【高橋奈七永インタビュー②】「倒れたままでは顔向けできない」立ち上がり続けた25年、そして個人・団体の未来像を激語り!

女子プロレス団体SEAdLINNNGの高橋奈七永デビュー25周年記念インタビュー後編。

2021年7月でデビュー25周年を迎えるが、前編では7月11日後楽園ホールにて開催される『25周年記念大会☆ARIGATOU』への想い、「こんなにやるとは思ってなかった」と素直な気持ちを明かしたレスラー生活を振り返ってもらった。

後編ではここまで続けられた理由、そして個人・団体の未来像、さらには自身の存在についてを明かした。

前編:”夢の時間”を提供したい25周年記念大会、「こんなにやるとは思ってなかった」レスラー人生を振り返る

レスラー生活を続けてこれた理由

― ― 前編では25年を振り返っていただきましたが、続けてこれた理由はありますか?

高橋 何か不思議な力が働いてるとしか思えないんですけど。プロレスの神様が私を離さないんだと思うんですよ。

― ― それはどういうところで感じるんですか?

高橋 25年もやってれば多分そうなるんですけど。あんまり過去のことを覚えてられないんですね。だから今を生きる、これから未来をどういう風に進んでいくかっていうことのほうが大事かなと思っている節があるので。結構忘れがちなんですけど、全女解散の時は私が最後の試合でケガをして試合をしてないとなるとやっぱり辞められないところがあるんじゃないかなと。もしその時に自分がやれるだけのことをやって全女がなくなっちゃったっていうのがあったら、もしかしたら引退をその時に選んでいたかもしれないなというのが、他のインタビューで振り返った時に「そうかもしれないな」っていうのがありました。大事な時に何かがある。何かがあったりケガをしたりとか。振り返ると結構私ケガで欠場している期間が多かったりとかするんですけども。なんか目に見えない力で引き止められている。

― ― 欠場期間はリハビリとか大変ですが、それでもやっぱりもう1回リングに立ちたいという思いが勝つんですか?

高橋 去年の足首のケガ(左変形性足関節症)の時なんて、もう1回やろうとはある時期まで全く何も考えていなかったんですよ。

― ― 考えられなかった?考えていなかった?

高橋 考えられないから考えない(笑)というか、手術が2月で半年間はずっと松葉杖。「100%体重かけちゃいけないですよ」って言われてたので、半年松葉杖で。手術した後すぐなんかはホントに1人で何もできない。買い物に行くのも大変だし、それですごい心が落ちて。「何でこんなつらい状況になるんだろう?」みたいな。かなり精神的には落ちましたし。だから全くもう1回プロレスやりたいとかも思えなかった。

― ― そもそも生活が不自由ですからね。

高橋 そう。生きることが精一杯だと人間はその先考えられないんですよ。先が全く私には描けなかったんですけど、今もトレーニングを見てくださっているトレーナーさんに去年の夏に久々にトレーニングを見ていただくようになって。そしたらずっと足を引きずって歩くみたいな感じだったんですけど、やっとちゃんと歩けるようになってきて。そしたらどんどんテンションが上がってきて。ホント分かりやすいぐらいに。

― ― 「動けるようになったらできるな」みたいな。

高橋 そうそうそう。それでもう「あ、これ復帰できるわ」って思うまではそこからは長かったんですけども、だいぶ自分が歩けるようになると前向きになってきてみたいな感じで。だからずっと前向きに生きてるわけではなく、すごくホント落ちたり上がったりっていう25年間だったんですけども。それでも年末に復帰した時とかは最高に楽しくて。手術前が本当に足が痛くて満足に歩けない状態だったので。そんな中でやる試合はやっぱり辛さしかなくて。でも手術したから全然その時は痛みがないし、こんなに動けるんだ?みたいな。こんな楽しいんだ?っていうので、復帰戦でタッグのベルトに挑戦したんですけど、30分1本勝負で確か29分何秒まで粘ったというか。そこももうちょい頑張れよって思うんですけど。そのぐらい試合終わりたくないぐらいのテンションでした。

©SEAdLINNNG

― ― すごいですね。じゃあ落ちきることがなかったということですね。

高橋 いやいや、落ちきってました。

― ― 落ちきってるんだけれども、でも何か上がるきっかけがあると。

高橋 はい。でも落ちきると「このままじゃいけないな」ってどこかで自分で思い出して、じゃあトレーナーさんに連絡してみようとか。何かしらの糸口を自分で探して。ホントでもそのトレーナーさんのおかげで元気になったというのがあるんですけども。

― ― でも普通「このままじゃダメだ」って思えない人のほうが多いじゃないですか。何でそう思えるんですか?「もうダメだダメだ」とそこから這い上がろうなんてできる人はなかなかいないと思いますけど。

高橋 それはもうプロレスラーだからですよ。やられても立ち上がるって今まで散々言ってきて、立ち上がれない日も多かったですけど。立ち上がらないままじゃダメじゃんってどこかで多分ちっちゃい私が言うんですよ。「おーい奈七永!そろそろ…」

― ― 立ち上がれと?

高橋 うん。多分。私自身プロレスラーでもつらいものはつらいし。痛いし。やられちゃうことも多いし。だから見てくださってる皆さんと多分同じ普通の人間だけど、プロレスを見てくれて「元気が出ました」とか「明日頑張る力が湧いてきました」とか言ってくださる人の声がパワーになって。あの時にあの人こうやって言ってくれたのに私このまま倒れてたらダメじゃんとか思わせていただけるので。

― ― ファンの力も大きいですね。

高橋 大きいですね。倒れたままでは顔向けできないですもん。

― ― 倒れたまま「もうこれで引退です」なんて絶対に言えないですね。

高橋 そうですね。

― ― それはやっぱり感謝ですか?

高橋 感謝です。感謝が…あっ、すごいつながったんですけど、だから「ありがとう」っていうタイトル(7月11日後楽園大会のタイトル『高橋奈七永25周年記念大会☆ARIGATOU』)をつけたんです。ここまでこんなに長い間やれてこれたのは応援してくださるみなさんとか関係者のみなさん、ホントにいろんな方々のおかげで来れたので感謝を表したいですね。

― ― 感謝を表す大会にしたいと。

高橋 はい。

次ページ(個人・団体の未来像、そして自身の存在について)

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