【今日子のプロレス今日この頃】㉞「抱きしめてあげたい」⑪「谷津嘉章」

こんにちわ!今日子です(^^)

「お礼参り」という言葉があります。元々は「物事が成就した後に、お礼の意味で願掛けした神社仏閣にお参りする事」ですが、最近では「不利益をもたらした相手へ、関係が解消した後に報復する事」という、良くない意味での使われ方が多いように思います。

私は、良い事をされたら必ずそれ以上、返します。悪い事をされても返します。貸し借りなしで行きたいと常日頃から思っています。


※ジグザグジギー宮澤聡氏所蔵のプロレスカード

今日は、谷津嘉章さんです。

「糖尿病で足を切断」という衝撃のニュースが飛び込んで来た時は、本当に驚きました。

谷津さんとはかなり以前からの知り合いで、当時は「よっちー」と呼んでいました。

いつも温和で優しく、困ったような八の字まゆ毛の笑顔、ソフトな口調、私服がダンディーでおしゃれだった事や、私の身長に合わせてかかんで話をしてくれた事、何か大変な事があっても「なっちゃったもんは、しょうがないよね。まあ人生いろいろあるよ」といった言葉などを思い出して涙が出ました。

しばらくお付き合いが途切れて連絡先がわからなくなってしまった時、某プロモーターのお嬢さんに連絡をくれるように伝言をお願いしました。

もう私の事、忘れちゃったかな。「電話来ないかも・・・」と思っていたのですが、すぐ電話がかかって来ました。

「もしもし、お忙しいところ失礼いたします。わたくし、プロレスラーの谷津嘉章と申します」と、礼儀正しく丁寧な話しぶりは全然変わっていませんでした。

政治的な理由で日本がボイコットしたモスクワオリンピック。出ていれば金メダル間違いなしと言われた谷津さん。

ファンの子みんなを連れて行ってくれたお店で、BGMに「めざせモスクワ」がかかった時「モスクワに行きたかったんだよねぇ」と、しみじみとおっしゃった時には胸が痛くなりました。

東欧系の女性にモテモテだった谷津さん。六本木の交差点で、お人形さんのような女性を4人も5人も抱えていました。「あ! 俺、今日はこんなだからさ、また電話してね」とすれ違いざまに言ったのですが「何この子?」みたいなジェラシーを持った目で女性たちに見られました。それで「ああ、本当にこの人はモテるんだな」と痛感した事もありました。

そんなこんなの思い出を話したら「いや〜そうだったかな。もう忘れちゃったよぉ〜」と笑っていましたが、照れ隠しだったと思います。

ファンにも優しかったので、外国車メーカーの広報で「ロシアにもよく出張に行く」という友人は「何度もモスクワに来てしまって、谷津さんに申し訳ない」と言います。

もちろん趣旨の違う訪露なのですが、でもそれだけ谷津さんは優しかったという事の現れだと思います。

後輩にも同様で、無我の頃、SPWFの道場を西村修さんが借り上げ、新人だった征矢学さんが住んでいましたが「谷津さんがたまに指導に来てくれて、いろいろ親切丁寧に教えてくれた」そうですし、最近、参戦していたDDTのHARASHIMAさんも「レジェンドなのに偉そうにしないし、気さくに話をしてくれて嬉しかった」と言っておられました。

初対面の若いレスラーに「あぁ? お前、レスラーか? あ〜どこの団体なんだよ?」などと言って「今の若いヤツは・・・」などといきなり説教し出すベテランもいますから、それに比べたら大違いですね。

「足一本でも復帰して、長州を倒す!」との強気発言を聞いて、救われたような気がします。

故ケリー・フォン・エリックさんも義足になりましたが、復帰してチャンピオンになりましたからね。

長州さんがどうせ復帰するという前提で、谷津さんも話しているところが何とも、ですが。

2人の間にはいろいろな恩讐があると思います。実際、見聞きした事もあります。でもそれは私が言う事でないので触れませんが、長州さんを知り尽くしている谷津さんだからこそ「足一本でも復帰して長州を倒す!」なのだと思います。

シクシク泣くと下を向いてしまうけど「あいつには絶対負けない」という気持ちがあれば、上を(前を)向きます。下を向いてそんな事を思う人はいませんからね。
だから、谷津さんの「負けてたまるか」という気持ちは、必ずや回復する原動力になると思います。泣いても足は生えて来ませんからね。

来年の東京オリンピックで「聖火ランナーをやりたい」という谷津さん。

幻のモスクワ五輪に出場していたであろう選手たちで聖火ランナーをやりたい、と。

それまでには義足をつけ、リハビリをして走れるようになりたい、という大きな目標があるそうです。素晴らしいですね。

オリンピックと長州さん。谷津さんの人生に関わる大きな2つの事柄だったのでしょう。

ケジメをつけたいという気持ちは、もしかしたら、谷津さんの「お礼参り」なのかも知れません。

普通なら、悲しくて辛くて投げやりになってしまうような過酷な状況ですが、心の強い人です。「すごいヤツ」です。頑張ってほしいと切に願います。

このコラムの最近のサブタイトルは「ないしょの話」ばかりでしたが、今回は「抱きしめてあげたい」です。

頑張る谷津さんを抱きしめてあげたいです。

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