【“究極龍”ウルティモ・ドラゴン インタビュー】『Lucha Fiesta Tour 2018(ルチャ・フィエスタ)』 後楽園、千葉、名古屋、大阪…昨年の30周年記念から、今年は4大会のシリーズに拡大!

――今年の『Dragomania』のメインは、最初にウルティモ・ドラゴンとアドニスが組んでシウダダーノ&パタン組と対戦しました。あの試合の経緯は?

「要するに、ふたつの抗争をひとつにまとめたんですね。ボクとサム・アドニスの抗争、シウダダーノとパタンの抗争。ふたつの抗争をひとつの大会で終わらせなければならなかったので、敵対する者同士を組ませたんです。それをタッグマッチにして、負けた方のチームでシングルマッチをおこなう。そこで負けた選手が最終的にマスクを脱ぐなり、坊主にされる。ふたつの抗争に決着をつけるには、それが手っ取り早いかなと」

――メキシコでおこなわれる決着戦のひとつですね。

「そうです。それで今回、最後に勝ったのがシウダダーノだった。それで『Dragomania』の主役になったんですよ」

――それ以前にシウダダーノ選手は、15年から17年の『Dragomania』で、ドラゴンスクランブルに3年連続優勝しているんですよね。

「そうです。だからようやく熟したという感じですよ。闘龍門メヒコ一押しの選手と言っていいと思います。ですから満を持しての初来日ですね。彼も、ルードもテクニコもできるオールラウンドな選手です」

――シリーズの対戦カードを見てみると、11・3後楽園のメインでウルティモ選手は、シウダダーノと組みますが、もうひとりのパートナーがXです。相手がディラン・ジェイムス&エル・ディアマンテ&サム・アドニス組の6人タッグマッチ。Xは11・6大阪のメインにも参戦し、11・6大阪も同一カードが組まれています。このXというのは?

「いろんな人から誰かと聞かれるんですけど、Xはメキシコの選手ではないです。ディラン・ジェイムスとかサム・アドニスって体が大きいじゃないですか。ですから、その対策ですよね。ボクを守るためのパートナー。日本人ですよ。当日発表になります」

――なるほど。また、11・5名古屋は地元凱旋になりますが。

「そうですね。サム・アドニスとシングルで闘います」

――この試合はPWR世界ヘビー級選手権試合。ウルティモ選手が保持するベルトが懸けられますが、このタイトルについて教えてください。

「PWR(プロレスリングレボリューション)
は、カリフォルニア州サンノゼを拠点とするアメリカのインディー団体です。そこのベルトで、ラスベガスでの大会で取りました。今年の9月1日だったかな。相手は、イホ・デ・トランプというヤツです」

――イホ・デ・トランプ!? トランプの息子で、しかもスペイン語のイホ(息子)?

「ハイ。その通り、トランプはトランプ大統領のトランプだと思いますよ。そんなの大丈夫なのかなって思いましたけどね(笑)。その彼がチャンピオンだったんですよ」

――トランプからベルトを奪ったときの反応はどうだったんですか。

「いやあ、正直、ビミョーでした(笑)。ただ、イホ・デ・トランプって実はアメリカ人で、インディー系のルチャ団体に上がるときだけのキャラみたいです。ホントはすごいちゃんとした選手のようですよ。実際やってみたら、いい選手ではありました。ふだんはインパクトレスリング(旧TNA)に別名で上がってるみたいで、そこそこ有名な選手みたいです」

――こんどのサム・アドニス戦は、何度目の防衛戦になりますか。

「2度目の防衛戦になりますね。こないだメキシコで初防衛をしましたので」

――サム・アドニス戦は、またトランプつながりですね。

「そうですね(笑)。サムとはメキシコでも何回も闘ってますからね。まあ、相手は誰にしてもベルトを持ったからには広めたいという気持ちがありますから。小さい会場であろうと、そのベルトを露出してあげるのが向こうのプロモーターに対してしてあげられることなんで」

――PWRという団体を知らしめると。

「そうですね。その団体のベルトの価値を上げていきたいですよね」

――ツアー全体の見どころは?

「100%ルチャリブレの興行というわけではなく、あくまでも全日本プロレスさんとのコラボなので、全日本の明るく楽しく激しいプロレスというキャッチフレーズに少しルチャのテイストを加えると。そういう大会にしたいと思います。ですから、各大会で全日本プロレスさんが現在行っている激しい闘いも見られます。セミ前まではいつもの全日本です。そしてセミとメインが『Lucha Fiesta (ルチャ・フィエスタ)』。ですから全日本プロレスさんの素晴らしさも見てもらいたいし、そちらも同時に伝われば、ボクとしてもうれしいですからね」

――今年の『Lucha Fiesta(ルチャ・フィエスタ)』は、全日本の年末の風物詩『世界最強タッグ決定リーグ戦』を前にしてのシリーズになります。本来の全日本プロレスにプラスしてルチャ。2倍堪能できることにもなりますね。

「そうですね。自分のいままで培ってきた経験とか、こういうプロレスもあるんだよというのをファンの人に見てもらいたいし、同じ業界の人たちにもこういうスタイルもあるんだなというのを見てもらいたい。プロレスのそういうところも知ってもらえたら嬉しいですね」

(取材・文:新井宏)

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