【高橋奈七永インタビュー②】「倒れたままでは顔向けできない」立ち上がり続けた25年、そして個人・団体の未来像を激語り!

個人・団体の未来像とは?

― ― それではここからは未来の話ですが、個人として今後やりたいことや挑戦したいことありますか?

高橋 やりたいことはSEAdLINNNGのベルトを最後まで諦めたくないなっていうのがあります。自分が引いてたほうがいいんじゃないかみたいなのがどこかにあるんですよ。一番上だし、私がシャシャッたらみんな譲るしかなくなっちゃうのかなとか思うけども、レスラーとしている以上はやっぱりいつだってベルトを狙っていかないと面白くないし。タッグのベルトも今年巻いてたのに取られてしまったし。自分が名実ともにSEAdLINNNGの主役なんだぞっていうものを作っていきたいし、それを目指し続けたいなっていうのがありますね。それをやることによって団体としてもっと目立っていきたいし、大きくしていきたいし。現状には満足できないので。

― ― 個人としてはチャンピオンになりたい、ずっとトップでいきたいという思いはあると思いますけども。今度は団体の代表として団体をどうしていきたいですか?

高橋 コロナ禍というのもあって大会数も結構少なく制限されて…

― ― 人数もそうですし、色々と制限がありますよね。

高橋 それで挑戦してこれなかったことが多かったので、やっぱりレスラーとしてもそうだけども、会社としても挑戦することをやめたら結局負けにつながると思っているので。挑戦をもっとしていきたいし、ファンの皆さんの数を増やしていかないと団体の規模も大きくならないと思いますし。もっともっと知っていただく努力っていうものをしていきたいですし。

― ― 去年、ライブ配信アプリ 17LIVE (イチナナ) で配信されていたじゃないですか。YouTubeでのLIVE配信はよくありますけど、アプリでのライブ配信は珍しかったですよね。

高橋 そうですね。

― ― 個人での配信とかはありますけど。試合をアプリでLIVEで配信するなんていうのは新しい試みですよね。

高橋 はい。あれは良かったですか?

― ― 良かったと思います。私も見てましたけど、すごく良かったと思います。 やっぱり色々な人に広げられるじゃないですか。いろんな人に無料で見てもらえるというのはすごく大きい機会だと思います。

高橋 そういう無料で見られる機会というのも大事ですよね。知っていただかないと始まらないというか。みんなの心に突き刺さるものをリング上ではやってると思うのでそれを届けていく作業というものはもっともっと大事になってくると思うので。

― ― 大事ですね。そして団体としては来月の後楽園ホールで6周年大会がありますが、やりたいことはありますか?

高橋 SEAdLINNNGの旗揚げは戦いの苗を植えるっていってSEAdLINNNGっていう名前もつけたし、それをテーマに始めて、だいぶ花穂ノ利とか海樹リコとか生え抜きもデビューしてくれたんですけど、全然人数は少ないんですけど。もっともっとこれから増やしていきたいなというのはありますし。そういう意味では私は今まで対戦したことがない人とかと新しい苗を植えるという意味でやるっていうのも一ついいのかなとなんとなく考えています。

©SEAdLINNNG

― ― 個人がやりたいという感じですかね。

高橋 はい。個人で。

― ― 個人としてはまだ対戦したことない選手とやりたいと。好奇心がまだまだありますね。

高橋 ほとんど起きてる時も寝てる時もですけど、プロレスのことしか考えていないので。

― ― レスラーとしてもそうだし、団体の経営者としても両方の頭がないと大変ですよね。

高橋 そこのスイッチの入れ替えとかは全然慣れないので。まだまだ成長しないといけないなと思ってます。

― ― 団体としては生え抜きの選手もこれからどんどん人も増やしていきたいと。

高橋 増やしたいですね。

― ― さらに大きくしていって、個人としても今までやったことのない選手やりたい。目標がまだまだいっぱいありますね。

高橋 はい。自分で「女子プロ界の人間国宝」って言ってるんですけど。ホントに貴重な人材だと思うんです。自分で言うのもあれなんですけど(笑)

― ― いや、でもホントに上の方たちとのパイプ役にもなるし、団体の代表だから自分で判断できることもあるわけじゃないですか。若手の選手とのつながりもあるし。

高橋 やっぱり自分が受けて受けて受けて反撃して勝つっていうスタイルでもあるので。 相手の何かしらを引き出せる器があると思うんですよね。自分で言うのも何ですけど(笑)

― ― いや、それはあると感じますよ。

高橋 それは何でかと言ったらその瞬間を見るのが好きというのもあって。何か試合中でスイッチ入ったとか、変わったとか一試合だけじゃなくても何試合かすることによって変わっていくのを見るのが好きとか。高橋奈七永と対戦することによって引き出される選手が多いので、そういう選手に出会えると私も嬉しいし。そうやって女子プロレスを背負っていってくれると業界のためにもいいと思いますし。なのでまだ私が深く関わっていない選手のほうがたくさんいると思うので。新しいやりがいのある選手を見つけていくのもいいなと。

― ― それで言うと3月のスターダムの日本武道館大会での渡辺桃選手とのシングルマッチなんかもそれは感じました。渡辺選手はスターダムの中で経歴(2014年デビュー)長いじゃないですか。
※3.3日本武道館大会:https://proresu-today.com/archives/141465

