【編集長コラム】「エース・棚橋弘至の完全復活」

今年の「G1覇者」棚橋弘至の凱旋シリーズ「Road to DESTRUCTION」が開幕(5日、名古屋国際会議場)した。

白いアタッシュケースに「1・4東京ドームIWGP王座挑戦権利書」を入れ、9・23神戸ワールド記念ホール大会で「1・4挑戦権争奪戦」を争うオカダ・カズチカと、早速、ぶつかった。

一進一退の攻防に、棚橋、オカダの両者、そしてファンは早くもヒートアップ。今シリーズは全13戦でタッグ激突が決定しており、連日連夜、日本各地で9・23神戸決戦に向けて、火花が散ることになる。

棚橋は5月のIWGP戦で当時の王者・オカダに敗れ、G1公式戦では30分時間切れの引き分け。今年は1分1敗と分の悪いオカダを、G1を制して手に入れた「1・4挑戦権」をかける一戦に、あえて指名した。

「リスキーな闘いなのは百も承知。でも、負け、引き分けの次は勝ち。自信あります」と豪語。周囲の「今、なぜ、オカダ?」との声に反発する。

主演映画「パパはわるものチャンピオン」の公開が9月21日に迫っており、G1終了後のオフにはプロモーション活動に勤しんでいた。

思えば、忙しいほど、パワーがチャージされる男・棚橋。「かつてないほど、勢いに乗っちゃっているから。追い風でも逆風でも、風を利用することには長けているのが棚橋弘至。時代も俺の味方。レスラーは勝たなきゃダメ」と、いつもながら前向きそのものだ

今回の映画主演は、2年前に「イエローリボン賞(ベスト・ファーザー賞)」を受賞したことも「大きかった」と棚橋は振り返る。「ベスト・ネクタイ賞」との「2冠受賞」だった。

「千のネクタイを持つ男」として、ネクタイ業界の重鎮と棚橋をつなぐなど「ネクタイつながり」で「2冠達成」のサポートができたことは「本当に良かった」と思い出す。

食事会で、移動の新幹線車中で「プロレス界をもっとメジャーにするには、どうしたらいいのか」と、語り合った日々がよみがえる。いや、過去形ではない。今でも、棚橋とは「プロレス界の今後」について議論する仲だ。

「生涯全力」で常に進化を続ける棚橋には、新たな目標がある。オカダに破られたIWGP王座「最多連続防衛記録」を、再び取り戻すのだ。

オカダと決着をつけ、胸を張って1・4東京ドーム大会のメインに登場し、8度目のIWGP王座戴冠を果たす。そして連続防衛記録12回の更新である。

YOSHI―HASHIら気になる選手にも声をかけ続ける。かつての「ドラゴンボンバーズ」のような「チーム棚橋(仮)」の結成も視野にある。

やはり「エース」が新日本プロレスいや日本プロレス界のど真ん中に君臨しなければ、面白くない。1・4東京ドーム大会、IWGPベルトを腰に巻いた棚橋が、最後に花道を凱旋する姿を見たい。

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加