【旗揚げ記念興行】ライガーと平成と私

平成元年にプロレスラーとしてデビューした
獣神サンダー・ライガーは私のプロレス史そのものだ。

 

私がプロレスを深夜TVで見始めた時はジュニア黄金期で
ライガー全盛期であった。見る試合見る試合、連戦連勝を
続けるライガー。

 

TVの中で躍動する獣神は華麗にフランケンシュタイナーを決め
アッパー掌底で相手を一回転させ、滞空時間の長い
垂直落下式ブレーンバスターで3カウントをもぎとってきた。
そんな最強のマスクマンに私は夢中になった。

 

先日残念ながら逮捕されてしまった金本浩二や大谷晋二郎、
高岩竜一とライガー、エル・サムライ、ケンドー・カシンの
6人タッグに胸を踊らされ、毎週「週プロ」を読みふけった。

 

グレート・サスケやウルティモ・ドラゴンらとのJr8冠統一戦の歴史、
橋本真也とのバトルライガーになっての試合やグレート・ムタとの
鬼神ライガーとなっての試合はビデオテープが擦り切れるほど見た。

 

いつからか好きになったライガーへの憧れは私自身も2代目ライガーに
なりたいとの夢となり、私は「獣神サンダーライガーの肉体改造塾」
という彼の著書を読み、筋トレに励みレスラーを目指したのだ。

 

獣神サンダーライガーの肉体改造塾

その後、ライガーが勝てなくなりヒールに転向したりしていく中で
私はプロレスからしばらく離れてしまうのだが、インターネットで
新日本プロレスの試合が観れる時代となり久々にライガーの
試合を見て私の中でのライガー空白期間を埋めることができ
今ではまた新日本プロレスを以前にもまして見る様になった。

 

吉野家でライガーが60分1本店長のイベントをやるとの情報を聞きつけ
両国の吉野家にかけつけライガーによそってもらった牛丼の味と
その時にライガーに貰ったサインは家宝として大事に持っている。

 

そんなライガーが本日3.6に新日本プロレス旗揚げ記念興行で
石森太二の持つIWGPジュニアヘビー級のベルトに挑戦した。
ライガー自身は「ベルトを巻く最後のチャンス」と話した。これは
2014年の「ライガー最終章」発言と同様の引退を意識した発言だ。

 

平成元年にデビューしたライガーが平成最後の年に最後の挑戦を行う。
煽りVTRではライガーが憧れた藤波辰爾の様にマジソンスクエア
ガーデンでのタイトルマッチを行いたいというもう一つの彼の夢が
語られ、いやがおうにも期待は高まる。

 

「ライガーよ(私がプロレスに夢中になったきっかけの)あの頃の様に
 強いライガーとしてベルトを巻いてくれ!アッパー掌底で一回転させ
 ライガーボムで叩きつけフランケンシュタイナーを決めてくれ。
 浴びせ蹴りもロメロスペシャルも決めて最終章を飾るんだ!」との
 強い祈りにも似た願いを持ちながら観戦した。

 

試合は163cmと身長は低いながらもバッキバキに割れた腹筋や上半身の
筋肉が雄弁に物語るパワーと軽やかな最新技の石森太二とライガーの
これまでの歴史を物語る上記の技達の応酬となった。

 

私の思い描く全盛期のライガーはどんなピンチもアッパー掌底で
逆転してきた。桑田真澄がボールに思いをつぶやいてボールを放った
様に、骨法で鍛えた掌底に思いを込めて逆転するその様は、
今でいえばオカダカズチカのドロップキックや棚橋弘至の
スリングブレイドの様に一発逆転の反撃の狼煙である。

 

しかし今日の試合ではそのアッパー掌底は何度も決まらなかった。
一回転させた一撃は見事だったのだが。逆転のアッパー掌底は空振りに
終わってしまった…

 

雪崩式のフランケンシュタイナーやロメロスペシャルからの
変形カベルナリアなど往年の技を随所に見られたが、やはり
最後の部分でのスタミナや勝負所で逆転する技を決められず
得意のライガーボムも残念ながらスリーカウントは奪えず。

 

最終的には現チャンピオンのボーンソルジャー石森太二の
関節技Yes Lockに無念のタップアウトをしたライガー。
花道を帰る際には「ゴメンね」とファンに謝る様な仕草を
しながら去る獣神の姿は淋しかった。

 

私の様にプロレスの初めから今に到るまでNo.1の選手が
ライガーであるファンにとって、ライガーのIWGPジュニア
復権は悲願である。最後にIWGPジュニアを巻いたのが
2000年7月に高岩竜一に負けるまでなので、既に20年近く
ジュニアの頂点からは遠のいてしまっている。

 

「ライガー最終章」を宣言してからはいずれくるであろう
ライガー引退の日を意識せずにはいられず、今日の様な試合を
見ていると涙腺が緩んでしまう。

 

昔と比べて技のキレが薄れてきていると感じる部分では
切なさが溢れる。しかし関節技をかけられてもロープエスケープし
強烈な技をかけられてもキックアウトする「負けまいと」戦う
ライガーの姿勢には大いなる勇気を貰う。

 

残念ながら私とライガーの悲願は達成されずに平成は
終わろうとしている。それでもライガーが戦い続ける限り
私は「怒りの獣神」に合わせて力一杯のライガーコールを
送り続ける。廃墟の中から立ち上がれライガー!

 

−数々のプロレス動画配信サービスの立ち上げに関わった
 ネットプロレス視聴人。マスクマンとお笑い・落語が好物−

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連記事