ゴシックパンクでサブミッション 古沢稀杏は「スターダムにいないタイプ」のスターダム
スターダムでは、昨年11月からの半年間で6人の新人レスラーがデビューした。デビュー時期に個人差こそあったものの、同期入門でプロテスト通過の全員が脱落者を出すことなくリングに上がる権利を得たのである。現在欠場中ながら浜辺纏(まとい)が第1号で、以後、鉄(くろがね)アキラ、姫ゆりあ、金屋あんね、儛島エマ、古沢稀杏(ききょう)の順にデビューを果たした。儛島と古沢は同日(5・21後楽園ホール)だが、儛島が第1試合で古沢が第2試合の登場。同期の中では、古沢が事実上の最後発ということになる。

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古沢は現在21歳。もうすぐ22歳の誕生日を迎える。プロレスとの出逢いは高校生の頃だから、それほど昔のことではない。もともと両親がファンで、彼女の目にもテレビでのプロレス放送が自然と入ってきたという。
「だんだん興味が湧いてきて、一度観戦に行ったらドハマりしてしまったんですよね。新日本プロレスの静岡での大会だったと思います。テレビで後藤洋央紀選手のファンになり、実際の観戦ではSHO選手がすごく印象に残りました。プロレスラーは実物の方がカッコいいなと思いましたね」
静岡県富士宮市出身の古沢。プロレス観戦にハマってからは、母親と一緒に県内はもちろん、しだいに後楽園ホールや大田区総合体育館まで足を延ばすようになった。しかも、静岡県での新日本はほぼすべて現地で観戦したというではないか。そんな彼女がなぜ自分もプロレスラーになりたいと思ったのか?
「高校卒業後、スタイリストをめざしてファッション系の専門学校に通っていたんです。ただ、就職に関してちょっと困ってしまっていたときに偶然エックスでスターダムのシンデレラオーディションの告知を見まして、やってみようかなと思い、応募してみました」
スタイリスト志望からプロレスラーという大胆な発想の転換。スポーツ歴といっても中学校の3年間、ソフトテニス部に所属していたくらい。高校ではサッカー部のマネジャーで、プレーしていたわけではなかった。

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それでもオーディションを見事通過し、練習生としてトレーニングを始めることになった。むしろ、受かった本人が驚き、戸惑った。
「受かってすごくうれしかったんですけど、正直、不安の方が大きくて、私にできるかなって…」
夢から我に返った古沢。浜辺と儛島、そして古沢の3人が24年4月に同時入門。3カ月前入門の鉄、姫、金屋に合流したのである。そして迎えた練習初日、当たり前ながらもプロへの第一歩で洗礼を浴びたような気がした。「初日の筋トレがきつくて、2日目には筋肉痛で動けないくらいでした」
それでも、「自分だけ脱落したくない」と、同期には負けられないとの気持ちが大きかった。ライバルはまた同時に、心の支えになる仲間でもあった。「仲間がいるからがんばるしかないと、自分に言い聞かせてがんばりました」














