【今日子のプロレス今日この頃】⑤「抱きしめてあげたい❸西村修(その3)」
ある時、蝿がぶんぶん、本当にすごいスピードでうるさく飛び回っていました。
西村さんはずっと目で追っていて、そしてパッと捕まえました。
すごい動体視力です。
どうするのかと思いきや、手を広げ、蝿を逃がしてやりました。
あわてて飛び去る蝿。二度と近寄って来ませんでした。
「わぁ!すごいね!」と感心したのですが「宮本武蔵ではないので、箸では捕まえられないけど」と、謙遜していました。
また、ある時は、気味の悪い変な虫が天井を這っていたのですが、タオルを丸めて投げ、ポン!と見事命中しました。
落ちた虫は一瞬、気絶していたようですが、その後、あわてて逃げ去りました。
これは「放生」ではないでしょうか。
放生とは、仏教で捕まえた生き物を殺生せずに逃がしてやる事。
徳を積む行為だとされています。
江戸時代には、遠くの寺院にまで参拝できない江戸っ子の間で、カゴに入った小鳥などを買い、逃がしてやる事が大流行したとか。
ガンを克服したからこその行為だと、私は思いました。
団体の移籍等、長いキャリアの間にはいろいろありました。
あんなに慎重な彼が、起こした大胆な行動。
その裏には様々な背景があったようです。
言葉数は多いのですが、言葉足らずな場合もあり、誤解される事も多い西村さん。
「先輩だから仕方ありません」と、真相を語らずにいる事も多々あります。
「いつか全部、『言っちゃうぞ、バカヤロー!』すれば」と言ったところ「あはは、小島じゃないんだから」と、遠くを見るような目で笑いました。
20代で、しかもレスラーという体を使う職業なのに、ガンになってしまって、どんな気持ちだっただろう、どんなに悲しく、どんなに絶望しただろうと思うと、今は元気になったとは言え、胸が痛みます。
「病気を経験したからこそ、今の自分がある」と言う西村さん。
悲しい思い出を、人生の貴重な経験として捉える姿を見て「抱きしめてあげたい」と思いました。
昔から「将来的には議員になりたい」と言っていました。
夢が叶って本当に良かったと思います。
悲しい思いをした分、きっと幸せな事がたくさんありますよ!
二足のわらじは大変でしょうが、今後ますますの活躍を期待しています。
10年越しのプロレス関係の壮大な計画が、やっと実現しそうだと聞きました。
いろいろ奔走し、大変だったようですが、来夏には形になるみたいです。
発表が待たれますね(*^_^*)
(この項 終わり)
今は議員でもあるので、「抱きしめ」はやめておきます。