【新日本】タイチ、上村との元同門対決を制し故郷・札幌で魂のメイン勝利「今年のG1は敗者復活の夢をつかんでやる。俺についてこい!」
新日本プロレス“真夏の最強戦士決定戦”『G1 CLIMAX 35』が7月19日、北海道立総合体育センター 北海きたえーるで第2戦を開催した。
『G1 CLIMAX 35』
日時:2025年7月20日 (日) 12:30開場14:00開始
会場:北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
観衆:2,520人
アクシデントにより急遽メインイベントに抜擢された地元・北海道出身のタイチが、かつての盟友・上村優也との魂を削り合う激闘を制し、故郷に錦を飾った。
この日のメインは、IWGP GLOBAL王者ゲイブ・キッドの負傷欠場というアクシデントを受け、Aブロック公式戦のタイチ対上村優也が繰り上げで行われることとなった。
6月まで同じユニット「Just 5 Guys」で共闘した二人が、G1という大舞台、そして急遽用意されたメインイベントで対峙する。そのゴングは、リスペクトがあるからこそ一切の遠慮を捨てる、非情な戦いの始まりを告げた。

序盤から両者は、胸の骨が軋むような強烈な逆水平チョップを打ち合う。絆が深かったからこそ、互いのすべてを受け止める覚悟を決めたような、壮絶な打撃戦であった。
上村は若さを武器にタイチの腕に的を絞って攻め立てるが、タイチはそれを上回る老獪さと非情さで応戦する。

試合中盤、タイチの強烈なハイキックでダウンした上村に対し、タイチは「優也、立て!」と厳しい檄を飛ばす。そして、立ち上がれない若き獅子の顔面を容赦なくステップキックで何度も踏みつけ、「どうした、優也! 終わりか?」と挑発。
これは、かつての師が愛弟子に送る、最も過酷なエールであった。この屈辱に、上村も鬼の形相でエルボーを打ち返し、自身の存在価値を叩きつけようと必死に食らいついた。

終盤、故郷の大声援を背に受けたタイチが覚醒する。上村のフライングボディアタックを必殺の天翔十字鳳で撃ち落とすと、パワーボム、横綱式カチ上げエルボー、そしてダメ押しの天翔十字鳳と畳み掛け、最後は必殺のブラックメフィストで、若き壁の挑戦を完璧に退けた。

<試合結果>
▼メインイベント(第9試合) 30分1本勝負
『G1 CLIMAX 35』Aブロック公式戦
タイチ 〇(1勝1敗=2点)
vs
上村 優也 ×(1勝1敗=2点)
19分02秒 ブラックメフィスト→片エビ固め

リング上に大の字となって倒れ込んだ上村優也に対し、タイチはそっと氷嚢を当てながら言葉をかけた。倒れたままの上村の胸元を軽く叩いたタイチは、IWGPタッグのベルトを掲げた後、マイクを握り観衆へと語りかけた。
「2日間メインイベントを務めさせてもらいました。本当は今日、セミファイナルで上村と闘う予定だったが、結果としてこのリングの中央で勝ち、立っているのは俺だ」と口火を切ると、場内からは大きな拍手が起こった。
続けて「G1 CLIMAX、完全に俺についてきてるよな。予選2回負けたけど、だから何だ? これから全部勝てばいいだけだ」と声を張ると、札幌のファンから再び歓声が沸き起こった。
タイチは地元・北海道の出身者として初の「G1」制覇に向けての覚悟を示し、「今年のG1は敗者復活の夢をつかんでやる。俺についてこい!」と高らかに宣言。ここで入場曲が流れ始めるも、タイチはその場に制止を求めた。

再び上村に歩み寄ると、「優也、大丈夫か? ちょっとやりすぎたか? ごめんな。最高だよ、優也。お前も間違いなく新日本の未来の太陽になる。ただその前に、何度でも俺が壁になってやる。いつでもかかってこい」と、激闘を称えながら温かな言葉をかけた。
かつて同じユニット「Just 5 Guys」「Just 4 Guys」に属していた二人。タイチはその歴史を踏まえ、「俺たちがやってきたことは間違いじゃなかった」と語り、今後は新日本本隊の一員として団体を支えていく決意を語った。
そして「今日は最後に5 Guysのテーマで締めさせてくれ。これでリング上でもケジメはついた。これからは一緒に前に進む。これまで以上に期待してほしい」と語ると、場内からは割れんばかりの拍手が送られた。

Just 5 Guysのテーマが流れる中、タイチは再び上村のもとへ歩み寄り、その体を抱き起こす。上村はタイチの左腕を持ち上げようとしたが、すぐにそれを下ろし、代わりにタイチの右腕を高々と掲げた。二人は熱く抱擁を交わし、上村は太陽のポーズで自身の信念を示すと、握手を交わしてリングを後にした。
リング上に残ったタイチは、同じ北海道出身の若手選手・安田優虎をリングに招き、静かに言葉をかけた後に握手。その腕を掲げ、地元のファンへ紹介した。リングを降りると、場内の鉄柵越しにファンとの触れ合いを楽しんだ。

そこへ英語実況席で解説を務めていたザック・セイバーJr.が歩み寄り、IWGP世界ヘビー級のベルトを手にしながらタイチと握手を交わす。盟友との短い邂逅を経て、タイチは花道をゆっくりと進みながら最後までファンと交流。入場ゲート前で再度勝ち名乗りを受け、静かにその奥へと姿を消していった。
■試合後バックステージコメント

試合後、満身創痍でバックステージに現れたタイチは、G1の痛みとメインを締めた充実感を語った。
「久しぶりだな、『G1 CLIMAX』の痛み。俺今日、セミファイナルだったんだぞ。だけど締めてんのは、メインイベントで俺だろ? 完全に、『G1 CLIMAX』が俺を必要にしてんだろ? 運も実力のうちだって。実力があるから、運もついてくるんだろ? 全部、俺に、ついてきてる。ドン底見た男の強さ、恐ろしいぞ。テメエら全員、かかってこい。やってやるよ。優也、まだまだ、俺が壁になれるようだな。いつでもかかってこい。またやってやるよ」と、G1制覇への絶対的な自信と、上村へのメッセージを送った。
一方、敗れた上村は、その悔しさを隠さなかった。
「いまの気持ちは悔しいです。いままでの試合の中でも、もうトップクラスに悔しい……。先輩たちがあんだけ頑張ってんだから、ボクがそれ以上に頑張らないとって、ずっと本隊に入った頃から意識が芽生え始めて。試合内容、そして何より結果を出さないと、ただただ太陽は昇り切ってないって、そういうことだから。でも、俺はまだまだ新日本プロレスの太陽として、高い位置でみんなを照らす、そういう存在に俺はならなくちゃいけない。タイチさん、次は俺が叩き潰します」
と、涙をこらえながら、未来のエースとなることを固く誓った。
非情なまでの激しさと、その奥底に確かに存在した師弟の絆。故郷で掴んだこの一勝は、タイチにとってG1制覇への号砲となり、上村にとっては「新日本の太陽」となるための、あまりにも大きな試練となっただろう。
<写真提供:新日本プロレス>
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