【編集長コラム】「燃える闘魂は永遠」

「燃える闘魂」は不滅。8月末、愛妻・田鶴子さんを亡くしたアントニオ猪木氏が、悲しみを封印して元気な姿を披露している。

「彼女が持ってきてくれた仕事はちゃんとしないと」と、天国から見守っている田鶴子さんのためにも、スケジュールをきちんとこなす日々。9月になって家族葬も終えたが、自身を公私に渡って支え続けてくれた田鶴子さんとの別れのショックが簡単に癒えることはない。

それでも「元気で笑顔の私を愛してくれた彼女のためにも、元気で笑顔のアントニオ猪木であり続けたい」と、明るくふるまっている。

先日も愛弟子の一人、宮戸優光氏が始めた「CACCスネークピットジャパン“ちゃんこ”の台所」(東京都杉並区高円寺北2-15-1)を訪れ「おいしいな」と舌鼓を打った。

レスラーといえば、新弟子時代にちゃんこ番を務めるのが常だが「私は力道山の内弟子で、自宅に住み込んでいたから、実はちゃんこ番はほとんどしてない」と告白。ちゃんこといえば、新日本プロレス道場で、選手や船でコックをしていた料理人が作るちゃんこを、もっぱら楽しんでいたという。

レスラー時代は日本各地で試合を行い、世界中に遠征し、国会議員としてもさまざまな国を訪問している猪木氏。食通としても知られているが「その土地の旬のものが一番だな」という結論に達したという。

田鶴子さんの家族葬の際に、記者が某タブロイド紙に寄稿した「田鶴子さんへの追悼文=猪木を守り抜いた“ズッコさん”」の切り抜きを、思い出の品々と一緒にお棺に入れてくださったという。

「ありがとう。彼女も喜んでいると思う」と言う猪木氏の目にはうっすら涙が浮かんでいた。こちらも「私が撮ってあげるから。私がレンズを向けると、一番いい顔してくれるのよ」と、記者のスマホを手にした田鶴子さんの明るい笑顔を思い出し、涙腺が緩んでしまった。


※田鶴子さん撮影の写真

新たなテーマにも取り組んでいる。プラズマ熱を利用した廃棄物処理法の開発が着々と進行しており「ワクワクしている」と前向きそのもの。哀しみを乗り越えんと踏ん張る猪木氏。「燃える闘魂」は永遠に燃え盛っている。

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