【編集長インタビュー】川田利明が自らプロデュースする「Holy War vol.3」大会を解説

川田利明がプロデュースする大会の第三弾「Holy War vol.3」(10月1日、東京・新宿FACE)が、目前に迫った。「レジェンドと今の選手の化学反応」をコンセプトに、今回も注目の対戦カードが並んでいる。「様々なプロレスの醍醐味を楽しんでください」と川田プロデューサーは胸を張った。

――東京・新木場1st RINGで二回開催後、第三弾は新宿フェイスです。会場が大きくなりましたね

川田 大きくないよ(苦笑)。少しずつ、進みますよ。レジェンドと今、これからのビジュアル系の選手が絡み合ったら、どんな化学反応がおこるのか? 大会コンセプトは変わらない。僕自身も楽しみにしている。

――メインイベントの越中詩郎(フリー)、藤原喜明(藤原組)、大森隆男(全日本プロレス)組VS橋本大地(大日本プロレス)、杉浦透(FREEDOMS)、清宮海斗(NOAH)組の一戦(60分1本勝負)に「Holy War」のコンセプトが、よく表れていますね

川田 橋本大地選手の試合は、同じ会場にいたことはあるけど、まだ生観戦したことはない。楽しみですね。見た目もいい若手選手に、ベテラン組はジェラシーを感じて、いつも以上の力を発揮するはず。若手組をとことん追い込んでほしい。もちろん、若手組も黙って引き下がらないでしょう。激しいぶつかり合いになる。各選手から、これまでには、見られなかった新しい一面が飛び出してきたら、面白いでしょ。

――セミファイナルの長井満也(ドラディション)、井上雅央(フリー)組VS青柳優馬(全日本プロレス)、野村直矢(全日本プロレス)組は、かつてそれぞれのパートナーと、アジアタッグ王座を獲得した二人と、現在アジアタッグ王座を保持する若き王者コンビの激突です

川田 これも大会コンセプトそのものの一戦。現役王者コンビに、キャリアを誇る二人があの手この手で揺さぶりをかけていくと思う。今、ベルトも腰に巻いている王者二人は、負けるわけにいかないし、見所たっぷり。現役のチャンピオン、しかも若き王者の出場を認めてくれた、秋山準・全日本プロレス社長には感謝ですね。

――第三弾にして、新たな試みはありますか

川田 第二試合の葛西純(FREEDOMS)とくいしんぼう仮面(フリー)のシングルマッチ(20分1本勝負)は、かつてない組み合わせ。「レジェンドVS今の選手」ではないけれど、二人のファイトスタイルは水と油。デスマッチで日本だけでなく世界のマット界で大暴れしている葛西純選手と、独特のコミカルな動きで対戦相手をかく乱する、くいしんぼう仮面選手。この二人がぶつかったら、どんな展開になるのか? 僕も想像つかない。ということは、皆さんもイメージできないはず。興味津々だよね。

――通常のルールですか?

川田 そうだけど、葛西選手が何か持ってきたら、どうしょう? 「凶器の持ち込みはやめてくれ」と伝えてあるけど…。「流血戦もダメ」と言ってある。葛西選手のファイトに注目しているファンは、免疫があるだろうけど、くいしんぼう仮面選手のファンや、今のさわやかな試合が好きなファンは、ちょっと引いてしまうんじゃないかな。レフェリーを誰にするか。レフェリーの人選も大切になってくる。

――かつて女子プロレスに阿部四郎レフェリーがいました。悪党軍団にやたらと加担していましたが「葛西VSくいしんぼう仮面」を、こうしたレフェリーが裁いたら、とんでもない事態に陥りそうです

川田 う~ん、どうだろうか。それもプロレスの醍醐味のひとつかも知れない。

――ご自身のトークバトル(第4試合=30分1本勝負)の今回の相手は、田上明氏です

川田 丸藤正道選手、中嶋勝彦選手ときて、今回は同じ世代で頑張ってきた田上氏。これまでのコンセプトとは違うバトルになる。ノアの社長から引いてからは、表舞台にはあまり出てこなかった。社長時代は大変だったようで、その辺りの話も聞いてみたい。加えて、最近、田上氏はガンと闘っていることを公表した。克服しつつあるそうだけど、病気と立ち向かうスタンスも聞いてみたい。田上氏は早期発見できたことが良かったようで、病気と闘っている人たちに、少しでも参考になったり、今は大丈夫な人でも、何があるかわからないから、聞いてほしい。皆さんにとっても決して、他人事ではないと思う。

――ご自身はケガには苦しめられたが、病気とは無縁だった?

川田 実は僕もケガ以外にも、色々とあった。でも「レスラーが病気」とは思われたくなかったし「レスラーのイメージ」が崩れるので、公表しないまま来ている。いつか「時が来たら、お話しようかな」と考えている。まあ、田上氏も胃潰瘍の検査でガンが見つかったそうだが、お酒好きだからね。

――川田さんもかなり、いける口です

川田 まあね(苦笑)。一番すごかったのは、三沢(光晴)さんと一緒の時だった。三沢さんとはお互い「やいのやいの」と飲んでいた。天龍同盟の時は「飲まされていた」んです(苦笑)。トークバトルで30分というと、控室でレスラーたちが「30分も話しするの。試合したほうがいいんじゃないの」と、話題にしていたけど「30分は短い」んです。丸藤選手とも中嶋選手とも、あっという間だった。現役時代、俺は「しゃべれない」というキャラを演じてきたけど、本当は話し好き。だから今、爆発しているんです。トークバトルも俺自身が楽しみで仕方ない。俺のしゃべりはともかく、全試合が注目の対決ばかりです。

リングから離れていても引退はしていない。川田は「レスラー」の4文字に、プライドと自負を持っている。「Holy War」大会には川田の「プロレス哲学」が詰まっている。川田の思いを背負った各選手のファイトに加え、川田と田上氏のトークバトルにも刮目だ。

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