映画で岩谷麻優を演じるつもりがレスラーに。さくらあや「プロレスは間違いからたどり着いた天職!」

 その後、学生プロレス出身のHANAKOからプロレスをレクチャーされ、初めての観戦に。その大会は若手中心のスターダム「NEW BLOOD」で、ジュリアvs天咲光由の試合に衝撃を受けた。「私には無理、できない…」。実際、練習に行くかどうかも迷いに迷った。が、「可能性がある」と言われたことで一度行ってみることに。しかし初日のランニングと腕立てで「もう死にそうになりました」。運動好きは変わらないのだが、アクション俳優の養成所とはまったく別の厳しさがあった。練習生として続けていくことに不安をおぼえたのである。

「仕事もあるし、すごい悩んだんですよ。実際、2回ほどさぼってしまいました。そんななかである日、スタッフさんから『すごいポテンシャルのある子が入ったと聞いたよ』と言われて、HANAKOのことですよと言ったら、『違うよ。学プロの子とは別にすごいいい子が入ったと聞いたから、がんばってね』って。私ってそんなふうに思われてるんだ。だったらやるっきゃないって(笑)。そこからメッチャ練習するようになりました」

 それでも練習には苦労した。基礎体力からプロレスの動きに移るまでも時間がかかった。しかしながら昨年3・25横浜でのデビューにこぎ着け、プロレス一本に集中。6月にはタッグながら初勝利も挙げた。

 ところが、7月8日の富士大会で腰を負傷、椎間板ヘルニアと診断され長期欠場に追い込まれてしまう。その間、次々と新人がデビュー。11月に弓月、12月に玖麗さやか、八神蘭奈。復帰後にはなるが今年3月には梨杏が仲間に加わった。この状況、あせりがないと言ったらウソになる。

「関西での大会ということもあって弓月デビュー戦の日には復帰したかったんですけど、無理。玖麗と蘭奈のデビューまでには…無理。だったら1月の新人王決定戦までに…やっぱり無理と、無理が続いてしまって…」

 空手時代を含め、これまでケガをしたことがなかった。それだけに精神的にはきついものがあったが、ラストチャンスとばかりに設定した復帰目標(地元に近い3・16姫路大会)をクリアー。3・10後楽園でリングに帰ってきた。しかもフリフリのニューコスチュームで登場し、中野たむ率いるコズミックエンジェルズ入りをアピール。先にコズエン入りを直訴していた玖麗に宣戦布告する形だ。

「実は入れるならコズエンとずっと思ってました。もともとアイドルが好きだし、自分が表現したいことに一番近いユニットだと思ってたので」

この日から、コズエン入りへの闘いが始まった。玖麗に対しては、「私が休んでる間に何してくれるんだよって思ってました。玖麗がすごく輝いて見えて、悔しかったです。『審査』と言われてますます負けたくないと思って、メッチャ練習量が増えましたね。出稽古にも行きました」

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