【編集長コラム】世代交代の波

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IWGP、3冠、GHC・・・日本マット界を代表する老舗の王座を、すべて20代の若き王者が保持している。

IWGPはオカダ・カズチカ28歳、3冠は宮原健斗27歳、GHCは中嶋勝彦28歳。

 

かつてはレスラーの脂が乗って来るのは30歳になってから「35歳から45歳」が円熟期と言われていた。

 

実際に30代になってから、団体を背負うエースにのし上がる選手が大半だった。40代になっても、まだまだ中心選手として踏ん張っていたものだ。

 

ここにきて、世代交代の波が一気に押し寄せて来ている。特に新日本プロレスでは、オカダが一気に頂点に駆け上ったことで、30代の選手の尻にも火がついてしまった。

 

40歳を超えた第三世代なども、まだまだ気持ちはあるものの、闘いの最前線から一歩引いている。

 

新日本プロレスの活性化に影響されたか、他の団体も若手選手が奮起し、タイトル戦線に登場する選手の平均年齢は、ぐんと下がっている。

 

中には、デビュー3年3か月で団体の看板タイトルを獲得したWRESTLEー1の稲葉大樹(28)もいる。

 

大日本プロレスのストロングBJ王者・神谷英慶は24歳。デビュー5年目に快挙を達成した。

 

DDTの竹下幸之助も、21歳でKO-D無差別級王座に君臨した。3か月天下に終わったが、期待以上の急成長を遂げている。

 

日本プロレス界を20代の若き王者が闊歩していることで、各会場に女性ファンが増えているのは紛れもない事実である。

 

かつて藤波辰巳(現・辰爾)や故ジャンボ鶴田さんなど、若くて格好良い選手が飛び出し、黄色い声援を集めた時代もあった。とはいえ、あくまで団体の看板タイトルは、大黒柱である円熟期のエースが腰に巻き、どっしりと構えていた。

 

若き王者が団体をけん引する姿は、まるで現代社会の縮図を見るようだ。時計の針が早く回っている。のんびりしていたら、いつの間にか置き去りだ。

 

ただし「プロレスはキャリアのスポーツ」という金言は不変。各団体のベテラン選手たちが、このまま黙っているとは思えない。

 

「アラフォー世代の逆襲」は必ずある。

 

「まだまだ若い者には負けない」というベテランの意地が炸裂するか、若い世代が勢いに乗って「俺達の時代」を勝ち取るか。

 

世代闘争の行く末が楽しみだ。

 

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