【編集長コラム】「清宮海斗がMVPレースに名乗り」
令和初の夏も本格的な暑さが訪れ、プロレス界もますます熱くなってきた。気は早いが、令和初のMVPレースに注目が集まっている。
いち早く、名乗りを上げたのが全日本プロレスの宮原健斗。昨年10月、第62代3冠王者となってから、すでに5回防衛。王道マットのエースの座に君臨している。
4月にはチャンピオンカーニバル(CC)も制し「3冠王者にしてCC覇者」の偉業も成し遂げた。全日本プロレスの歴代のエースたちと肩を並べ「今年のMVPは俺のもの」という言葉にも、ずっしりと重みが備わってきた。
MVPレースを走る宮原に「待った」をかけたにが、ノアの若きエース・清宮海斗。23歳の誕生日(7月17日)の翌18日、自身のTwitterで「今年の目標。プロレス大賞MVP狙います」と書き込んだのだ。
清宮も昨年12月に奪取したGHCヘビー級王座を守り続けている。V4に成功し「ノアの顔」として、ファンの支持は日に日に高まっている。
もちろん、日本プロレス界を席巻し、今や世界プロレス界に侵攻する新日本プロレス勢も黙っていない。中でもレインメーカーことオカダカズチカが虎視眈々だ。
4月に世界のひのき舞台、ニューヨークのMSGで、ⅠWGP王者に返り咲いたオカダ。現在、日本列島を熱狂させているG1クライマックスでも順調に白星を重ねている。
武藤敬司、佐々木健介に続いて、3人目の「ⅠWGP王者にしてG1覇者」となれば、大きなインパクトとなる。
無論、他の団体の選手たちも黙ってはいまい。
実はプロレス大賞MVPは2011年から、新日本プロレス勢が独占している。棚橋弘至が3回、オカダが3回、内藤哲也が2回の選出。新日本プロレスが日本マット界をリードしている現状をストレートに物語る結果となっている。
他の団体、特に全日本プロレスやノアにしてみれば、切歯扼腕。何とか打破したいところだろう。全日本プロレス勢のMVPは武藤敬司(2008年)、ノア勢は杉浦貴(2010年)以降、誕生していないのだ。
MVP獲得は選手だけでなく、団体にも勢いをつけることになる。2010年代は正直、新日本プロレスの一人勝ちだった。
新時代・令和の到来とともに全日本プロレス、ノアなど他団体の巻き返しが本格化するのか。「令和初のMVP男」の行方が大きなカギを握るのは間違いない。だからこそ、今後のMVPレースが過熱するのは必至だ。