CIMOのプロレス興行観戦記 【速報】2.16 マッスルマニア2019 in 両国

2019年2月16日(土)両国国技館にてマッスルマニア2019-俺たちのセカンドキャリア
が行われた。ここではこの興行の感想と様子を述べていきたい。
■感想
多幸感に溢れた素晴らしい興行であった。
ではどの様な展開で何を感じたのか。振り返りたい。
■各試合の展開と感想
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・開会宣言
画面にiPhoneのカウントダウン表示。
開会宣言はスーパー・ササダンゴ・マシンが毎週月曜日に出演しているTBSラジオ「アフター6ジャンクション」でメインパーソナリティーのRYMESTERの宇多丸である。
ロッキーのテーマに乗って登場した宇多丸
「ロッキーは売れない役者でセリフもうまく言えないスタローンがモハメドアリの一戦に影響を受けて作った負け犬達のワンスアゲイン映画」だと説明。
この映画を評論家は「これは人生、するか・しないかというその分かれ道で、「する」のほうを選んだ勇気ある人々の物語です。」といった。
マッスルもまたビヨンド・ザ・マット、マットの向こう側に人生を投影するからこそ人々の心を打つのだと。更には2010年に1度は終止符をうったはずのマッスルが2019年に復活するその様はロッキーザファイナルからクリードとして受け継がれた挑戦の様だと力説。
クリードは「俺の存在は過ちじゃないと証明したい」と戦った。
クリードはボクシングをRYMESTER宇多丸は日本語ラップをマッスル坂井はプロレスで証明をするしかなかった。このマッスルは「する」の方を選んだ勇気ある人々の物語と紹介し開幕。
素晴らしい名演説で興行は始まった。そしてこの前口上は実はメインイベントの伏線であったことが後でわかる。
・登場人物の紹介ムービーが流れる
・脚立をまたぐ最新トレーニングをするマッスルメイツの様子から本編のムービーが始まる。鶴見亜門が2020年に東京で開催されるプロレスリンピックのJPC会長に選ばれたとのこと。世界平和のための平和の祭典であることもありプロレスリンピックは40年に1度しか開かれないという。
第1試合目はその東京プロレスリンピックの予選会を兼ねたペドロ高石の引退試合と発表される。ペドロ高石はマッスル1から参加しているが今回年齢による衰えで引退するとのこと。
ムービーが開け、聖火ランナー然として鶴見亜門が登場。「2.16の本日は東京プロレスリンピックのキックオフイベントであり予選会も兼ねる」と改めて発表。
プロレスリンピックに選考すべき適性者を選ぶために1試合目は「引退試合気道」で空間認識能力=空気を読む力を高いものを選ぼうとのこと。つまりいかにペロド高石の引退をいい感じで演出できるかが見ものであった。
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・1試合目:ペドロ高石引退試合 6人タッグマッチ
ペドロ高石・趙雲子龍・グレート小鹿 vs 大石真翔・ヤスウラノ・大家健
バッコミ(B’zのBad Comunication)で盛り上がる入場。
神実況の2人(村田アナ実況と鈴木健.text解説)の適切な解説が心地よい。
躍動するペドロ高石の動きもカポエイラを基調にいい感じだ。
3人にボコボコにされた御年76歳のグレート子鹿に対して
鈴木「風前の灯」「生まれたての子鹿」
突然火がついた大家健に対しては
鈴木「発火点がわからないことが多い大家」
鈴木「やることなすこと裏目の大家、デフォルトですね。」
そんな中、グレート小鹿が空気を読むことなくあっさりチョークスラムで勝ってしまった。始まるペドロ高石の引退セレモニー。Mr.マジックより花束。上司へのビデオメッセージとして趙雲子龍が本名でお礼メッセージ。そして大仁田厚からの手紙を佐野直が代読。
10カウントゴングが進むもマッスル坂井がストップザミュージック。曰く「引退を軽々しく扱うな!」と。空気を読まない試合展開にも物申したところ、鶴見亜門は「それならもう1試合」とまさかの引退試合の再試合に。
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・2試合目:ペドロ高石引退試合 vs 青木真也
