【スターダム】ワールド王者・上谷沙弥が「シンデレラトーナメント」覇者・玖麗さやかに完勝し王座V3!「誰かの代わりになんてなろうとしなくていいんだよ」

女子プロレス団体スターダムが5月11日、東京・後楽園ホールで「STARDOM in KORAKUEN 2025 May.」を開催。4・27横浜アリーナでの中野たむとの「敗者引退マッチ」を制したワールド・オブ・スターダム王者の上谷沙弥が玖麗さやかに完勝し、3度目の防衛に成功した。
玖麗は3月の「シンデレラトーナメント」を制したが、「願い事」は保留。4・27横浜でテクラに勝利すると、ワールド王座への挑戦を希望した。玖麗にとって、上谷はデビュー戦の相手であり、昨年9月28日、後楽園ではタッグマッチながら、自力初勝利を挙げており、何かと縁のある選手。
開始早々、玖麗はドロップキック連発で攻めていくが、上谷はマウントを奪ってスリーパー。場外戦に転じると、観客席のイスに何度も放り投げる。リングに戻ると、上谷はキック連打、玖麗もミサイルキック、ドロップキック5連発で反撃。さらにときめきスピア、ときめきカッターで猛攻も、上谷はミサイルキック4連発で形勢逆転。玖麗はエルボー連打から、引退した中野の得意技だったバイオレット・シューティング。
そして、ときめきファルコンアローで追い詰めるもカウントは2。玖麗は首固め連発で丸め込みを図るも、フォールは奪えず。玖麗のときめきスピアをかわした上谷はスタークラッシャー。さらにバイシクルキックから、旋回式スタークラッシャーでトドメを刺した。
玖麗の攻撃を受け切って、防衛した上谷は「これが赤いベルトだ。赤いベルトの挑戦が決まって、色々言われたかもしれないね。私なんかじゃ無理かもって思ったかもしれないね。でも、誰かの代わりになんてなろうとしなくていいんだよ。今日みたいに玖麗さやかって存在をこのリングで証明し続けろ」とヒールながらエールを送った。
その言葉を受けた玖麗は「絶対的王者って、こういうことなんだって思い知らされて、めちゃくちゃ、悔しいしか言うことないけど。やっぱり、私が憧れてた背中は大きくて、偉大で、どこにいってもあなたの本質は変わってないんだなって改めて実感しました。今日はこんな私の挑戦を受けてくれて、戦ってくれてありがとうございました」と握手を要求するも、上谷はその手を払いのけると、「あっかんべー」をして、「とっとと帰りやがれクソシンデレラ」と言葉を浴びせた。玖麗は「絶対戻ってきてやるから!」と叫んでリングを後にした。
最後に上谷は「後楽園ホールのしもべたち!スターダムは今までも、今も、これからも一番、最高で最悪な団体だ!沙弥様が保証してやるよ。これからも、スターダムに史上最大の悪夢を見せてやるよ。しもべたちよひざまずけ、永遠にさようなら」と言い放って大会を締めくくった。
バックステージで上谷は「全身で感じたか?これが赤いベルトだ。オマエは全部出し切ったかもしれないけど、沙弥様は全然出し切ってない。アイツが誰かの代わりになんてなろうとしなくていいし、誰かを背負うなんて思わなくていい。今日みたいに自分はこうなんだ。私は玖麗さやかなんだっていうのを証明し続ければ、みんなついてくるんじゃねえの?沙弥様からのありがたいお言葉だ。感謝しろ」とふてぶてしく語った。
玖麗は「まだ全然歯が立たなくて、上谷さんを超えることはこれっぽっちもかなわなかったけど。私は誰かの代わりになんかなんなくていいんだって。自分らしく一歩一歩成長して、スターダムの未来を積み上げて、スターダムドリームを必ずかなえたいと思います」とコメント。
また、スターダムは中野の引退、岩谷麻優の離脱、テクラの解雇、舞華の長期欠場などで戦力ダウンも発生したが、ふたを開けてみれば、主催者発表1503人、超満員の観衆を動員し、周囲の不安を一掃した。
「STARDOM in KORAKUEN 2025 May.」
日時:2025年5月11日(日)11:30開始
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1,503人
◆ワールド・オブ・スターダム選手権試合
《王者》○上谷沙弥(22分0秒、旋回式スタークラッシャー→片エビ固め)《挑戦者》●玖麗さやか
※上谷沙弥が3度目の防衛に成功
<文:ミカエル・コバタ>
Pages 1 2