新日本プロレス「NJC」を制したカラム・ニューマンは英国出身 欧州も海外武者修行の選択肢
新日本プロレス「NEW JAPAN CUP(NJC)2026」は“THE PRINCE”カラム・ニューマンが優勝。4月4日、東京・両国国技館大会でIWGPヘビー級王者・辻陽太に挑戦する。
OSKAR、ハートリー・ジャクソン、後藤洋央紀、海野翔太、上村優也を撃破しての栄冠は、見事だった。OSKARはドイツから新日本道場に入門したヤングライオン育ち。ジャクソンはキャリア27年の巨漢ベテラン戦士で、新日本LA道場に入門したこともある。後藤はIWGP世界ヘビー級王座など数々のベルトを保持し、G1 CLIMAXを1回、NJCを3回制覇している実力者。海野、上村は次世代のエースとして今大会制圧を期待されていた。
いずれも強敵だったが、中でも準決勝で海野、決勝で上村を退けたのは特筆される。自ら時代の扉をこじ開けてみせた。

©新日本プロレス
デビュー9年目だがまだ23歳の「狂乱の若武者」カラム。イギリス出身で祖父がプロレスラーだったという。子供のころからサッカーとともにレスリングに親しんでいた。恵まれた運動能力に、185センチ、98キロとバランスのとれたボディを誇る。スピード、テクニック、技の切れ味…その将来は約束されていると言っていい。
辻も安閑とはしていられないが、欧州出身の逸材を目の当たりにすると、様々な思いがよぎる。かつてはアメリカ、メキシコそして日本がプロレス王国といわれていた。若手選手は武者修行の場を求め、アメリカやメキシコに旅立ったものだ。
ヘビー級はアメリカ、ジュニア戦士はメキシコが定番だったが、欧州マットを目指す者もいた。イギリスに「神様」カール・ゴッチはじめ何人もの実力者を送り出した伝説の「蛇の穴」ビリー・ライレージムがあったように、テクニックを学ぶには欧州マットが定説だった。
ドイツで毎年開催されていたハノーバートーナメントにも、様々な日本人選手が参戦。同じ会場で闘い続けるシステムだった。蝶野正洋がマルティーナ夫人と知り合ったのはドイツ遠征時だったように、日本人選手とドイツ女性とのラブロマンスは枚挙にいとまがない。

蝶野はアメリカ、カナダでも武者修行している。全米各地には様々な団体が存在しており、一人でさまざまなことに取り組まなくてはならず、プロレス修行だけでなく社交性、順応性、交渉力など人間力も鍛えられる。
団体だけでなくフロリダのゴッチ道場、カナダ・カルガリーのジョー大剛道場などもあった。海外遠征中の間に一定期間、弟子入りし集中して体を作り上げたり、技を教わり、心を磨いたりしている。
レスラーによって、海外修行の取り組み方もそれぞれだった。
武藤敬司のように、海外マットに定着している日本人選手とバディとなり、食事、移動を要領よくこなす者もいる。蝶野は企業の現地駐在員と親交を深め、サポートを受けていた。ターザン後藤は車社会に背を向け、毎日1時間以上かけて歩いてジムに通い買い出しをしていた。
令和になると、他団体で国内修行する新たなシステムも誕生。新日本の大岩陵平がノアに、DDTの遠藤哲哉がノアに、ノアの宮脇純太がDDTでレギュラー参戦するなどしている。

海外から日本の団体で鍛錬するため来日する者も増えた。いまや日本プロレス界が、アメリカなどと並んで世界のプロレスをリードしている。
若手選手が武者修行に旅立ち、凱旋帰国しスター選手への階段を昇り始める。どんな技を修得したのか、どんな風貌に変わったのか、体は大きくなったのか、期待がふくらむ。パターンは多様化しているが「凱旋」の二文字に心が躍るのは変わらない。
新日本の期待のヤングライオン、村島克哉と嘉藤匠馬が武者修行に旅立つ。凱旋が今から楽しみだ。
これまでも、そしてこれからもプロレスラーのサクセス・ストーリーを見守るのは極上の喜び。今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!(敬称略)
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