 

ともぞう:そうですね、ほぼほぼ。まあ少しはずらすんじゃないかなと思いますが、だいたい同じくらいじゃないかなと思ってるんですけど・・・。まあ僕まだ書いてないので(笑)。あれ?いけるかな??って感じですよね。

 

山口:第1弾の団体運営はすごい魅力的だなと思うんですよね。

 

ともぞう:単純に面白いですよね。ベースがゲームボーイアドバンスの「ファイナルファイヤープロレスリング~夢の団体運営~」というゲームの仕様を基本的にはそのまま持ってきて、多少アレンジを加えた感じ。結構ファイプロの中では、あのタイトルって伝説的なタイトルで気に入った人は延々遊び倒すというゲームなんですよね。遊び心地だったりとかは、もうそのまんまなので、絶対に面白いと思います!

 

山口:第2弾のシナリオ作りも大変ですよね。

 

ともぞう:書いている間籠っているので、書いているか、新日本ワールドで試合を確認しているか・・・。追体験なので、今回のジュニアヘビーのお話でいくと、2018年のスーパージュニアがエンディングなんですよ。なので2017年、2018年そこで起こっている要素をだいたい入れ込んで、SHO&YOHがここで帰ってくるとか。そういうのを追ってかなくてはいけないので、実際の映像を観ながらそこに自分がもしいたらどうなるかというのを書いていくので、手間がかかるんですよね。
なので引き籠っているので、ご飯もだんだんピザやココイチの出前を頼んだり、外に出なくなる、人としゃべらなくなる、だんだん暗くなる(笑)。本当に何カ月もかかるので、書きたくないんですよね。今回も書いてくれる人を探してたんですけど、全く見つからなくて・・・。ゲームのシナリオを描けるっていうのも特殊なんですけど、今の新日情報に長けていて、ファイプロも理解しているライターさんいませんか?って探してもらったんですけどね。いないですね。

 

田村:まぁ、いないでしょうね。ものすごい篩(ふるい)に掛けられますね、三重のめちゃめちゃ細かい・・・。

 

ともぞう:全然無理でしたね。

 

山口:そして第3弾も予定されているとか?

 

ともぞう:そこまでがシーズンパスとして入っているものですね。でもそれだけではなく、他にも予定はしていますので楽しみにしていただきたいですね。

 

山口:ファンの方としてはSteam版はお試し版のような感じで、このPS4版でまたさらに楽しんでいただきたいという感じでしょうか。

 

ともぞう:そこは本当にSteamから楽しんでいただいているユーザーには本当に申し訳ない感じになっちゃうんですけど。アーリーアクセスはしょうがないとしても、Steam版の製品版を年末にリリースしたんですけど、正直至らない部分もあったのではと思っています。わりとこのPS4の移植に手間がかかってしまった分、放置になっちゃっているので。胸が痛い思いをしながらも8月末くらいにやっとひさびさにアップデート、新日さんコラボのDLC(ダウンロードコンテンツ)のリリース、DLCをご購入いただかなくても技はいくつか追加できるようにしたいと思いますので、本当に放置してすみませんでしたという気持ちでいっぱいですね。

 

山口:でも僕もそうですけど、ファンの方は次の展開を期待して、ともぞう監督のツイートをめちゃくちゃ楽しみにしていますよね。

 

ともぞう:ありがとうございます!

 

⇒インタビュー第2弾に続く!

 

ファイヤープロレスリングワールド公式HP
http://www.spike-chunsoft.co.jp/fireproworld/

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