もうすぐデビュー1年の光芽ミリア。前代未聞の環境で唯一無二の体験を武器にする

そんなデビュー戦の前日、ただでさえ極度の緊張に見舞われていた彼女にショッキングな知らせが届く。後楽園で3カ月ぶりの復帰戦をおこなう中島が引退するというのである。知らせを受けた翌日、第1試合で光芽がデビュー。メインの復帰戦を終えた中島は、伝えられていた通り8月23日での引退を観客の前で発表した。つまり、中島の引退を知ったうえで光芽はデビュー。それは同時に、所属選手が光芽ひとりになることも意味していたのだ。
「中島さんが引退すると聞いて、明日はホントに頑張らなきゃいけないと思いました。引退と知って泣いたし、すごく悲しかったんですけど、デビューできるってことは引退前に闘うチャンスがあるってことだと解釈しました。所属がひとりになる? そこはあまり考えなかったです。気づかなかったのではなく、考えないようにしました。どうにかなるだろうって」

「写真提供:SEAdLINNNG」
昨年8・23後楽園ホール。光芽は中島引退試合のパートナーに選ばれた。中島はその日、ダブルヘッダー。まずは光芽とのタッグで堀田祐美子&下田美馬組と対戦。まだデビュー9戦目の光芽にとって、全女レジェンドとの遭遇はこれがはじめて。中島が多大なる影響を受けた全女の大先輩であるとともに、あえて光芽に試練を与えた形だ。
「怖かったです。全然およばなかったんですけど、ただ試合後、堀田さんに『大丈夫』『いけるよ』と言っていただけたのがすごく大きくて。試合が近づくにつれてどんどん中島さんの引退に実感がわいてきて、不安だったんです。でも、堀田さんから試合を通じて言葉をいただけたことが、自分にとってすごく大きな転機になりましたね」

ボロボロにされながらも、これからもシードリングで闘っていく決意をあらためて強くした。中島は、藤本つかさとのベストフレンズで松本浩代&中森華子組と闘い有終の美、現役生活にピリオドを打った。
そして、所属選手がひとりになった最初の大会、光芽はデビュー10戦目の9・10新木場でメインに立った。しかも相手が、松本&中森組。欠場者が出たことで変更になったのだが、くしくも中島引退試合の相手をつとめた選手との対戦だ。光芽のパートナーは当時のシードリングシングル王者Sareee。光芽に将来のポスト中島が期待される、ある意味で運命的とも受け取れるカードになったのである。
「その日は前の晩から緊張で眠れませんでした。所属がひとりだけというより、メインのプレッシャーの方が大きかったですね」














