【プレゼント企画】秋の夜長にオススメのプロレス本3書!掃除屋・さよならムーンサルトプレス・毒虎シュート夜話の読み所紹介!締切11/6まで

秋の夜長にプロレス本を片手に読書。キャンプのハンモックの中で、通勤・通学電車に揺られながら、寝る前のひと時に、試合観戦前や休憩時間に、カバンに一冊プロレス本を入れてゆったりと活字でプロレスを楽しむのも一興。そんな時におススメの今年敢行された3冊のプロレス本を紹介する。

※最後にはプレゼントの案内もあります!

1.掃除屋 ~プロレス始末伝~ 黒木あるじ著

週刊プロレスの「闘書~読書好きプロレスラーおススメの一冊を大紹介」コーナーで全日本プロレス大森隆男選手がおススメしている本書。帯では長州力も推薦している。

ストーリー:ベテランレスラーのピューマ藤戸は、依頼されたレスラーを試合を成立させながら、怪我をさせ始末していく掃除屋(クリーナー)。依頼方法はシティハンターを想起させるような暗号で、造花を渡すこと。依頼主はレスラーや団体社長、関係者に恩人に至るまで多種多様だ。そしてブラックジャックよろしくの高額な報酬を受け取る理由は、旧友の療養の為であった…多種多様な依頼を切り抜けながら、藤戸の秘密を暴こうと追いかけてくる記者・海江田。運命の糸は複雑に絡み合いながら、かつて藤戸が所属したネオジパングの新人だったプロレスハンター・骸崎(がいさき)との運命の決戦に臨む…

ロートルとも表現されるピューマ藤戸は49歳。同世代には全日本プロレスの秋山準、大森隆男、みちのくプロレスのザ・グレート・サスケ、ディック東郷、新日本プロレスの外道、フリーの船木誠勝、桜庭和志らの現役選手でもレジェンド・プロレスリングマスターが多い。現役外でも曙太郎、女子だと井上京子も同世代にあたる。

一強時代を走るネオジパングやアナウンサーの新舘四郎等、プロレスファンならニヤリとしてしまうモデルが想起される点や、年齢による環境の変化、地方でのプロレス、リング裏のレスラーの姿、総合格闘技団体やマスコミとのやり取り等々、プロレスに関する内容が1本のストーリーの中で色鮮やかに描かれている一冊だ。読み始めると一気に最後まで止まらずに読めて、試合の映像がありありと浮かぶ作品となっている。

ベテランと呼ばれるポジションにある人、病気やケガと戦う人、プロレスに勇気をもらう人・与える人・関わる人、プロレスを知る人も良く知らない人もリングの表裏を思い浮かべながら楽しめる一書だ。

2.さよならムーンサルトプレス ~武藤敬司 35年の全記録~ 福留崇広著

「昭和のプロレスヒーロー」と言えば、力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木、タイガーマスク…と数多くの選手をあげられる。では「平成のプロレスヒーロー」と言ったら誰になるだろう?これは圧倒的に武藤敬司を上げざるを得ない。

武藤敬司…1990年代から2000年代にかけてプロレス界を牽引した闘魂三銃士の1人で「日本マット界の至宝」と言われる。プロレスに必要なパワー、スピード、テクニック、センスを極めて高い次元で併せ持った選手として、その素質故に「天才(GENIUS)」「平成のミスタープロレス」「レジェンド」「天才を超えた魔術師」などの賞賛をほしいままにして来た。アメリカでの実績から現在活躍している外国人レスラーの中にもファンは多く、彼らからは敬意を込めて「マスター」などとも呼ばれている。このことから近年は「プロレスリング・マスター」という愛称が定着しつつある。(Wikipedia)

この武藤敬司の新日本プロレスでのデビュー前から、海外修業時代とブレイク、UWFとの抗争やムタの誕生、SWS移籍の噂や、nWo JAPANの誕生、そして全日本プロレスの社長就任の苦悩と決別に至るまでが、スポーツ報知記者の福留崇広氏が武藤敬司本人への粘り強いインタビューの中からリアルな声を拾い上げ紡ぎあげた一書である。

本書を読むと武藤敬司という選手がいかに才能に溢れ(若手時代にはあの藤原組長と対等に渡り合った)その華やかさに世界中が魅了され(ムタと戦ったアントニオ猪木ですらもジェラシーを感じて激怒していたと馳浩は分析)新日本に圧倒的な金の雨を降らし(nWo Tシャツは7億円の売上をあげた)その新日本を退団したことが新日本低迷の一因となり(武藤・ムタは退団前、団体のグッズ収益の大半を担っていた)しかし武藤が全日本に移籍したことで全日本プロレスの灯が消えなかったという事実を思い知らされる。

