【編集長コラム】「祝・古希 天龍源一郎氏」

「熱き心」天龍源一郎氏の「古希を祝う会」が2月2日、天龍氏の70回目の誕生日に開催された。

プロレス界、角界、芸能界、天龍ファンなど約200人が「平成のミスタープロレス」を祝うために詰め掛けた。

5年前の現役引退後も不滅の人気を誇る天龍氏。「熱き心」がほとばしる一言ひとことに、出席者が耳を傾けていた。

引退試合で闘った「令和のミスタープロレス」オカダ・カズチカからも、お祝いのビデオが届いた。「引退から5年…2020年、何かが起こる」と、謎のメッセージが披露された。

天龍氏を支えるまき代夫人、長女でルネッサンス株式会社(天龍プロジェクト)代表の紋奈氏との家族愛が、ヒシヒシと伝わってくる素晴らしい会となった。

何ともハッピーな空気に包まれる中、天龍氏に「ちゃぶ台返し」をさせた30年前の光景が改めて蘇ってきた。当時、SWSからの誘いと全日本プロレスへの熱い思いの板挟みとなって悩む天龍氏に「天龍同盟、久しぶりに見たけど、つまらない」と、何とも不遜な暴言を発してしまった。

1992年バルセロ五輪の事前取材のため、しばらくプロレス会場から離れていた頃、地方での天龍同盟との飲み会に浮かれしまった。何とも失礼な振る舞いだった。

それでも、大人の対応で接してくれた天龍氏も、とうとう堪忍袋の緒が切れたのだった。座敷のテーブルが一気にひっくり返った。往年の人気アニメ「巨人の星」で父・一徹が披露した「ちゃぶ台返し」そのものだった。

その夜、ホテルに謝罪に伺うと、ドア越しに「オウ」と、いつも通りの声を返してくれた。それどころか、翌日、自宅に何とも立派な胡蝶蘭の鉢植えが届いた。家人は「何かしたの?」と驚くばかり。

ちなみに、私は1988年に結婚したが、当初は予定していなかった二次会の会場を急きょ押さえてもらい、費用も天龍さんが馬場さんにかけあってくれた。すべてを丸抱えにしてもらい、とても嬉しく、またありがたかったのを今でも鮮明に覚えている。

お世話になりっぱなしだが「天龍さんなら、どうするかな」と、考えることもしばしば。「男・天龍」の生きざまに憧れてしまう。

お祝いの会のお開き後、お見送りいただいた際には「天龍さん、これからもお手本にさせてください」と、伝えるつもりだったが「早く、行け」と、これまたいつも通りのしぐさ。多くを語らないが、全身から出るオーラでメッセージを伝えてくれる。

頑固一徹ながら、優しさもたっぷり。やはり天龍源一郎は格好いい。

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