バカサバイバーにのって入ってきたのは青木真也。なんと道着も着ての本気モード。図らずも道着の日本vsカポエラのブラジル対決となる。足で語る男と呼ばれたペドロも2試合目ではヘロヘロ。最後はボロボロになりながらダウンカウントをとられるも9で立ち上がり応戦。最後はチョークからの3カウントで負けてしまう。
2度目の引退セレモニー。寝たまま趙雲から花束。近くでは「亡骸みたい」という客からの感想も漏れていた。五味裕司からのビデオレターは自身の舞台の宣伝色が強かった。最後に愛息子の伊織くんからの手紙。泣ける。
結局、プロレスリンピックの代表はこの引退試合では青木真也になった模様。しかしその他の候補選手は別の方法で決めるという。その方法として鶴見亜門が発表したのがなんと「格付けチェック」だった。
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・3試合目?:格付けチェック ROAD TO 東京プロレスリンピック2020
チーム対抗戦による勝ち抜き格付けチェック。参加チームは下記の通り。
・チーム南GAYキャンディーズ:男色ディーノと山里亮太
・チーム松竹芸能:スーパーササダンゴマシンとクロちゃん
・チーム全問正解:酒井一圭(純烈)とアントーニオ本多
・チームマッスル三面拳:ヤスウラノと大家健と大石真翔
「格付けしあうなんて聞いてない」と言いながら鋭いツッコミを連発する山ちゃん。水曜日のダウンタウンでもおなじみの目隠しヘッドホン姿ででてくるクロちゃん、爽やかな酒井にいきりたつ大家。
(格付け1)プロレス味覚
竹下幸之介厳選「(飲んだ瞬間に)ハイ筋肉喜んだ!」の高級プロテインと藤岡が2年間放置したイソフラボンやらなんやら口神酒状態にしたを混在させた謎の物質をそれぞれ赤ワインで割って、どちらが高級プロテインかを吟味。
山ちゃん「ほとんど泥水」
クロちゃん「どっちも美味しいんだけど…」
唯一正解を外したチーム三面拳がここで脱落。
(格付け2)プロレス音感
竹下幸之介のチョップ音と東京女子プロレス元アイドルの伊藤麻希のチョップ音を聴き比べて竹下の音を当てる。チームのどちらかがチョップを食らわなければならないのだが食らうのは山ちゃん、クロちゃん、一圭と非レスラーばかり。残りのチームメンバーがアイマスク着用で音をあてる。
山ちゃんもクロちゃんも一圭もチョップされた胸が赤く腫れ上がる。更には伊藤麻希がチョップ3発目入れる際に「いきまーす」と声をあげてしまう。これをミスリードを誘っていると深読みしすぎたチーム全問正解が脱落。
(格付け3)プロレス感性
なんと先ほどのペドロ高石の引退試合2試合はセレモニーも含めて演出家が違っていた。どちらかは生粋のプロレス好きでキングオブコントチャンピオンの東京03豊本さん、もう一方はマッスル演出家の藤岡。豊本演出がどちらかを当てる。
しかしこちらででたヒントが大ヒント。引退セレモニーで読まれた大仁田厚からのメッセージを繋げると「おしり」「なめ」「たげる」となり2017年に不倫疑惑が報じられた豊本さんの醜聞を連想させ、両チーム共正解を当ててしまう。
結果、どちらのチームを選考するか決めることはできず最終的にはプロレスで決定しようと休憩明けに両チームが激突をすることとなる。
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ここで携帯音が鳴り響き、椎名林檎からの電話を受け取った(という)鶴見亜門が「プロレスリンピックで歌う予定の某アイドルが活動休止となってしまうために開会式で代わりに歌うアーティストを探さなければならない」とのことに。ここで純烈が登場。
酒井一圭はHGとなってマッスルに出場した後に純烈を結成。「夢は紅白、親孝行」を合言葉に年間200を超える健康ランド等でのステージ巡り。ついには2018年末の紅白に出場。しかしそんな最中にメンバー友井にDV借金のスキャンダルが発覚。「行こうぜスキャンダルの向こう側」を合言葉に歌う。
驚いたことに両国国技館には純烈ファンのマダム達が集結しており「純烈」と入った光るスティックが国技館のあちこちで舞い始める。その数10や20
ではなく数百個。恐るべし純烈ファン!