<武藤敬司の歴史と平成>——————————————————————————-
・1984年新日本プロレスに入門(後の闘魂三銃士、蝶野正洋、橋本真也と同日入門)
・1988年2度目の海外遠征。グレート・ムタが誕生し全米を席巻
・1991年(平成3年) G1CLIMAX91決勝で闘魂三銃士の蝶野正洋と決勝を戦う(結果は蝶野の優勝)
・1995年(平成7年) 10.9 Uインターとの対抗戦vs高田延彦戦にて足4の字固めで勝利
・1997年(平成9年) 蝶野正洋率いるnWo JAPANに加入。小原道由の背中に犬と書く犬事件等大暴れ
・2001年(平成13年) スキンヘッドで史上初の六冠王(三冠ヘビー、IWGPタッグ、世界タッグ)となる
・2002年(平成14年) 全日本プロレス移籍、社長就任
・2008年(平成20年) 1999年以来のIWGPヘビー王者に。ムタも三冠獲得で7年ぶりにプロレス大賞受賞
・2013年(平成25年) 全日本プロレスを退団。WRESTLE-1を立ち上げる
・2018年(平成30年) 人工関節設置手術の為にムーンサルトプレスを封印。ラストムーンサルト披露
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平成のプロレスを語る上で常にその話題のど真ん中にいたのが武藤敬司であり、不世出のレスラーが武藤敬司なのである。棚橋弘至、SANADA、才木玲佳etc.武藤の影響を受けた弟子達が今のプロレス界を支えていることからもその存在感の大きさをうかがい知ることができよう。

そんな武藤敬司の必殺技といえば、ブラッシングエルボー、ドラゴンスクリューからの足4の字固め、シャイニングウィザード等「武藤ムーブ」とも称される有名な技が数多くあるがデビュー時から近年に至るまでその武藤敬司の天才性を象徴させるフィニッシュホールドこそがムーンサルトプレスであった。しかしその象徴的な必殺技の酷使により武藤敬司は日常生活でまともに歩けなくなるほど、膝を悪くしてしまい2018年に最後のムーンサルトプレスを放ちリング上での月面水爆を封印した。その膝の人工関節設置手術の様子さえも克明に描いている。

「武藤の前に武藤なし、武藤の後に武藤なし」そんな感想を強く感じるプロレスの歴史を知る上で外すことのできない数々の事実を学ぶことができるのが本書であるといえよう。だからこそ序盤の輝かしい武藤のスター性と終盤の全日本時代の苦悶する武藤の姿の痛々しさまでも生々しく感じることとなる。

プロレスファン同士で読後感を語り合いたい一書でもある。またプロレスを観始めたばかりの初心者ファンにもお勧めしたい歴史の一冊である。この武藤敬司がまだ現役でプロレスをしていて(現在は引き算のプロレスだが)生で武藤の姿を見ることのできる喜びを是非感じて欲しい。

3.毒虎シュート夜話 ~昭和プロレス暗黒対談~ ザ・グレート・カブキ×タイガー戸口

ザ・グレート・カブキとタイガー戸口、共に1948年生まれの71歳。2人とも日本プロレスに入門し、アメリカでヒールとして大暴れ、全日本プロレスに移籍し存在感を遺憾なく発揮。カブキは更にSWS→WAR→新日本プロレスに参戦。戸口も1981年に新日本に移籍するなど、2人とも馬場・猪木を知る歴史の生き字引的な人物である。

――大小さまざまな都市のリングを舞台に、観客をヒート(熱狂)させることだけに命をかけてきた二人。ともに生活拠点をアメリカに移し、バッグに詰め込んだシューズとトランクスコスチュームだけでビッグマネーを稼ぎ出した。そのビッグマネーを離婚で全て失ったのも一緒だ。(はじめにの一説)

そんな2人がカブキのお店で夜な夜な10数年ぶりに語り合った。内容は「今のレスラー達への不満」「力道山の遺産」「全日本の闇」「アメリカン・ドリーム」「隈取と毒霧の誕生」「レスラー達の下半身」「明かされるSWSの真実」「馬場・猪木は強いのか」…等々、マット界の裏側を語る刺激的な話ばかりだ。

リングの上のきらびやかな世界も楽しいが、その裏側でどんな工夫がされているのか?レスラー達がどの様に観客の感情をヒート(熱狂)させ、試合を盛り上げているかを中心にプロレスの酸いも甘いも吸い尽くしてきたレジェンド2人の会話を垣間見ることができる本書である。

上記の内容に少しでも興味を持つ人、プロレスが好きな人、業界の裏話や下世話な話が好きな人、プロレス好きに秘密の話がしてみたい人、そんな人には絶好の一書となるであろう。

あのグレート・ムタの父親とも言われる毒霧を開発したザ・グレート・カブキ(本書では毒霧の成分まで解説している)キムドクとして全米マットをヒールとして震撼させた193cmの野生の虎、タイガー戸口(彼は70歳でWEWヘビーのベルトを戴冠、今年の9月までリングに上がっている)2人の話は尽きることがない。

――ザ・グレート・カブキ
「プロレスラーはバカじゃできない、利口じゃできない、中途半端じゃ、なおできないんだよ」

――タイガー戸口
「ベビーフェイスは立っていればいい。試合は全てヒールが作っているんだから、ヒールができなきゃアメリカでは稼げない」

秋の夜長にかつてのリングの情景と今につながるプロレスの歴史に思いを馳せてみてはいかが?

 

今回、こちらの「毒虎シュート夜話 ~昭和プロレス暗黒対談~」をプロレスTODAYの読者に抽選で3名様にプレゼントさせていただきます。応募はこちらから。

※応募期日11月6日(水)まで

※当選は商品の発送をもって変えさせて頂きます。

武藤敬司「オレには引き算のプロレスしかない。それでも努力と工夫で魅せていく」<『さよならムーンサルトプレス』刊行記念 武藤敬司選手復帰前決起集会>

【イベント情報】ザ・グレート・カブキ、タイガー戸口の共著『毒虎シュート夜話 昭和プロレス暗黒対談』刊行記念イベントを8月18日(日)書泉グランデにて開催

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