「いくつになっても青春!」49歳でデビューの53歳Himiko クラッシュギャルズ全盛時にあきらめた夢をかなえる!

その後、練習に来る人同士でマット上のエキシビションマッチをする機会があった。エキシとはいえ、見られる立場になったのだ。彼女はまた、HEAT UPの道場にも通い、こちらではリングでエキシビションマッチをおこなった。そして…。
「ふたつかけもちで練習していくうちに、コンディションがメチャクチャよくなっていくんですよ。できること、技も増えてくるし。むかしより全然体調いいじゃんってなって、もしかして(デビューの)チャンスあるのかもって考えたり(笑)。そんな頃に、エキシの発表会だけで終わりにしていいのかなとも考えたし、頭のどこかにあきらめてしまった後悔が残っていたんでしょうね。そしたら、いろんな団体で練習生を募集しているという情報が耳に入ってくるんですよね」
そして、京子のディアナもプロレス教室を開催していることを知る。ディアナにはかつて練習を一緒にしたことのある梅咲遥もいるとあって、参加してみることにした。
「練習のとき京子さんが見に来てくださってたんですよ。それで、40代後半でも大丈夫なのかお話させていただきました。京子さんは、『年齢も気になるとは思うけど、ホントにやる気があるならウチで引き受けるよ』と言ってくださったんです。また、『ケガをしたら回復力は若いときに比べたら劣るので大変だけど、そういうのも含めてホントに気持ちがあるなら(デビューめざして)練習したら』とも言ってくださいました」

その後、スポーツクラブではない本気の練習が始まった。やはり全女イズムを継承する京子の団体だけに厳しかったが、Himikoにはかえってこれがうれしかった。
「いままでのプロレス教室とは違って当然と思いましたね。(全女を見ているので)違和感はなかったです。年下でも(先に入った人は)先輩としてしか見ていなかったですね」
精神面だけではない。若い練習生たちとのトレーニングに肉体的にもついていき、ジャガー相手にデビューを飾った。が、ここはスタートにすぎない。超遅咲きデビューということで、色眼鏡で見られる可能性もあるだろう。周囲の目は気にならなかったのか?
「確かに最初の頃はそう見られていたかもしれません。でも、自分的にはまったくそういう感覚はないんですよね(笑)」
Himikoはむしろ、自身の境遇を“おいしい”とさえ考えられるようになった。試合前には年齢もコールされ、場内が一瞬驚きに包まれる。試合が始まれば、若手とともに年齢を感じさせない試合運び。Himikoの試合には“2度の驚き”があるのだ。これは強力な個性だ。
「中学生の頃に見ていた夢をかなえた。これがホントにうれしいんです。完全にあきらめていたし、プロレス教室もレスラーになるつもりで通ったわけでもなく、ただプロレスの技を習えるのがうれしくて。リングで受け身を取るとか、ロープワークにすごくあこがれていたんですよね。そこから夢がかなったのがホントに信じられないです。あきらめずにがんばったら実現するんだなって」

「写真提供:ワールド女子プロレス・ディアナ」
デビューからすでに200試合近く闘っている。実際、厳しさからやめようと思ったこともあったという。それでも、せっかく実現させた夢。物事を習得するには時間がかかるのもわかっている。だからこそ、リングに上がる喜びはとてつもなく大きい。
「たくさんの壁にぶち当たりながらも、乗り越えて乗り越えて、プロレスの奥深さを実感しているところです。厳しいこと、難しいことの方が多くて、これまではプロレスをしていておもしろいと思ったことがなかったんですけど、3年経って少しだけプロレスがわかってきたかなと思っています」
昨年末からスターダムの若手ブランドNEW BLOODに参戦。3・1渋谷では、女子高生レスラー・ななみとのコンビでNBタッグ王座にも挑戦した。「いくつになっても青春」がキャッチフレーズ。キャリア本番は、これからだ。

インタビュアー:新井宏