歌い終わると鶴見亜門が人数が減ってしまった純烈に対して「奇数にあらずばアイドルに非ず」とセンターのバランスが悪いなら5人目のメンバーを決めるバトルロイヤルを開催することに。
・第4試合:純烈新メンバー決定。時間差入場バトルロイヤル
登場メンバーは下記の通り
・大石真翔(純烈の恋は青いバラの振りが完璧)
・上野勇希(23歳の若さと筋肉が好印象)
・彰人(イケメン、色黒)
・ゴージャス松野(昭和歌謡を歌いながら登場。存在自体が昭和歌謡)
・樋口和貞(元力士、怪力無双)
・酒井一圭HG(勝てばメンバー加入はなし。腹ですぎのデベソリーダー)
・大家健(3度目のバッコミは盛り上がった)
・坂口征夫(ワイルドな雰囲気が好印象もスーパー銭湯にタトゥーはご法度)
・赤井沙希(女性の登場ということもあり酒井リーダーが赤井を守る展開も)
・竹下幸之介(純烈に入ることを理解しているのか謎なまま樋口と対決)
・アントーニオ本多(早速のごんぎつねでメリーポピンズ編を披露。)
・アンドレザジャイアントパンダ(3m巨体と世界一雑な入場でインパクト)
・渡辺哲(アントン父がアントン同様にごんぎつねのちゃんこ鍋編を披露。)
わちゃわちゃ豪華なランブルが時間差で展開していくが最終的に残ったのはアンドレザジャイアントパンダ。純烈の4人でアタックしてもその巨大な賀状は崩せずにリーダーから3カウント。まさかの新メンバーはアンドレザジャイアントパンダとなり、4人のメンバー+1匹で1曲披露。パンダも振りを覚えているのが驚愕だった。
前半終了時には
「純烈ファンの皆様、後半にも純烈は時々でるので帰らないように」とアナウンスがあり穏やかな雰囲気に。
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休憩明け、マッスルの歴代の歴史振り返り映像でスタート。
・第5試合:南GAYキャンディーズvs松竹芸能 のタッグマッチ
ディーノ「クズ神様、クズ里良太が本物のクズを教えてやるわ」
マッスル坂井「マスクは百害あって一利なし」
クロちゃん「天の声は僕の方が合ってる。仕事とってやる!」と意気込む。
ここで鶴見亜門が大会前に高木大社長との会話模様を映像で振り返る。
鶴見「なぜ今回マッスルをやろうと思ったんです?」
高木「マッスルは後パブになりやすい。マッスルの後パブがDDTの前パブなれば広告としての経済効果は計りしれない。」とのことでネットニュースで話題になる演出家を探しに鶴見はTBS会議室に。
そこにいたのはプロレス好きの演出家で知られる藤井健太郎氏。なんと大会3日前にプロデュース依頼をするもこれを快諾。ネットニュースになりそうな試合を演出するための3つのポイントを伝授。
  1. 大会終了後では遅い。試合前に記事作って配っちゃおう。
  2. 試合前に記事をアップしちゃおう。
  3. クロちゃんの部屋と中継をつないで部屋を爆発しちゃおう。
と強烈な案を提示。
結果、この試合は藤井氏が用意した記事を事前にネットにアップしてその内容を嘘でなようにリング上で再現するという謎展開に。まずは山ちゃんとクロちゃんの2人の肛門爆破をかけてこの試合は戦うこととなる。
山ちゃんはお腹にバッテンのテーピングで試合。1月に虫垂炎の手術をしたばかりでプロレスでのそのテーピングは格好の標的とされてしまう。クロちゃんは無我ばりのヘッドシザースを披露。
1つ目の指示は「南キャン山ちゃん猪木以来の舌だし失神KO」
辻褄を合わせるためにアックスボンバーを食らって失神するものの舌が出ていない山ちゃん。慌ててディーノが山ちゃんのパンツを脱がすことで「下がでる」形となりプロデューサーからはOKが。
2つ目の指示は「クロちゃんがアイドルと乱闘で警察も出動の大パニック」
アイドルとして元LinQに所属していた伊藤麻希をディーノが連れ出す。この伊藤にクロちゃんがローリングクレイドル。そこに元警察官の青木真也が警察官姿で登場。大パニック状態でクロちゃんに関節をかける。
3つ目の指示は「山ちゃんがアイドルとキス」それまで滅茶苦茶な指示を出してきたプロデューサーに反旗を翻した山ちゃんんがまさかの手のひら返し。ノリノリでキスをしようと目を瞑るとそこに出てきたアイドルは、スーパー銭湯アイドルの純烈・酒井一圭。お代わり含め2度のキスを実施。