高橋 そうですね。あの中だとね。

― ― でも奈七永選手の前に立つと全然キャリアが違うし。向かっていってるスタイルに見えて新鮮だなと思いました。

高橋 そうそう。いろんな経験をしておかないと成長しないから。またそこで新しい扉をあの選手を開けたかもしれないし。多分私と試合するのは怖かったと思うんですけど(笑)そういう風になっていけばいいと思いますよ。

― ― 最初のほう出てきましたけど、そういう選手がどんどんどんどん高橋奈七永というフィルターを通して、新しい部分を引き出してもらうといいですね。

高橋 はい。出ました。名言(高橋奈七永というフィルター)出ました。そうだ!”魂のカメラ”ですそれは。何回か道場から無観客試合を配信したんですけど、朱崇花が私に「だってお客さんいないしやる気出ない」みたいなことを言ったんですよ。「お前には魂のカメラはないのか」って名言が出ちゃったんです私。だからそのフィルターみたいなものを魂のカメラですよ。みなさんの魂のカメラで見てくださいよと。

― ― いろいろと開発しますね。

高橋 降りてきちゃうんで(笑)

― ― パッションですか?

高橋 はい。パッションです。

― ― なるほど。ちなみに個人的に奈七永選手にはすごい勇気もらってますよ。

高橋 ありがとうございます。

― ― 同じ年の人が頑張ってるのを見ると嬉しくなりますよね。

高橋 そうですよね。そろそろ結構重要な、世の中において重要な世代じゃないですか 。なので私も勇気をもらってるし。パワーと届けられたら嬉しいしみたいな思いでいます。

― ― 最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

高橋 今回のお話で何回も「みなさんのおかげで」とか言ってきたんですけども。本当に支援してくださるみなさんがいてくれての高橋奈七永だと思っていて。本当にいつもありがとうございますっていう感じで。

― ― それもあって大会名が「ありがとう」なんですね。

高橋 はい。あんまり直接ファンの皆さんとお話する機会もありませんし。今なんか特にイベントとかもできない状況も続いてて。なのでこういう大会があった時に思いをしっかり届けたいなと思っているので。今まで25年の中で、「最近見ていないけど、昔高橋奈七永応援してた」とか、「全女の高橋奈七永知ってる!」とかいう方ももし機会があったら後楽園に来ていただきたいですし。そしたら今の若いコたちも出るので。今の女子プロレスっていうものをお見せできると思うし。みんなで頑張って生きていきましょう!っていう感じです。

― ― そうですね。歴史も見られるし、現在進行系も見られるし。ホントにいろいろ詰まった大会ですよね。

高橋 はい。会場でお待ちしています!

― ― 今日はありがとうございました。

高橋 ありがとうございました。

高橋奈七永(たかはし・ななえ)プロフィール
【生年月日】1978年12月23日
【出身地】 埼玉県川口市
【身長】 165cm
【体重】 65kg
【デビュー戦】1996年7月14日、全日本女子プロレス、東京・後楽園ホール、対中西百重

初代SEAdLINNNG BEYOND THE SEA SINGLE 王者
第4代爆女王
第58代&第60代 WWWA世界シングル王者
第14代 JWP無差別級王者
初代 ワールド・オブ・スターダム

経歴
アニマル浜口道場出身として1996年7月に老舗団体・全日本女子プロレスでデビュー。
当時、女子プロ界最高峰のベルトと言われたWWWA世界シングル王座(現在は封印)の最後のチャンピオンとして名を連ねる。
全女解散後はSUN→スターダムを経て、2015年8月にSEAdLINNNGを旗揚げ。
2016年末には世界一危険な格闘技・ラウェイに挑戦。2017年はザ・グレート・サスケとのTLCマッチで勝利。
2018年は大谷晋二郎との電流爆破、潮﨑豪とのシングルなどその活動は多岐にわたり、11月には初代SEAdLINNNG BEYOND THE SEA SINGLE 王者、2019年には電流爆破マッチを制し第4代爆女王となった。
2020年1月24日後楽園ホール大会後、左変形性足関節症の手術の為長期欠場に入る。
2020年12月23日、自身の誕生日に奇跡の復活を果たし、2021年7月で25周年を迎える。

「SEAdLINNNG〜高橋奈七永25周年記念大会☆ARIGATOU〜」
日時:2021年7月11日(日)17:00 OPEN 18:00START
会場:東京・後楽園ホール

ー全カードー

〈第1試合 タッグマッチ20分1本勝負〜OPENINNG POP UP!〜〉
花穂ノ利&水森由菜(我闘雲舞)
vs
海樹リコ&笹村あやめ(2AW)

〈第2試合 タッグマッチ20分1本勝負 〜THE SCRAMBLE!〜〉
堀田祐美子&真琴
vs
山下りな&川畑梨瑚

〈第3試合 25th ANNIVERSARY スペシャルエキシビションマッチ 〜夢の7分間〜〉
高橋奈七永&中西百重<NANA☆ MOMO☆> with前川久美子
vs
さくらえみ(我闘雲舞)&夏樹☆たいよう

〈ダブルメインイベント SEAdLINNNG BEYOND THE SEA Single Championship 30分1本勝負〉
〈王者〉朱崇花 vs 〈挑戦者〉水波綾
※第5代王者、初防衛戦。

〈ダブルメインイベント シングルマッチ 30分1本勝負〜GO!NOW!〜〉
高橋奈七永 vs 中島安里紗

大会詳細はSEAdLINNNG公式サイトにて
http://seadlinnng.com/

 

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