【新日本】『G1』制覇を夢見た男達!後楽園で見た覚悟と未練、有明で最終決戦へ
【挫折を越えた怪物と、絶望に沈んだリーダー】

セミファイナルで繰り広げられたのは、光と影のコントラストがあまりにも鮮やかな、残酷な物語であった。
“THE ALPHA”KONOSUKE TAKESHITAと、“WAR DOGS”の首領デビッド・フィンレー。
勝者が昨年の雪辱を果たし天国を見るならば、敗者はその存在価値すら問われる地獄を見る。そんなサバイバルマッチであった。

フィンレーが設置したテーブルめがけて、断崖式のパワーボムで叩きつけられたTAKESHITA。
誰もが、そのG1が終わったと思っただろう。
しかし、怪物は死ななかった。カウント19での生還、そしてフィンレーの必殺技をカウント1で返すという驚異的なタフネス。

最後は、猛攻を耐え抜き、レイジングファイヤーでフィンレーを沈め、昨年の挫折を見事に乗り越えてみせた。
試合後、TAKESHITAは、その胸の内を吐き出した。

「去年、この準々決勝まで来て、辻に敗れ、涙を呑んだ。あん時の涙はな、俺がプロレスラーになって初めて流した悔し涙だ。あれは俺にとって、挫折そのものだ。でもな、俺は強えんだ。だからよぉ、そこで終わんねえんだ。立ち上がる姿見せんのが、プロレスラーだろ?な?つまりどういうことかわかるか?今年は優勝しかねえつってんだよ」
その言葉は、一年間の鬱積を晴らす、魂の咆哮であった。
一方、悪夢のテーブルクラッシュの末に敗れ去ったフィンレーの姿は、あまりにも痛々しかった。
「クソーッ!!!!クソッタレが!!!!この『G1』こそが全てを変えるはずだった。俺は歴史を作るはずだった。WAR DOGSを頂点に導くはずだった。なのに…クソッ、俺にはやり遂げられなかった!!!リーダーでいるってそういうことだ。荒れくれどもを率いるとは、そういうもんだ。弱さを見せた瞬間、そこで終わり……終わるんだ。俺の気持ちがどうであれ、変わらなきゃいけないことはわかってる。それが何を意味するのか見当がつかないけど、とにかく変わらなきゃいけないんだ」
その絶叫は、リーダーという重圧に押し潰され、道を見失った男の、悲痛な叫びであった。