4つ目の指示は「クロちゃん外出中の自宅でレスラー大暴れ」
なんとクロちゃんが器用にプロレス技をかけるとそれにリンクしたクロちゃん宅にいるHARASHIMAとMAOが汚いクロちゃんの部屋で同じ技をかけるという展開。最後は男色ドライバーをかけると同時にHARASHIMAがクロちゃん宅のTVにMAOをパイルドライバー。これで松竹チームが3カウント負け。
クロちゃんの肛門が爆破されることとなる。そこに山ちゃんが漢気をみせて「代われるものなら代わってあげたい」と発言。発言したと同時にそれが記事となりアップされてディーノが泣きながらためらいもなく親友の山ちゃんの肛門を爆破した。
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残ったマッスル坂井が最後のパワポプレゼン。
なぜ兼業レスラーにとって大変なこの時期にマッスルをやるにいたったか。それはマッスルでしかできない両国メインの試合をやるためだと。他団体ではできない両国メインを分析すると
「他団体では狙わない、普通の知名度で割と負ける選手同士の試合」をやると。それこそが宇宙初の試みだと。
槍玉にあげられたレスラーは
「魅力を一言で伝えづらい:アントーニオ本多」と
「千葉の青い悪魔:DJニラ」である。
メインイベント:アントーニオ本多 vs DJニラ
アントンは父親である渡辺哲をセコンドとして引き連れ、DJニラはなぜかロッキー川村をセコンドとしてリングインした。
試合はバイオニックエルボーを狙うアントンとロケットパンチを狙うDJニラの攻防となる。しかしそこは弱さには定評のある二人。ケブラータは失敗し関節技をかけてるDJニラがロープエスケープしてしまい、トップロープに乗るも危なくておりてしまう。アントンがシャイニングごんぎつねを決めてあわや勝利かというところでマッスル名物のスローモーション発動。
エトピリカが流れる中
「俺の名前はDJニラ。プロレスラー。俺の親父はアポロ・ニラ。30年前にロシア人ボクサー渡辺哲にやられた。この試合でその晢の息子のアントンにす勝利し自分の存在が過ちでないことを認めさせる」とクリードの伏線をここで回収。
ドラゴンスクリューから武藤ムーブのシャイニングごんぎつねを切り返してアントンの目に突き刺してロッキーばりのアッパーカットが炸裂。崩れ落ちるアントン。そしてアントンパートの独白。
「俺の名前はアントーニオ本多。父親の渡辺哲はロッキー川村にやられた。母に逃げられ、ボロボロになりながら俺を育ててくれた哲のためにも俺はアポロの息子のDJニラに負けるわけにはいかない」
スローモーションが解けて二人の想いが交錯する中、これまでの展開が嘘のような熱戦、殴り合いが展開される。しかし限界を迎え倒れる両者。
ロッキーのファイナルベルが鳴り響く中、渡辺哲とロッキー川村は同時タイミングでタオルを投げ入れる。まさかの両者KOによる引き分け。握手し抱き合うロッキーと哲。
アントンはDJニラを褒めた後に父を紹介する。
「渡辺哲。本多宗一郎の父です。そしてもう一人の父親がいます。アントーニオ本多の父、マッスル坂井です。ムサビの中庭であった14年後に両国でふざけたことができている…最高だ!」と涙が溢れるアントン。
それを受けて坂井が締めの挨拶
「8年ぶりにマッスルをやった。新潟に帰って8年たって初めてやりたかったマッスルをやれた。対戦カードの発表もないイベントにきてくれた皆さん、どうかしてます!」と仲間と観客に感謝の念を伝える。
本日出演の選手たちが一堂に帰する中、本日純烈の新メンバーとなったアンドレザジャイアントパンダにアイスリボン藤本つかさとの略奪不倫スキャンダルが発覚し、「これ以上のスキャンダルはごめん」とその日のうちにメンバーを辞めることに。
最後は再々スタートとなった4人の純烈による純烈スタイルでのお客様と握手をしながら周り歌うスタイルでエンディング。
会場の終了時間が押す中、「アンコール」が発生。
それに対してマッスル坂井は「今のアンコールはもう一度マッスルやっていいい?ということで受け止めていい?」と上機嫌。
全員でマッスルマッスルしてとてつもない多幸感に包まれながら終了となった。
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